アイノカタチ

三ツ谷視点

俺が黙って理由

「愛花音」についてだった

真夏日の中長袖長ズボンを履いて

彼女の額にﾂｰｯと汗が流れる 寒がりではない

「可愛い」と言われた時、 彼女は顔をほんわりピンクに

火照らせ、嬉しそうな顔をする。

でもどこか切ない顔もする

「黒川イザナ」と何か関係が あるんじゃないか

何とかしても「愛花音」を 　 助けたいと思った

イザナに暴力振るわれてその痣を消すため

なんて言えない。

いちいち聞かないでよ

無事買い終わり

愛花音の事を縛ってる 　 だけじゃねえか

まあこれが普通だしな、

普通じゃない？

イザナは普通だって 言ってた

ﾌﾞﾌﾞｯﾌﾞﾌﾞｯ

「イザナはそんな事しない」 そう言いかけた時、何回もの 通知がなった

イザナだった。

おい。

遅くないか？

なんで既読付けないんだ？

浮気か？

おい

おい

既読つけろ

帰ってこなかったら知らねえぞ？

おい。

既読

ごめん

既読

今すぐ帰ってこい

既読

わかつ

既読

おい

なんで既読つかねえんだよ

愛花音？

ｷﾞｭｯ

「見ないで」という矢先に 「三ツ谷隆」さんが優しく抱きしめた

強く抱きしめられてる訳じゃないに 何故か手を振りどけれなかった

いや、振りどけなかったが正しいのか

完全に忘れてた

イザナとのLINE全てを

見られていた

いや、離れないで

…あれ？

イザナの事が好きなはずなのに

なんで「ハナレタクナイ」 そう思ったんだっけ