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黒が帰る準備をしてる。
それだけで、胸がざわつく。
赫
赫
赫
意味わかんない。
赫
名前を呼んだら、こっちを向く。
それだけで、ちょっと安心する自分がムカつく。
赫
黑
赫
帰る選択肢あるの無理。
赫
最初からずっと。
お前が来る前提で。
黒が少し笑う。
赫
赫
赫
帰んな、とか。
おれのそばいろ、とか。
重いって思われたくなくて。
嫌われたくなくて。
飲み込んでるだけ。
黑
違う。
黒だからだよ。
赫
ぽつって言ったら、
黒が黙った。
赫
でももう、引っ込められない。
一人の夜は、寒い。
静かすぎて。
黒の匂いも、声もなくて。
赫
赫
赫
小さく黑の服の袖を掴む。
たぶん、情けない顔してる。
でももういい。
かっこ悪くてもいい。
そばにいて。
赫
聞こえないくらいの声で、そう呟いた。
赫
腕の中に当たる体温が、離れない。
離れないくせに、
いつ消えちゃうんじゃないかって、怖くなる。
赫
名前呼ぶだけで、喉が痛い。
服の裾、また無意識に掴んでた。
黑
その一言だけで、胸がきゅっとなる。
優しい声。
おれだけに向けられる声。
赫
赫
自分でも、子どもみたいだと思う。
赫
黑
そう言って、腕の力が強くなる。
抱きしめて、息が詰まるくらい近い。
黑
腕のなかで、低い声。
黑
赫
赫
赫
黑の服を掴んだまま。
おれは小さく笑った。
赫
今度はちゃんと聞こえるように。