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ぬぬ
807
#告白
58
つかであきひろ
110
クロミヤ・ヒビキ
ヴァローナの楽屋には、《メルシィ》のマネージャーである琳寧と、プロデューサーの響希が訪れていた。
ヴァローナ
ユモト・リンネ
ヴァローナ
ヴァローナ
ユモト・リンネ
琳寧は嬉しそうに笑うと、楽屋に置かれていた荷物をヴァローナへ手渡した。
クロミヤ・ヒビキ
ヴァローナ
扉を開け、三人で廊下へ出る。 そのまま歩きながら言葉を交わしていたヴァローナは、ふと足を緩めた。
ヴァローナ
遠い。 それでも、はっきりと聞こえる。 幾重にも重なった人の声が、エントランスから廊下にまで届いていた。 何かあったのだろうか。 そう思った直後。 バタバタと激しい足音が近付いてくる。
アスーカル
廊下の向こうから走ってきたのは、アスーカルだった。 息を切らし、顔色を変えている。
ヴァローナ
アスーカル
ユモト・リンネ
クロミヤ・ヒビキ
琳寧と響希の声が重なった。 ミークワームは必死に呼吸を整えながら、震える手で携帯を差し出す。 画面には、生配信。 どうやらエントランスに集まった野次馬の中に、勝手にカメラを回している者がいるらしい。 映像は今も止まっていない。 コメントが流れる。 数字が増える。 人が集まる。
ユモト・リンネ
琳寧の顔から血の気が引いていく。
クロミヤ・ヒビキ
響希が低く呟いた。
ユモト・リンネ
琳寧はおろおろと視線を彷徨わせる。 目には涙が浮かび、縋るように兄である響希へしがみついた。 響希も答えを出せないまま、自分の頭をわしゃわしゃと掻き崩す。 どうする。 何ができる。 そう悩んでいる間にも、事態は止まらない。 廊下の向こうから、次々とテレビ局の人間が駆けつけてくる。
スタッフ
スタッフ
スタッフ
スタッフ
声。 足音。 また声。 情報が次々と飛び交い、誰もが違う方向へ走っていく。 テレビ局内も。 その外も。 完全な混乱に陥っていた。 ヴァローナは、その騒ぎの中。 ミークワームが差し出した携帯画面を、静かに見つめていた。
ユモト・リンネ
琳寧は深々と頭を下げた。 俯いた拍子に、目元に溜まっていた涙が今にも零れ落ちそうになる。
ヴァローナ
ヴァローナ
琳寧へ返す声は、いつもと変わらず穏やかだった。 けれど。 その後に続いた言葉だけが、僅かに黒ずんでいた。 空気が重くなる。 ヴァローナが纏う微かな威圧感に、慌ただしく声を飛び交わせていたテレビ局員たちが、少しずつ口を閉ざした。
ヴァローナ
アスーカル
アスーカルが頷く。
ヴァローナ
ユモト・リンネ
琳寧が言葉に詰まる。 ヴァローナは足を止めなかった。
ヴァローナ
クロミヤ・ヒビキ
響希の表情が強ばる。
ヴァローナ
クロミヤ・ヒビキ
響希は苦々しく認めた。 混雑する廊下を進む。 行き交う局員たちの間を抜けながら、琳寧と響希は途切れ途切れに事情を話し始めた。 どうやら、ソルトは以前からストーカー被害に遭っている。 ただ。 それを、彼女は言わなかった。 ライはどこからか連絡先を掴み、不必要な電話やメールを繰り返した。 大量の手紙。 花。 贈物。 それだけではない。 届いたぬいぐるみの中から、カメラや盗聴器が見つかったこともある。 アクセサリーには、GPSが仕込まれていた。
ヴァローナ
ヴァローナは黙ったまま、話を聞き続ける。 送り主は一人ではなかった。 ライ本人。 見知らぬ者。 そして、彼のファン。 あらゆる方向から、贈物が届く。 誰が送ったものなのか。 どこから手配されたのか。 一つを辿っても、別の人間へ繋がる。 足がつかなかったのだろう。 けれど。 それらの主犯格がライであることまでは、既に掴めているらしい。 おそらく、ソルトとしてではない。 ローゼとしての指紋鑑定。 その結果なのだろう。 ヴァローナは何も言わない。 ただ、エントランスへ続く廊下を歩きながら。 一つずつ。 聞かされた事実を、頭の中で繋ぎ合わせていた。
コメント
1件
**みぅ🤍🥀:** うわ、第22話…めっちゃ緊迫してる…!ヴァローナさん、あの穏やかな口調の裏で、もう全部見抜いてる感じがゾクゾクした😳 ソルトちゃんのストーカー被害の話を聞いて、静かに怒りを内側に宿すヴァローナ、本当にカッコよかった。ライの“仕組んだ騒動”にどう切り込むのか、次が気になりすぎる…!🔥