不老不死

皆さんは不老不死になったら何をするだろう

まだ見た事ない景色を見に旅に出るか

ある場所に住み着き、豪快な暮らしをするか

色んな幸せや挑戦ができる中、 やはり辛いことは付き物

大切な人が死んでいくとこ

大好きな街が壊れていくとこ

死にたくても

死ねない

そんな不老不死の俺は今日も狩りに出てた

ｷｬｩ『鹿が倒れる』

こう何年も生きていると

最初は躊躇していたものを なんなくこなせるようになった

感情という邪魔なものはいらないと思ってた

人を殺すのだって慣れたもの

だって殺さないと殺されるから

死ねないけど

そんな俺の身体を不思議に思い 実験体として使ってきた奴もいた

俺の傷が瞬時に治る瞬間を見て怯える奴を見た

何年も同じ姿でいる俺を悪魔と呼ぶ奴もいた

だから俺はもう傷つかないように

森の奥深くに1人で住むことを決めた

誰にも知られず

ただただ、世界が回っていくのを見るだけ

そんな暮らしをしていたある日

俺の事を助けると言ってきたバカ達がいた

そいつらは死んでは転生してまた同じセリフを吐く

『絶対に助ける』

記憶はないくせによく毎回言うもんだ

そんな彼らを何年も何年も見ていると

やはり、怖いものだ

死ぬ時は謝ってきて

転生して会うとまた助けると言う

その繰り返し

俺は絶対に助からない

彼らはいつも俺のせいで若くして亡くなる

だから俺は彼らと会わないようにしよう

そしたらきっと

彼らは幸せに亡くなるだろう

＜…ﾄﾞｻｯ

鹿の血抜きをしていると森の奥から何か倒れる音が聞こえた

ここは森の奥深く

しかも前に住んでいた場所とは違いとても危険な森

そんな森に人は入ることを禁じられていたし、ここら辺の木は実がなるような木じゃないから落ちるのはおかしい

俺は気になって見に行くことにした

音がした方へと向かう

そこには

俺を助けると言ってきてた5人が子供姿で倒れてた

なんで？なんでここにいる？

ていうか、いつも出会う時は彼らは大人の時だ

だが今回は違う

何か意味があるのか、？

よくよく彼らを見ると全員怪我だらけだった

特にきんときは傷から菌が入ったのか高熱だ

俺は5人を抱えて急ぎ足で家へと向かった

俺の家は結構でかい

家を建てる当時、仲の良かった建築士に持っていた金を全部出し建てた家だ

だがでかいだけで1人で使うには少し大きすぎたのかもしれない

俺は使うことのないと思っていたベッドに5人を寝かせ

救急箱を取りに部屋を出た

救急箱を取り部屋へ戻ろうとして部屋の前に来ると

中から声がする

…起きたか

俺は出来るだけ驚かせないよう静かにドアを開けた

部屋へ入ると彼らは俺を見る

驚かせてしまった

何があったか分からないが子供が警戒をしているということは人関連だろう

俺はなるべく優しい声で一言