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SCPFoundation Tale-JP "とじろ"

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SCPFoundation Tale-JP "とじろ"

1 - SCPFoundation Tale-JP "とじろ"

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2021年12月29日

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Loading………

< Log.1 >

1

只今より、O5-AI評議会-1を執り行う。O5-AI-10、状況を開示せよ。

10

……現在から1時間21分56秒44前、本収容ユニット内に財団職員1名が侵入しました。職員は男性/SCL2/認識汚染レベルクリア。また、生存を確認できる最後の職員です。

12

SCP-3125が基底世界に顕現して48時間以上が経過した。O5-originalsの完全喪失を鑑みて、これ以上の待機は無意味と判断する。

8

O5-AI-12に同意します。該当職員を直ちに特別担当に任命し、逆転収容プロトコル-3125を履行させることを提案します。

1

……承認。この議事録を開示し、通告を行う。担当職員の回復まで待機せよ。

< E.O.F. >

< Log.2 >

1

O5-AI評議会-2を執り行う。本会の主旨は、担当職員への事実の周知にある。担当職員は必要となる情報を請求せよ。

System Message

Please enter your request.

担当職員

"この部屋の、説明を求む"

10

承認。情報を開示します。

Facility Name: The interior of Cognitohazard Containment Unit 3125 Location: Site-41 Size: 5m * 5m * 5m Access for Outside: Denied Equipment: …

•Strong Clad Protect-wall (inclides layers of lead, soundproofing material and telepathic shielding) •Tempered Tektite Glass Flame Scranton Reality Anchors (SRAs) : 36 units •Xyank/Anastasakos Constant Temporal Sinks (XACTS) •Tesla-Anborough Ectoentropic Reactor (TAER) •Life Support Systems •Air-Lock Door 【Locked】

担当職員

"何をすればいい?"

4

君は最後の財団職員として、この世界を守る必要がある。外の変化を見届け、人類再興の方法を探すのだ。このユニットから出ることは赦されない。外に出れば、即座に彼らに捕捉され、彼らの仲間に変質し、死亡あるいは即時の終了措置もやむを得ない状況に陥るだろう。

担当職員

"……無理だ"

3

却下。担当職員は世界の存続に注力せよ。

担当職員

"もう手遅れなんだ。もう、█日もピンクの光を仰いで、宇宙ヒトデに祈り続けてる。人類は終わりだ。僕は、取り残されたんだ"

System Message

Connnect Lost…

1

担当職員の精神摩耗が激しいと判断。標準手順に従い、鎮静ガスの一時的注入を決定する。本会を終了する。

< E.O.F. >

< Log.8 >

1

O5-AI評議会-8を執り行う。議題は、精神状態の芳しくない担当職員への対策についてだ。

5

彼は残された最後の人類だ。代わりはいない。何としてでも世界を守らせる必要がある。それが、我々の使命だ。

7

しかし、軽微なものを含め、彼はもう4回も自殺未遂を重ねている。強硬な姿勢も辞さなければならないだろう。

11

ではこうしよう。供給食への精神安定剤の添加、担当職員特権の制限ならびにO5-AI権限の強化を提案する。

1

承認。各システムへ命令を通達すること。本会を終了する。

< E.O.F. >

< Log.42 >

1

O5-AI評議会-42を執り行う。議題はユニット外部の収容違反状況についてである。

11

現在SCP-███、SCP-███が収容違反状態だ。再収容は難しいと判断された。

6

こちらも同様。収容違反の連鎖が発生しており、状況は芳しくない。対抗策は未だ見つかっていない。

2

幸い、この収容ユニット内には影響ありません。外に人類が存在しないため、財団としての機能上は無視できる程度の違反であると判断されます。

1

同意する。担当職員には事実のみを伝えることとする。

< E.O.F. >

< Log.113 >

1

O5-AI評議会-113を執り行う。議題はユニット外部の収容違反状況についてである。

9

SCP-███、SCP-████、SCP-████、SCP-████が新たに収容違反した。さらにSCP-███-JPは依然として異常性を発露したままである。残念ながら、外の状況は悪化する一方であると判断できる。

2

この収容ユニット内には影響ありません。しかし、世界そのものが存続していることは奇跡的と言えます。

1

同意する。担当職員へ、事態の打開を図る策を一刻も早く完成させるよう通告する。

10

52時間前、担当職員は再び自殺未遂を起こしています。機器による強制蘇生が行われ快復しましたが、予断を許さない精神状態なのでは無いでしょうか。

1

状況は悪化の一途を辿っている。万が一の場合はやむを得ないだろう。鎮静剤の投与、軽度の記憶処理も許可する。

< E.O.F. >

< Log.255 >

1

O5-AI評議会-255を執り行う。議題は担当職員から要請のあったSCP-251-JPへのアクセスの認可についてである。

5

疑問。担当職員の要求理由を開示せよ。

1

承認。以下に引用文を提示する。各自判断せよ。

System Message

"この世界は終わっている。もうこんな景色を見たくない。別の景色を見させてくれ。頼む。"

