テラーノベル
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⸻数時間後。昼間の組の一室。
リビングの窓からは、夏の日差しが柔らかく差し込んでいる
麗央はソファに座り、まだ少し眠そうな目をこすっていた
零斗は隣でスマホをいじりながら、たまに麗央の様子をちらりと見る
朔矢は冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出し、龍牙は窓際でタバコに火をつけていた
蓮はテーブルに広げたスケジュール帳を見ながら、静かに言った
蓮
麗央
麗央がぼんやりと顔を上げると、蓮が柔らかく微笑んだ
蓮
零斗がすかさず口を挟む
零斗
麗央
麗央はむくっと起き上がり、不満げに腕を組む
朔矢がからかうように笑う
朔矢
龍牙は煙をふかしながらぽつり
龍牙
蓮はそれを聞きながら、少しだけ目を細める
蓮
その言葉には、彼なりの“守りたい”気持ちが込められている
麗央は少し考えてから、小さくうなずいた
麗央
零斗が腕組みをしながら、ふふっと笑った
零斗
4人の視線を浴びながら、麗央はどこか安心した顔を見せた
その後ろで、蓮はスケジュール帳に新しい予定を書き込みながら、「これでしばらくは目が離せねぇな」と、静かに呟いた
⸻外出の支度、開始。
零斗
零斗が部屋の奥から、数着の服を抱えて戻ってきた
麗央
寝起きの名残が抜けきらない麗央は、ソファの端に座ったままぼそりと呟く
零斗
零斗がため息をついて、数枚の服をソファに並べる
Tシャツ、シャツ、カーディガンにゆるめのパンツ、ジャケット
色合いはシンプルだけど、どれも“選ばせる気がない”ように一方的に置かれていく
零斗
零斗が、白のTシャツに薄グレーのシャツを組み合わせて差し出してくる
朔矢
朔矢が後ろから顔を出す
朔矢
朔矢
麗央
麗央が目をそらしてぼそりと言うと、朔矢が「可愛いなぁ〜」と笑いながら頭を撫でてくる
麗央
朔矢
そのやり取りを後ろから見ていた蓮は、静かに口を開いた
蓮
朔矢
蓮
蓮
服を手に、麗央がしぶしぶ立ち上がる
麗央
零斗
零斗がぐいと腕を引き、鏡の前に連れて行った
零斗
麗央
零斗
そう言いながら、零斗は後ろから手櫛でざっくり髪をとかし、器用にワックスを取ってセットを始める
麗央
零斗
少し乱暴な手つきなのに、どこか優しい
指が触れるたび、くすぐったくて、麗央はなぜかまばたきが増えていく
零斗
麗央
零斗
麗央
零斗がにやりと笑った瞬間、背後から龍牙の声が飛んできた
龍牙
いつの間にか背後にいた龍牙は、壁に寄りかかっていた
腕を組み、無言の圧を放ちながら麗央の仕上がった髪をじっと見つめる
龍牙
その一言に、麗央がちょっと驚いたように目を見開く
麗央
龍牙
それ以上は何も言わず、龍牙はそっと視線をそらす
蓮
蓮が背を向け、部屋の扉の前で腕を組む
蓮
麗央
麗央は小さく答えて、選ばれた服を手に取る
零斗の手で整えられた髪が、ふわりと揺れた
鏡に映った自分は――なんだか、少し“知らない誰か”みたいに見えた
……俺、こんな顔だったっけ
思わずそんなことを思いながら、着替えに向かう背を、4人の視線が追っていた
それぞれに、異なる温度で――しかし、確かに「独占」の色をにじませながら
だいふく
だいふく
だいふく
コメント
9件
最高😊
かきなおしお疲れ様です( ᵕᴗᵕ )✩