樹side
ー4月のある日ー
先生
お前がやったんだろ?
樹
だから、違うって言ってんじゃん
先生
じゃあ、誰がやったって言うんだ?
樹
そんなの、俺が知るかよ
先生
お前がやったってところを見たってやつがいるんだ
樹
それは誰なんすか?
先生
それはな…
○○
いないですよね?
先生
え?
○○
彼がやったところを見たという人、いないですよねって言ってるんです
樹
あの…君は?
○○
今、自己紹介をしてる暇はありません
先生
しょ、証拠はあるのか?
○○
ありますよ
○○
はい
樹
この動画…
先生
…
○○
先生、ここに映っているのは、あなたが一目置いている生徒ですよね?
先生
…ッ!
○○
あまり人というものを信じすぎてはいけないと思います
先生
…〜!
スタスタスタ…!
樹
あ、あの
樹
ありがとな
○○
どうして?
樹
え?
○○
どうして何も言わなかったんですか?
樹
面倒くさくなったんだよ
樹
俺、見た目こんなだからさ、ガキの頃からしょっちゅう1番に疑われてた
樹
俺の言うことなんて、誰も信じてくれなかったし
○○
いるじゃないですか
樹
え?
○○
いつも隣にいる方
樹
あ、慎太郎?
○○
名前までは知りませんが、少なくともあなたの事を信じていなかったら、そばにいないと思います
○○
その人は、あなたの事を心から信頼し信じていると思います
○○
それに私も。あなたの事を信じようと思ったから助けたんです
北斗
あ、いた。○○〜
○○
では…(ペコ
樹
あ、あの!
樹
名前!名前、聞いてもいい?
○○
○○です。浅野○○
○○
では
スタスタ…
樹
浅野、○○
慎太郎
あ、やっと見つけた〜
慎太郎
樹、学食行こーぜ!
樹
…
慎太郎
樹?
樹
…
慎太郎
おーい
樹
え?あ、悪ぃ
樹
行くか。学食
慎太郎
おう!今日は何食おっかな〜
この時俺は、
浅野○○という女子大生一目惚れをした
○○side
北斗
珍しいな
○○
何が?
北斗
○○が自分から行くなんて
○○
別に。ただ、濡れ衣を着せられるのは、誰だって嫌でしょ
○○
それに、あの先生、何かあると見た目がチャラいとかそういう人たちを犯人扱いするから、許せないだけ
北斗
前もあったのか?
○○
入学当初にね。その時もあの人だった
○○
濡れ衣着せられたの
北斗
そうだったんだな〜
○○
なに、私があの人のこと好きとか思ったの?
北斗
バレた?笑
○○
北斗の考えてることぐらいわかるよ
○○
昔からの馴染みだもん
北斗
ふっ笑だな
北斗
…
北斗
なぁ○○
○○
ん?
北斗
昔みたいに戻ることとか出来ねぇの?
○○
…できないよ
○○
病気ってわかって、明るくしてる人なんていないよ
○○
そういう人はみんな無理してる人だよ
北斗
そっか
北斗
でも、なんかあったらいつでも頼れよ
○○
ありがと
そう…
私は病気を持っている
高校3年の夏に、脳腫瘍が見つかった
その時はまだ小さかった
でも、日にちが経つにつれ、大きくなり
入院して治療することを勧められた
でも、どうしてもこの学校にきたくて
週一で通院することを条件に、通うことを 許可された
これを知っているのは、
この、幼なじみの松村北斗だけ
この時、私はまだ知らなかった
今朝のあの人が
病気とわかった日から、光を失った私の毎日に
光を指す存在になるということを…