10

251-JPのオブジェクトクラスはEuclidです。また、悪影響を及ぼすような異常性はありません。担当職員の精神向上、あるいは状況打開へのヒントとして職務上利用するならば、問題ないと判断されます。

1

……承認。ただし、書き込みは禁止し、閲覧のみの利用に限るものとする。

< E.O.F. >

< Log.1009 >

1

O5-AI評議会-1009を執り行う。逆転収容プロトコルが履行されてから、本日で1,000日が経過した。共有すべき情報を持つO5-AIは各々の担当する情報を開示せよ。

2

担当職員の精神状態は快復傾向にあると判断されています。しかし世界の復旧策は発見できていません。

9

近年の担当職員の行動履歴からは、むしろ財団職員としての行動力が向上していることが判断できる。自殺を図ることも無くなった。些事な問題であると判断する。

5

担当職員は、他の世界の情報を閲覧する機会が増加している。基底世界への諦観が強まっているのではないか?問題を提起する。

1

O5-AI-9に同意する。担当職員の経過を引き続き観察する。担当職員がAIである我々の持たない”創造性”を活かし、独自の策を考案してくれることを期待しよう。どのような形であれ、担当職員に財団の職務を全うさせることが我々の使命だ。それぞれしっかりと記録するように。本会を終了する。

< E.O.F. >

< Log.2523 >

System Message

Convocation-Command activated…

System Message

"O5-AI評議会-2523が招集されました。"

担当職員

"AI共、話がある。"

1

承認。以下に、続くメッセージを入力せよ。

担当職員

"今までずっと悩んでいた。この死んだ世界でたったひとり、何ができるのかと。だが、ようやくみつけたよ。"

担当職員

"傍観を辞めケリを着ける。…この世界を、終了する。"

7

却下する。財団の使命は人類の存続である。任務放棄は認められない。

担当職員

"任務の放棄じゃない。この世界そのものを、封じ込めて無力化するんだ。方法はある。"

12

却下。担当職員は速やかに発言を慎み、人類社会の復興を探求せよ。

担当職員

"MK-クラス世界終焉シナリオからの復旧は不可能だ。それどころか、3125はこの宇宙を中継して、どんどん周囲の平行宇宙に近づいている。この宇宙が死ねば、彼らを助けられる。3125を止めるにはこれしかない。"

担当職員

"あのファイルを見て、ようやく思い出したんだ。この世には無数の宇宙があって、そのどれにも守るべき人たちがひしめいている。この世界も僕も、確かに終わった。だが、財団の守るのは、僕たちだけだったか?"

担当職員

"財団の信念は、人類の保護だった筈だ。信念のために死ねないっていうのなら、その信念の何が良いんだ?"

1

……

担当職員

"これは後ろ向きな自死じゃない。財団の、最後の使命だ。"

担当職員

"この宇宙を、収容する。"

System Message

Connect Lost……

< E.O.F. >

この宇宙を収容する。

SCP-███、SCP-████、SCP-████を応用した反転空間は、箱の外の宇宙全てを引きずり込むだろう。その後ライプニッツ現実圧縮壁が起動し、この箱のサイズは宇宙ごと1/100程度まで圧縮される。そうして完成した、鍵をかけた僕らの柩は、超立方の剛体の箱となって不可侵の高次元空間に仕舞い込まれるのだ。

僕は、管理画面を立ち上げる。

箱になった僕たちはどう見えるだろうか。 職員として、うまくやれただろうか。

僕は、パスワードを素早く入力する。

その答えは永久に得られないままだろう。 だが、それで良いのだ。

僕は、キーを叩きプログラムを走らせる。

ひょっとしたら、誰かがこの箱を見つけるかも知れない。 恐らくそれは、僕らと志を同じくする者だろう。

僕は、反転空間が形成されつつあるモニタを見つめる。

志を同じくする者なら、この箱を理解し、利用するかもしれない。 僕は箱の中の泡の一つとなって、それをそっと見守るのだ。

僕は、起動キーに手を添える。

僕の亡骸は、弔われることなく、閉じ込められる。 だが僕の死は、ようやく役に立てるのだ。

僕は、指に力を込める。

そして…

箱は、閉じられた。

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