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夜の街並みの中

早足で歩く

右手には鈍く光るナイフ

息が荒い

光也

ふぁぁぁ

隆二

でけーあくび

光也

光也

いやー、変な夢見ちゃってさ

光也

お陰で寝不足だよ

隆二

へー。
まあ、夢なんて、大抵変なもんだけどな

光也

なんか、めちゃくちゃリアルだったんだよなー

隆二

どんな?

光也

俺、街を歩いてるんだ

隆二

うん

光也

四丁目の公園の近く

隆二

俺ん家の近くだなw

光也

そうそう、お前ん家の近く

隆二

ふんふん

光也

手にナイフ持ってんだよ

隆二

それヤベーな

光也

うん、ヤバいだろ

光也

すげー気持ちがたかぶってるんだ

隆二

なおさらヤベーなw

光也

で、目が覚めた

隆二

隆二

終わりかよ!

光也

うん。言っちゃうと、たいしたことねーな

隆二

聞く方はもっとたいしたことねーよw

光也

まあ、その気持ちがすげーリアルで、起きた後も興奮が収まらなくてさ

光也

その後も全然眠れなかったってわけさ

隆二

ふーん

隆二

ま、夢だしな

隆二

気にすんな

光也

ああ、そうだな

次の日

光也

はぁー…

隆二

んあ?

光也

まーたあの夢見た

隆二

あー、昨日の?

光也

うん。

光也

ナイフ持ってうろついてるやつ

隆二

へー。なんでかね。変な願望でもあるんじゃね?w

光也

はぁ?

光也

俺、そんなの全く興味ないんだけどなー

隆二

心の奥底に、そんな欲望があるのかもしれないぜ

光也

深層心理か

隆二

自分で気付いてないだけかもよ

光也

それ、こえーなw

隆二

はははw

1週間後

光也

おい

隆二

お、はよー

光也

なんか、ヤベー

隆二

どうした?

光也

あの夢だよ

隆二

あー。それ、もう飽きた

光也

ちょ、聞いてくれよ

隆二

えー

光也

昨日は、女の人の後を尾けてた

光也

もちろん、夢の中でな

隆二

光也

すっげー興奮してて

光也

ナイフ握る手に力が入って

光也

汗でぬるぬるしてた

光也

心臓の音が、女の人に聞こえるんじゃないかってくらい、バクバクしてた

隆二

ふーん

光也

ふーん…て

隆二

だって、夢だろ?

光也

夢だよ

光也

夢なんだけどさ…

光也

俺、その女の人にナイフ突き立てたくてしょうがなかった

隆二

なっ…

光也

もちろん、夢の中での気持ちだよ

光也

起きたら、気持ち悪くて仕方なかった…

隆二

光也…

光也

俺、おかしくなってるのかな…

隆二

大丈夫か?

光也

ホントに

隆二

おい

光也

やってしまいそうで、怖い

隆二

やめろ!

光也

光也

隆二

大丈夫だ。ただの夢だよ

隆二

気にすんな

光也

…うん

翌日

隆二

あれ、今日は光也休みか

LINE

隆二

はよー

隆二

今日は学校休みか?

隆二

体調悪いのか?

光也

隆二、今日うちに来れないか?

隆二

お見舞いか?OK
帰りに寄るよ

光也

ありがとう

光也の家

ピンポーン

ガチャッ

隆二

よう、大丈夫か?

光也

隆二

顔色悪いぞ

隆二

そんなに体調悪いのか?

光也

ああ…

光也

とにかく、入ってくれ

隆二

おう

光也の部屋

隆二

病院行ったか?

光也

いや

隆二

マジで顔色ヤバいぞ

光也

隆二…

隆二

ん?

光也

俺、とうとうやってしまった

隆二

え?

光也

昨日…女の人を…

隆二

ちょ、ちょっと待てよ

光也

ナイフで…

隆二

嘘だろ?

光也

何度も刺した…

隆二

まさか、昨日の事件…

光也

多分、俺だ

隆二

え?多分?

光也

やったのは、夢の中だ

隆二

おい、ふざけんなよ!

隆二

女の人、亡くなってるんだぞ!くだらない冗談やめろよ!!

光也

冗談なんかじゃないっ!

隆二

光…也

光也

わからないんだ

隆二

光也

倒れた女の人に馬乗りになって

光也

何度もナイフを振り下ろして

光也

笑ってた

光也

そこで目が覚めた

隆二

光也

でも、手に感触が残ってる。
ナイフが肉を切り裂く弾力。
ヌメヌメした生暖かい血。

隆二

おま…

光也

ただ、外に出た形跡もない

隆二

じゃあ

光也

返り血どころか、ナイフさえも見つからない

隆二

やっぱりただの夢だよ

光也

俺はどうなってる?

隆二

光也

夢なのか、現実なのか、わからなくなっているのか

光也

俺は何をしてしまったんだ

隆二

ぐ、偶然じゃないか…?

光也

そんな偶然があるか?

光也

俺が女の人を殺す夢を見て、実際に人が死んでる!

光也

夢の通りだ

光也

誰が殺した?

光也

やっぱり俺か

光也

夢じゃなかったのか

隆二

おい、落ち着けよ

光也

怖い…

隆二

光也…

光也

俺はこれからどうなる

隆二

光也

怖いんだ…

光也

うっ…う…

隆二

とにかく

隆二

お前はやってないよ

光也

隆二…

隆二

大丈夫だ

隆二

お前はそんなやつじゃない

光也

うっうっ…

隆二

俺が保証する

光也

ううっ…

隆二

ただの夢だよ…

光也

眠るのが怖い

光也

次は何をするんだ

光也

俺が俺じゃない

光也

怖い

光也

眠っちゃだめだ

光也

夢を見ちゃだめだ

街を歩いてる

ポケットにはナイフ

ああ

俺はまた夢を見ているんだ

そうだ

奴を殺さなきゃならない

殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ

誰を?

ショーウィンドウに映る自分が見える

自分…?

いや…

隆二…

この道は

俺の家へと向かう道

俺の家の玄関

俺の部屋のドア

開く

隆二

いつから見てた?

隆二

俺って知ってたんだろ?

隆二

夢で見たなんて言って

隆二

俺を脅してたんだろ?

隆二

なあ、光也

見慣れたナイフがキラリと光った

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