レイ
さあ、どうするんだ、アイナ
アイナ
知らない、むり!絶対無理!!
レイ
君はそうやって逃げるんだね
レイ
チャンスを与えたのにやっぱ君は生き地獄がお似合いみたいだね
レイは工具箱の中からガチャガチャとホチキスを取り出した。
アイナ
な、なにそれ
レイ
君は無駄口が多い
レイはアイナの唇にホチキスを当てた
バチン!バチン!バチン!
アイナ
んぐぅぅぅぅ!!!!!
アイナの唇はホチキスで3箇所止められた
レイ
これで静かになった
レイ
よし、君は今声を失った
次に失うものは視界だ
次に失うものは視界だ
アイナ
っっっっっ!!!!
アイナの目からは涙が溢れ首をブンブンと振っている
レイ
僕は君に何回も泣かせられたし、いろんなものを失った
レイ
全部君がやってきたことが今返ってきてるだけだ
レイは無言で、黒い布とホチキスを手に取る。
レイ
見えるって便利だよね。誰かが泣いてても、無視できる。誰かが苦しんでても、気づかないフリができる。でも、その目、君はちゃんと使ってた?
アイナ
……うっ……うぅ……
アイナの目からは涙がボロボロこぼれているが唇を塞がれているため声にならない
レイ
じゃあ、もう見なくていい。これからは、感覚だけで覚えてもらうよ。地獄のすべてを
そして
バチン!!
ホチキスの一撃が黒布ごとアイナの左まぶたを貫いた。
アイナ
んぐううううううううう
目の奥にまで走る激痛、裂ける皮膚、流れる熱い血。
バチンッ!! 右目も貫かれる。
アイナ
んぐううううううう
アイナ
(やだ!やだああああ!見えない!見えないよ!!)
血のにじむ黒布がまぶたに食い込みながらじわりと瞳に覆いかぶさる。 その下では、眼球が必死に揺れていた。見ようとする意志が痛みにかき消される。
レイ
見えないって怖いでしょ? でも、これで君も少しだけ平等になったね
アイナは声にはならないが泣き叫びながらもう前が見えなかった。
その中でレイの声だけ響いた
レイはアイナの唇に止められたホチキスの芯を取っていった
ブチ!ブチ!ブチ!
アイナ
ぎゃああああああああああああ
レイ
アイナ、生き地獄はまだ終わらない






