私は内心体が震えていた
この「目」のせいでまたいじめ られるのではないか、とか 嫌われてしまうのではない、って
そんなことばかり考えてた
でも、nakamuさんは違ったんだ
nakamu
ユノ、大丈夫
nakamu
みんな優しい人達ばかり
だから
だから
ユノ
っ、はい
nakamuさんを信頼してるからこそ、 その言葉が私の心に、より優しさをくれた。
nakamu
入ろっか
nakamu
ただいま〜
ぶるーく
おかえり〜
ぶるーく
あれ、その子どうしたの?
nakamu
んっとね〜
nakamu
とりあえず今みんな居る?
ぶるーく
リビングでゲームしてるけど
nakamu
おっけ
nakamu
ユノ、おいで
ユノ
はい
nakamu
みんなただいま〜
きりやん
やっと帰ってきたのか〜
遅い、あれ
遅い、あれ
シャークん
アイス買ってきた〜?
きんとき
…その子どしたの?
スマイル
…
nakamu
えーとね…
割愛
ぶるーく
拾ってきた?
きりやん
ついに成人女性まで…
nakamu
いや違うよ?!
きんとき
じゃあなんで拾ってきたの?
nakamu
ユノ、自分で言える?
…言いたくないなぁ
言ったら全てが壊れてしまう。
ユノ
…自殺、しようとしました
スマイル
…は
ユノ
それをnakamuさんに
止められました
止められました
nakamu
それで、傷がすごいから
看病しようって話
看病しようって話
nakamu
誘拐じゃないよ?
シャークん
へ、へー…
ぶるーく
nakamu…
よくやったな
よくやったな
きんとき
理由は?
nakamu
それは俺も分からない、けど
nakamu
ユノも言いたくないと思う
ユノ
…はい
そんなの言えるもんか
理解されるもんか
私は憎たらしさも感じながら それを拳に込め我慢するばかりだった
nakamu
あっ、救急箱持ってくるね
パタパタパタ…
きりやん
君、今いくつ?
ユノ
来月で、21です
シャークん
あっ意外と…
きんとき
お父さんとお母さんは?
やめて、それを聞かないで
ユノ
お父、さんは他界
ユノ
お母さんっ、はいます
きんとき
そっか、辛かったね
nakamu
っ、よし!持ってきた!
nakamu
右足と両手、出してご覧
ユノ
ありがとう、ございます
優しい…優しい…
この人ならわかってくれるのかな
…ダメ、人をあまり信じちゃダメ
もし、もしかしたら、もしも…
私は考えるだけで首筋から1滴、 汗を零した。
この目を見たら…見たら その時点で終わりだ
絶対に隠さなきゃ。
nakamu
っし、出来た〜
ユノ
ありがとう、ございます
nakamu
いいんだよ、
nakamu
手当ても終わったし、
どうする?
どうする?
「帰る?」
ユノ
っ、
あの家に帰りたくない
でもこの人たちは赤の他人だ
「ここに住みたい」 それが本心だ それが言えるわけでもなく 私は口から嘘を吐く。
ユノ
はい、助けて下さって
ありがとうございます。
ありがとうございます。
ユノ
次はもうしませんので…
ユノ
それでは、さようなら(ニコッ
嘘の笑顔をつくり、私は家を出た
スマイル
(…その傷…帰れる家なんて
あんのか?)
あんのか?)
この1人が、運命を変えることなんて 知らない。