稲荷崎高校の夢

あれから数日が経ち、少しづつ学校生活にも慣れてきた頃のお昼休み

あの日以来🌸達は3人で昼食を取るのが日常になりつつあった。

放課後

侑達は言っていた通りバレー部に入部。

毎日朝と放課後に体育館へ向かいハードなメニューの練習をする。

バコンとボールの跳ねる激しい音が体育館に響き渡り、その音は外にまで漏れている

そんな体育館の周りにはそのプレーを見たさに、ギャラリーがちらほら居た。

ギャラリーの中には双子に黄色い声を上げる女子生徒も居て、その姿はまるでファンの様にも思えた。

イケメンで背も高くて全国レベルの部活でバリバリ活躍している双子

しかし普段は子供かと思う程の内容で直ぐに喧嘩ばかり

そんな一面を見続けて居た🌸は嫌でも2人の中身な部分を知ってしまう。

いつもの様に喧嘩しているのでは、と心配しながらも興味本位で覗いた体育館

そこには、味方に綺麗にボールを上げるセッターの侑と

力いっぱいに、且つ丁寧に相手コートに撃ち抜くスパイカーの治

どちらもとても迫力のある動きで🌸はその光景に驚きながらも見つめていた。

休憩と言われたと同時にこちらに気が付いたのか大きく手を振る侑

幸い名前は呼ばれて居ないのでギャラリーには自分の事だとバレていない。

小さくヒラヒラと手を振ってはササッと帰る🌸

さっさと帰ってしまう🌸を見つめながら話す双子

双子の事を離れた所から見ていたのか会話に混ざってきた角名

次の日のお昼休み

いつも通り購買で昼食を揃えた🌸が教室に戻ると、1人見慣れない姿が居た。

大柄の男子が印象的だったのでその時の事は覚えていた🌸

だがまさか同級生で双子の友達だとは思ってもいなかった。

この日を機に寮生活同士というのもあり、角名と🌸の仲も直ぐに深まった。

また、別の日のお昼休み

侑がニカッと笑いながら紹介してきたのはまたもやバレー部の同級生

こうして夏が過ぎる頃には双子の身勝手さにより出来たメンバー5人でのお昼休みが日常となっていた。

5人でのお昼休みも当たり前となって来たある日

稲荷崎高校バレー部はインターハイが優勝と言う形で終わりひと段落着いた頃

3年生の先輩は部活を引退し、2年生が引き継いだとの事。