禁断の

なんだかんだあっというまに時間は過ぎて

遂に実行の夜

俺はいつもの衣装にカメラつきのメガネ、口元を覆うスカーフを身に纏っている。

インカムもOK

チャームポイントの桜のヘアピンも忘れていない

完璧にさくらだ

ちなみにShellはもうすでに警官に 紛れているらしい

紛れ込む系の任務とか、俺は絶対向かない

その辺り、Shellのコミュ力と対応力は さすがよな

ただ、むやみに声を出せないから 連携を取りにくいのも事実なんだけど

ﾌﾜｯ

ﾄｻｯ

あ、Shell

うまく紛れてんなー

そっとアイコンタクトで合図をだす

作戦開始だ

すると今気づきました〜みたいにShellが慌てだす

Shell相変わらず芝居うめぇな

罠にかかっているふりをしつつ

ターゲットをしっかりと手に取る

腕を掴もうとしてきた警察をひらっとかわし、高い場所に飛び上がった

ﾊﾞﾝｯ

と、唐突に部屋の扉が開いた

たくさんの警察が入ってきて、あっというまに俺は取り囲まれてしまった

まあそりゃそうでしょうけどね

上の方にある窓に向けて例の便利グッズを構える

ﾋﾟｯ

ライが操作したリモコンによって窓が自動で閉じられていく

さすがにあれが開いているうちに上がるのは不可能だ

余裕の笑みで煽ってくるライ

くそ…！

大人しく負けてられるかよ

右側か…

こっからじゃ飛んでも輪を越えたところに着地できないな

じりじりと警察たちが近づいてくる

あ

ギリギリまでこっちに寄せれば？

…いけるかも

ﾊﾞﾝｯ

扉の少し上に向けて銃で撃つ

それが完全に固定される瞬間にひょいと 空中に飛び上がった

あー呆気に取られてる

行けそう

念の為、煙玉を放り投げておく

これでしばらく時間稼げるだろ

無事扉に到着

ちらっと振り返ると、いいかんじに 乱れているみたいだった

見たかんじライひとりか？

他の警官どうしたんだよ？

え、じゃあそれにかからないライって 何者？

てか足速いな！ どこまで付いてくんだよ

後ろを確認する

まだライとの距離はある

ライが曲がってくるまでには入れるだろう

さっと左に曲がった

なんか向こうのほうに人影が見えた気もするけど…

とりあえずいいや

なにかあったら出雲が教えてくれるだろう

急いで手前の扉に飛び込んだ