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ミクといた日々

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ミクといた日々

1 - ミクといた日々

♥

1,904

2019年10月25日

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子供が生まれたら犬を飼いなさい

子供が赤ん坊のとき、

子供の良き守り手となるでしょう

子供が幼少期の時、

子供の良き遊び相手となるでしょう

子供が少年期の時、

子供の良き理解者となるでしょう

そして子供が青年になったとき、

自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう

イギリスのことわざより

カナミ

リク君、しりとりして帰ろ

リク

うん!

カナミ

しりとり

リク

りんご

カナミ

ごま

リク

まくら

カナミ

ラクダ

リク

ダイヤ

カナミ

やさい

リク

い…い

リク

あ、いぬ!

カナミ

えー?

カナミ

ぬ、ぬ…

リク

違うよ!

リク

見てよこの箱!

カナミ

あ!ワンちゃんだ!

箱には子犬が1匹

震えながら二人を見つめていた

カナミ

どうする?

リク

僕の家…

リク

タマがいるからもう飼えないや

カナミ

じゃあ、私がママに聞いてみる!

カナミ

行こうワンちゃん!

カナミ

ただいまー

母親

おかえり…

母親

なあにその箱?

カナミ

みてママ

母親

あら?ワンちゃん

カナミ

飼いたいんだけど…ダメ?

母親

ちゃんと大切にするって

母親

約束できる?

カナミ

うん!

母親

わかった

母親

ワンちゃん、今日からうちの子よ!

カナミ

やったあ!

ワンちゃんをかうことになった

ふあんそうにウロウロしている

カナミ

よろしくね!ミク!

未来ってかいてミクってよむんだって

みらいになってもずっとずーっといっしょにいられるように

ミクってなまえにしたの

リク

カナミちゃん、ワンちゃんどうなった?

カナミ

うちでかうことにしたよ!

リク

よかったあ

ミクが来て6年

私は中学生になった

カナミ

ただいま

母親

おかえり

ミクがリードを持って寄ってくる

母親

お散歩だってさ

カナミ

ごめん、無理ー

カナミ

今日はこれから友達と遊ぶの

母親

あんた、最近…

カナミ

いってきまーす

友達

おまたせ

カナミ

遅いー

カナミ

で、話したい事って?

友達

私ね、リク君と付き合ったの!

カナミ

っ…そう

カナミ

おめでとう

リク…リク

涙が止まらない

カナミ

どうして…

カナミ

側にずっといたのは私なのに

その時、扉が開く

器用に戸を開け、ミクが入ってきた

カナミ

ミクどうしたの?

カナミ

…っ

涙をペロリと舐める

その仕草に思わずミクに抱きついた

カナミ

私を慰めてくれるの?

カナミ

最低な飼い主なのに

ミクは何も言えない

けれど慰めてくれているのはわかった

カナミ

…っごめんね、ありがとう

友達

カナミ、明日遊ぼう

カナミ

ごめん、ミクの散歩あるから

友達

そう…

あれから私はちゃんと世話をするようになった

6年後

カナミ

いってきます!

母親

気をつけてね

カナミ

ミクは…

カナミ

また寝てる

母親

もうお婆ちゃんだもんね

ミクはもうすっかりお婆ちゃんになっていた

動く事もあまりしない

カナミ

さむ…

リク

カナミ

あ、リクだ…

リク

久しぶり

カナミ

久しぶり…

リク

あのさ、

カナミ

ごめん急いでるから

カナミ

ただいまー

カナミ

ミクー、またリクの事避け…

その瞬間ミクの閉じていた目が開いた

カナミ

あ、おは…

母親

母親

ただいま…

母親

わ…!

カナミ

ミク…?

カナミ

ミク…!

玄関の戸が開いた瞬間、ミクは走り出した

もうそんな体力ないはずなのに…!

カナミ

ミク…

カナミ

ミク…!

ミクが止まった先は…

カナミ

え…?

リクの家の前だった

カナミ

どうして…

カナミ

ミク…!

ミクが倒れる

呼吸も荒い

カナミ

家に帰ろう

カナミ

どうして…動かないの…!

リク

リク

どうしたんですか…

リク

カナミ?

帰宅したリクが近寄ってくる

リク

どうしてうちに…

カナミ

ミクが…ミクが…!

カナミ

急に走って…

リク

っ…

リク

ありがとうミク

リクはそっとミクを撫でた

リク

俺の都合のいい解釈かもだけど

リク

ミクは俺とカナミに会話させようとしたんじゃない?

カナミ

…?

カナミ

そうなのミク…

ミクは掠れた声でワンと鳴いた

リク

お前の期待に答えなきゃな

リク

…あのさ好きだよカナミ

カナミ

…え?

リク

諦めようと思って彼女作ったりしたけど

リク

やっぱりお前が好き

カナミ

…リク

カナミ

私もリクが好き

その言葉を聞いてミクは目を閉じた

安心しきったような顔をして

カナミ

ミク…!

カナミ

逝かないで!

リク

カナミ…ちゃんとバイバイしよう

リク

ありがとう

リク

お疲れ様、ミク

カナミ

…っ

カナミ

沢山、ありがとう…

泣く私を黙ってリクは抱きしめていた

あの時のミクのように

ねえ、ミク

小学生の頃は貴方とおままごとして

中学生の頃は冷たくしちゃって

高校生からは相談ばかりしてた

私はちゃんと貴方のお世話できてた?

いいえ、貴方にお世話されてたのかも

貴方は幸せだったかな

私は貴方に出逢えて幸せだったよ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

61

ユーザー

感動するよ……😭😭😭 みーさんの作品めちゃくちゃ最高✨

ユーザー

泣ける

ユーザー

つい、うちの犬と重ねて、泣いてしまったw

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