若井side
藤澤.
そう切り出してきたのは涼ちゃんの方から。
今は元貴と付き合っている涼ちゃんだけど、前までは俺と付き合っていた
藤澤.
涼ちゃんは俺といる時より幸せそうな顔をして言った
藤澤.
涼ちゃんは俺の目を見て言った
ずっと付き合っていた彼女と別れた時、一番慰めてくれたのは涼ちゃんだった。
そんな優しいところに惹かれた。
そしたら涼ちゃんも、俺のことを好きになってくれて。
ファンとスタッフさんには内緒だったけど、秘密で付き合っていた。
だからライブの絡みとか、テレビでの絡みが、そういう些細な絡みがすごく嬉しくて。
俺が涼ちゃんを求めているのと同じように、涼ちゃんも俺を求めてくれている。
その事実が、すごく嬉しかった。
でもあの日、全てが壊れた。
“若井、別れよ…?”
そう俯きがちにいう涼ちゃんの顔を今でも忘れられない。
後ろめたそうで、それでいて自分の意思は変えないという気持ちのこもった目。
前から、元貴と絡みが多いとは感じていた。
元貴は俺たちのことを知っていたはずだけど、
元貴も涼ちゃんのことを好きだと思っていることも、知っていた。
それで、元貴と俺を天秤にかけた涼ちゃんは、元貴を求めた。
それが今でもどうしようもなく寂しい。
藤澤.
若井.
明らかに元貴と喋っているときとトーンが違う。
いつから、変わっちゃったの?
頭がズキズキする。
ずっと鈍器で殴られているような頭の痛さ。
ストレスかな、なんて一人で笑ってみる。
もちろんそれに反応する人はいないんだけど。
大森.
藤澤.
大森.
藤澤.
元貴はあからさまに俺を避けるようになった。
涼ちゃんをとってしまった後ろめたさもあるのかもしれない。
ライブやテレビでは絡んでくることもあるけど、俺は正直好きじゃない。
以前のような軽々しさは消え失せているから。
本当は涼ちゃんにずっと絡みたいのに、俺とは幼馴染だから、
仕方なく絡みにきてる感じが隠しきれていないから。
レコーディングのとき、話し合いの時、バス移動の時、
全部俺以外の二人で盛り上がる。
俺は空気も同然で、何も喋らないし喋りかけられない。
喋りかけたとしても寝ぼけたような曖昧な返事が返ってくるだけ。
だから最近、Mrs.GREEN APPLEにいて楽しいと思うことがなくなってしまった。
でも俺は絶対Mrs.GREEN APPLEをやめない。
涼ちゃんと元貴と、また喋れるようになるかもしれないから。
そんな馬鹿みたいな妄想を膨らませては現実とのギャップに悩まされるけれど、 それももう慣れてしまった。
俺がMrs.GREEN APPLEを止めるのは、きっと死ぬ日だけ。
それまで叶わない願いを抱えて、Mrs.GREEN APPLEとして活動していく。
こんにちは✨
100いいねありがとうございます😭 こんなに伸びるとは思いませんでした…
この作品もいいねお願いします🤲
それではまた!
コメント
2件
最高です!!宣言させていただきました!
続き楽しみにしてます🥰🥰