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……最近、アランの様子がおかしい。
僕の帰りが遅くなってしまったあの夜から、妙に甲斐甲斐しく家のことや研究を手伝うようになった。
何か企んでるのか…?
ほら…今だって。 僕が散々散らかした書斎の掃除をしてくれている。頭おかしくなっちゃったのか?!
テオ
アラン
本棚を拭くアランの背中に声をかけると、素直に応じてついてくる。こんな姿、ここにきたばかりの時は想像できなかった。
テオ
夕飯を囲む食卓。スプーンを口に運びながら冗談を言ってみる。
アラン
テオ
アラン
おかしそうに笑うアラン。笑った顔、ほんとにかっこいいな…
アラン
テオ
無意識に見つめていたのがバレたらしい。ギクっとし慌てて手元の食事に目を落とす。 あの夜から、こういうやり取りがやけにくすぐったくて仕方ない。嫌じゃないけど。
ただ……
アラン
テオ
明日の準備も終わらせて眠りにつくとき。 ……やっぱりおかしい。
今日も手を出されなかった…!
あの日の夜から全く、何もして来ない。 それまでは、毎日のように場所を選ばず…あの手で……僕のあちこちを……
アラン
テオ
アラン
テオ
アランは少し驚いたように目を見開いた後、フイっと僕から目を逸らす。なんだか僕は、胸がぎゅっと締め付けられるような気がした。
アラン
テオ
ほら、寝ろ寝ろ…と手で追い払われ、結局自分の部屋に戻ってきてしまった。
っ、だめだ…眠れない。
そっと小さな灯りをつけ、忍び足で僕は書斎に向かった。眠れない夜はこうやって、集めた本や文献を読み漁るんだ。僕の…ちょっとした癖。
書斎の明かりを小さくつける。本や研究道具が散乱していた室外は、綺麗に片付いている。
テオ
アランの掃除の成果を見て、少し温かい気持ちになる。…ふと、この前新しく手に入れた文献が、机の上に出ているのを見つける。
テオ
不思議に思いページを開く。 …なんだか、胸騒ぎがした。
その文献はまさに、この屋敷にかかった魔法を解く呪文に関係するものだから
……そして、ページのところどころに、読み返せるよう、しおりのように紙が挟んであるから。
……僕じゃない、アランだ。
大きくなる胸騒ぎを落ち着かせるよう、深呼吸しながらページをめくる。
テオ
テオ
おそらくアランが読んだであろう、ページをめくりながら文章を読み上げる。
テオ
……これだ。
テオ
アランの変化の理由はこれだった。
きっと、ここでの生活がもう限界なんだ。 今すぐにもこの屋敷から出て行きたいんだ。手を出さないのも、きっと僕に飽きて……
元々アランにとっては最悪の状況だったに違いない。けれど一緒に過ごすうちに、少しずつ、心を開いてくれている気がした。楽しんでくれてる…そんな気がしていたけど。
テオ
なぜか涙が溢れてくる。 僕に泣く資格なんて無いのに。
ズキズキと胸が痛んで苦しい。 あぁ、なんで今気付いちゃうんだろう。 ……僕アランのこと、好きなんだ。
その時、後ろで物音がした。 慌てて涙を拭い振り返る。
…そこには僕を見て、ギョッとした顔のアランが立っていた。
To be continued…