2人分

～注意～

sxfn様の二次創作です 本人には一切関係ありません

いるなつです 地雷の方はブラウザバックでお願いします

完全オリジナルです 似たような作品があってもパクリではありません

パクリや通報はおやめください

ハートやコメント、フォローしてくださると嬉しいです よろしくお願いします！

それでは、どーぞ！

ｼﾞｭﾜｧ…

キッチンに広がる料理の匂い

ｶﾁｬﾝｯ…

皿と皿が擦れ合う音

零れる俺のため息

そんな言葉を漏らしながら

今日も俺は2人分の飯を用意する

開きっぱなしのノートパソコン

机の上に積み重ねられた漫画

ベットの上に乱雑に散らばったままの服

この部屋は何も変わらない

ﾀﾝｯ、ﾀﾝｯ、ﾀﾝｯ、ﾀﾝｯ、ﾀﾝｯ…

扉の向こうから徐々に足音が近づいてくる

それが誰なのか

何のために来たのか

全部全部知っている

ｺﾝｺﾝｺﾝｯ

ｶﾞﾁｬｯ…

俺の声はいるまに届かなくて

急いで後を追って階段を降りる

その背中はとても寂しそうだった

いるまがリビングの扉を開けると

ふわっといい香りが鼻を撫でるように通っていく

できるなら俺だってｯ…

いるまは俺が座ると同時に手を合わせた

そう言ったは良いものの俺の手は動かない

できるなら俺だって食いたい

いるまが作る飯が美味いのはもちろん

こうして2人で同じ食卓を囲む時間が大好きだった

やっぱり今日もなつは飯を食ってくれなかった

目の前に広がる全く手のついていない飯にラップをしながら電話をかける

ﾌﾟﾙﾙｯ…ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙｯ…

…ｶﾞﾁｬｯ

ﾂｰﾂｰﾂｰ…

なつが食わなかった飯は他のメンバーが食うことが多かった

あいつらも美味そうに食ってくれるけどなつが食ってる姿には到底及ばなかった

またなつとあの頃のように笑いながら飯を食いたい

ねえ、どうしてｯ…

あの頃のなつはどこに行ったんだよｯ

頼むから戻ってきてくれよ…ｯｯ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ﾊﾟﾁﾝｯ…

自分の頬を叩き、じんじんと痛む熱とともに玄関へ向かった

呆れつつ目の前の椅子に腰を下ろす

いるまは俺の方なんて見向きもせずに自分の分を食べ進めている

あの日からずっと、いるまは壊れてる

やつれた顔

光のない目

本当はわかってるだろｯ…？

逃げたい気持ちはわかるｯ

だけどどうしても向き合わなきゃいけないことだってある…