予想通り、外は強い風が吹いている。
教師
教師
先生からの提案はありがたいけど…
瑞穂
男子生徒A
男子生徒B
…よし。 走ろう。
僕がひ弱な女顔だって思ってる奴らを見返してやりたい…
桐馬
教師
桐馬
教師
お手本のような熱血教師ぶりに辟易しつつ、僕は列に並ぶ。
準備体操を済ませて、持久走の列に並んだ。
グラウンドの土の感触…
体育の時間の数え切れぬ失態が脳をかすめる。
特に最悪だったのが中1の体育祭…
ああ、思い出さないでおこう。
桐馬
桐馬
まともに走るのはいつぶりだろうか。 いつも体質という体にして逃げていた持久走。
僕だって、出来る男だと思わせてやる!!
そう決意したのは良いものの。
桐馬
桐馬
桐馬
桐馬
脳裏でぐるぐると考えている内に自分の番が来ていて、気がつけば既に引き返せないような位置に立っていた。
桐馬
教師
桐馬
いつもは遠回しに聞こえていたピストルの音。 みんなが怖い怖いって言ってたけど、近くで聞くとこんなに大きい音だったんだ…
走り始めて数分は、特に問題はなかった。
桐馬
程よく発汗して、ちょっと冷えてる風が逆に心地よい。
桐馬
色々考えてる内に気がつけば一周していた。
教師
桐馬
便秘解消には程よい運動が良いって言うけど… こういうことだったのかな?
そしてさらに2周した頃…
雲行きが怪しくなってきた。
桐馬
桐馬
男子生徒A
男子生徒B
桐馬
そう心のなかで対抗できていたうちが華である。
確実に、便意が迫ってきていた。
桐馬
ぐるぐるきゅるるぅ…
桐馬
自分のお腹から鳴ったこの音が、可愛らしいものではないことくらい分かっていたけれど。
桐馬
いや何度も終わりかけては来てるのだけれど…
とかく、自分でも覚えてないほど我慢していたものが外に出てしまったら、自分ではどうすることもできない惨事が起こることは確実だ。
桐馬
桐馬
そして僕は最後の一周へと突入した。
僕が最後の一人と言うだけあって、周りは頑張れーと応援してくれている。まぁ、社交辞令みたいなところが大半だろうけど…
桐馬
早く走りきって、トイレに行かなきゃ。
ゴールが近くなり、思いっきり足に力を入れる。
教師
桐馬
教師
桐馬
足元をそわそわ、足踏みをしながら。
そして、チャイムが鳴った。
それと同時に、僕はトイレの方向へと走り出そうとした。
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