彼女の名前はリサ。小さな村で育った彼女は、両親と穏やかな日々を過ごしていた。しかしある日、村が突然魔物の襲撃を受けた。両親はリサを守るために命を落とし、彼女は一人取り残されてしまった。絶望の中で行くあてもなくさまよい、辿り着いたこの街で僕と出会ったのだ。
一緒に生活を始めると、リサが驚くほどの速さで新しいことを覚えていくのに気づいた。さらに、彼女には特別な魔法の才があった。
彼女はまだ未熟ではあるものの、星魔法を使いこなす素質を持っていた。星を生み出し、その輝きを保つためにはまだ多くの修練が必要だが、彼女の中には大きな可能性が眠っている。僕がいなくなったとしても、彼女ならきっと夜空を星で飾り続けてくれるだろう。
これまで、弟子を取るつもりは一切なかった。しかし、僕もまた限りある時間を生きている。そろそろ弟子を育てなければ、夜空に星が輝かなくなってしまうかもしれない。僕はこの旅を最後にすると心に決めていた。だからこそ、旅の終わりに星を継ぐ者が現れたことに、深い安堵と喜びを感じている。
アストレス
これからはリサと共に世界を旅し、彼女に星魔法の全てを伝授するつもりだ。僕がいなくなった後も、リサが夜空を星で満たし続けてくれることを願っている。そして、いつか僕の旅が終わるその日、リサが新たな星を生み出し、夜空を照らす瞬間を見届けることができるなら、それ以上の幸せはないだろう。旅の途中、僕たちは森の中で休憩をとっていた。
アストレス
柔らかな日差しが木々の間からこぼれ落ち、心地よい風が肌を撫でている。僕は大木に寄りかかり、水袋から一口、喉を潤していた。その横で、リサは真剣な面持ちで星魔法の基礎練習に取り組んでいた。
彼女は両手を広げ、まるで見えない皿を支えるように手のひらを上に向けると、集中し始めた。静かに息を整え、スゥーっと息を吐きながら、魔力を込める。その瞬間、彼女の手のひらに小さな光が現れ、星が一つ、ゆっくりと生まれたのだ。