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shnkが溜まったので一旦投稿
・ご本人様と関係ありません ・個人用なので駄作 ・学パロ ・n番煎じ ・ハッピーじゃない ・短い ・キャラ崩壊注意 ・何が来ても良い人向け
以下本編 63タップ
毎年八月半ばに地元の公園で夏祭りを開いている。屋台には惹かれる食べ物と遊びばかり。一つ一つ楽しんでいたらお金が尽きそうだ。階段を登った先の神社近くでは小さな子供達が線香花火で楽しんでいる。
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好きな人を誘うつもりだった。だが、彼が別の人と約束をしたのを聞いた。見つからないように、いつもは着ない浴衣に身を包んで髪型まで変えて、一人で夏祭りに来ている。勿論一人でも楽しい。
だが、彼と居られないことは寂しかった。
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花火を見る為か人が少なくなってきた。チョコバナナを一つ買って、昔に見つけた穴場に向かう。
森の小道を通った先、廃れた公園に出る。今は誰も管理していない場所。生い茂ったベンチに腰をかけて空を見上げる。ここで彼と花火を見ていたことを思い出してしまった。
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チョコバナナを噛み締めて涙を堪える。彼を誘ったのは女の子。可愛くてフワフワしていて、きっと浴衣も着こなしている。ゲームに一途な彼でも、可愛い子を見たら揺らぐだろう。
最初から俺に勝ち目など無い。分かっていたはずなのに俺は馬鹿だ。
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結局泣いてしまった。こんな顔では花火も綺麗に見れない。ぼやけて見える花火が俺の心の様子を表している。
泣いていたら花火が終わってしまった。醜い顔を見られないように少しの間、ベンチで惚けてから立ち上がった。浴衣に合わせる為だけに草履を履いたことが仇となり、俺は転んでしまった。浴衣も髪留めも全部台無しだ。
何もついていない自分にまた涙が零れそうになる。俺はこんなに脆い人間だっただろうか。ゆっくり立ち上がってから草履を脱ぐ。どれだけ汚れていても靴下のまま歩く方が楽だ。
草履を持ち上げて、帰ろうとした時、目の前から人がやってきた。
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こんなに暗ければ周りをよく見ている彼でも俺の姿は分からない。恥をかく前に帰ろうとしたが、腕を掴まれた。
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浴衣と髪留めについている土を払う。今度こそ帰れると思ったが、彼は俺の袖を掴んだ。
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暗くて彼の顔が見えないが、いつになく真剣に思えた。そう思ってしまったから何も言えない。早くこの場から逃げたいのに逃げることが出来ない。
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ぎこちない時間が流れる。そろそろ本当に帰りたい。どう話を切り出すか悩んでいたら手を繋がれた。
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手を引っ張られて強制帰宅となった。「一人で帰れる」と言えば良かったのに声が震えて出なかった。彼の前で泣いている惨めな姿を見せたくなかった。
俺が話そうとしていなくても彼がずっと一人で話し続けていた。相槌も打たずに俺は彼に引っ張られるだけ。鼻緒のズレが少し痛くなって歩きづらくなってきた。もうすぐで家に着くからどうでもいいのだが。
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彼があまりにも真っ直ぐだから胸が痛くなった。そうだ、彼は純粋で真っ直ぐな人だ。俺に好意がある訳ない。付き合いの長い友人として、俺を立ててくれていたのだ。
嫉妬ばかり抱えて情けない。こんな感情は捨てて彼と友達で居れるように元通りにしよう。
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手を振って彼は家の中に入っていった。俺の気持ちは何一つ伝わっていなかった。そもそも、俺が早く彼を誘っていれば良かったのだ。後悔ばかりが募って手が震えてくる。
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夜でも暑い日なのに、汗をかくこともなく家に帰った。