みこちゃんが風邪を引いた。最初はメンバー皆でお見舞いに行こうかとも話したけど、大勢で行っても迷惑だろうし、恋人でもあるオレが行くことになった。
すち
みこちゃんの家に行くと、ベットで荒い呼吸を繰り返していた。
みこと
オレの姿が見えるとみこちゃんは上体を起こす。ぐずぐずと涙を零すみこちゃんを抱き締めて、頭を撫でる。
すち
みこと
弱々しくみこちゃんの両手が背中に回る。
すち
みこと
普段王子様なみこちゃんがここまで弱ってるのは珍しい。苦しそうなみこちゃんを見るのは辛いけど、オレにはこんな姿見せてくれるんだってちょっと優越感感じたり。
暫く抱き締めたまま頭を撫でていると、すぅすぅと寝息が聞こえてくる。ベッドに寝かせ直して、みこちゃんの手を握る。
みこと
悪夢でも見ているのか、みこちゃんの瞳から涙が溢れる。
すち
手を握ったたけじゃ表情が和らぐことはなくて、オレに出来ることはないのかと無力感に襲われる。
みこと
…みこちゃんが困った時、辛い時、悲しい時…頼ってほしい。いや、頼れる人になりたい。その為には…。
すち
そう言って、みこちゃんの唇に口づけした。
寝込みを襲ってるみたいでちょっと申し訳ないけど、今のオレには他にみこちゃんを救う方法が見つけられなかった。
みこと
オレの名前を呼んだかと思ったら、みこちゃんの表情が和らぐ。
すち
オレでもみこちゃんを救えたのかなって嬉しくなった。
すち