ピピピピピ ピピピピ..
一回の目覚ましで音を止めた.
起き上がって腫れぼったい目をそっと擦る, 窓を開けた, 朝の空気が清々しいな.
-6:00
父さんが仕事に出かける前に起きたのが久しぶりだからか, 朝リビングに降りていくと複雑そうな顔をされた.
父さんと会うのは何日ぶりだろうか, 朝, 昼, 夜と別行動だし, 気にかけてもらっていないせいかここ数日ずっと会ってなかったな, 同じ家に住んでいるというのに.
-6:20
久しぶりに朝ごはんを食べたな, 父さんはあまりに気まずすぎたのかコーヒーだけ啜って仕事に行っちゃった, まだ六時過ぎなのになぁ.
-6:40
髪を綺麗に整える, 内緒で父さんの整髪剤を使ってくしでとかした.
意外にも僕の髪って綺麗で艶があるんだなって.
-6:46
仕立て直してもらった新品の制服に身を包む, 入学式が思い出されるなぁ.
-6:53
いつもの癖でアクセサリー棚に手が伸びていたけれど, 棚にはすべて無かった, そっか, 昨日全部売ったんだったなぁ.
-7:01
学校は8:00に始まるからまだ早いんだろうけど, 早いに越したことはないし, 身なりを整えて, 靴を履いて, 扉を開けた.
近所の人から変わり果てた容姿に驚かれ, たくさん質問を聞かれた, 照れるなぁ ..
朝早くの登校は, 心なしか爽やかで清々しい一日の始まりを告げるかのように思えた.
学校につくと, いつもなら遅すぎてしまっている門が開いていた, 門の影に人影が見えた.
茶色のふわりとした髪型, 高い背, 背中に組んでいる腕, ほんのり香ってくるいい匂い, 後ろ姿だけでもわかる, テヒョン先生だ ..
泣きたくなる自分を奮い立たせて, 僕はもう未練は捨てたはずなのに, 涙が出そうになって咳払いで誤魔化す.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
僕の声を聞いて, 僕の顔を見ずに校舎の中に入ろうとする先生, 避けられてる .. ?
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
総背中に呼びかけたのに, 先生は気づかないふりをして手を後ろで組みながら校舎に駆けて行った .. 何で ,, だろ.
無性に悲しくて.
これなら, 気持ちを伝えずに, 校則違反がどうとかで追い回されていたころの方が良かったな, なんてさ.
好きだよ, そりゃまだ好きだもんっ.
去り行くテヒョン先生を追いかけて, 襟をつかんで, 先生って叫びたかったのに, 否定されるのが怖くてさ, 足が上手く動かせないんだ.
こっちも見てくれないなんて .. っ
泣きそうになりながらも必死で耐えていた. 耐えていたんだ.
ガラガラッ ..
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
まじまじと変わり果てた僕を見つめて放心状態になっている先生 ..
僕は自分の髪をそっと撫でた.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
そりゃそうだよね .. ここ三年間ずっと校則は破ってピンク髪にするわ, ピアスを開けるわ, 遅刻常習犯でサボり常習犯でもある僕が急にねぇ ?
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
パク先生がテヒョン先生の事を親しみを込めた呼び名で呼んだことも気になったけど, それ以上にテヒョン先生が心配してくれてたという事が唯一の救いでしかなかったんだ.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
鞄を受け取ろうとしたときに見えた.
先生の左手薬指に輝くもの.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
※ ※ ※
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
息が詰まるような思いがした.
三年間の想いがすべて否定された.
先生が何気なくあげた左手の薬指には , 銀色の綺麗な指輪がはまっていた ..
※ ※ ※
昨日のやり取りが一気に思い出された, 脳内フラッシュバック.
テヒョン先生と .. 同じデザインのシルバーの指輪,
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
息が詰まる, 胸が苦しい, そんな言葉では到底表すことが出来ぬほどの.. なんといえようか
頭に一瞬掠めた予想を振り払うように, 僕は鞄を受け取らずに保健室を飛び出した.
𝐽𝑖𝑚𝑖𝑛.
パク先生, その指輪を薬指にはめて何も知らないまま, 僕の名前を呼ばないで, 僕と話そうとしないで.
じゃなきゃ, これ以上自分の今にも暴走しそうなほどの想いを抑えることが出来そうになんだよっ.
どんっ
体に衝撃が走るけど, 目が水滴でぼやけててよく見えない, 誰かにぶつかったようで, 相手の人からひっというような息を飲む音が聞こえた.
涙を袖で払いのけて, 謝ろうと頭を下げた.
頭をあげた時には, 綺麗な茶色の瞳が僕を困ったように, でも驚きの色で見開かれていた.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
先生の手が僕の新しい黒髪にそっと触れた時.
体中に電気が走ったように, 痺れたような気がして, 目をそっと逸らした.
ああ, やはり僕はまだこの先生が好きなんだって.
僕の神に触れた先生の手は, どこまでも暖かくて優しかった.
先生は我に返ったように息をすっと一瞬吸い込んで, さっと背を返して去ろうとした.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
"すまない"って, 何を伝えようとしてるのか分かんないよ, そんな四文字, 聞きたくなかったんだ.
"好きだよ"って, この四文字を言って欲しかっただけなのに.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑎𝑒ℎ𝑦𝑢𝑛𝑔.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
"パク先生と付き合ってるの?"
そう問いかけたかったけど, そんな事を聞ける勇気が出なくて.
そっと零れ落ちた涙は, もう封印しておこう.
急いで遠ざかって言ったテヒョン先生の大きな背中が, たまらなく恋しかった.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
誰もいない教室, 自分の席に座って頬杖をついてため息をついては時間が来るのを待っている僕.
朝日に照らされた教室は, 退廃的で.
-7:46
着々とクラスの人が教室に入ってきては驚いたように僕を見つめ, ひそひそと話し始める.
そりゃ,, そうだよな. 今まであれ程まで不良だった人がこんなになるなんてさ, けど誰一人として近づいてきてはくれない.
不真面目だった僕に正面からぶつかって, 更生させようと立ち向かって, 僕と視線を合わせて話をしてくれたのは, テヒョン先生だけだったんだ.
でも, そんな先生は今では僕を遠ざけている, これも全て自分のせいだなって.
女子達の視線と話し声が結構怖いと感じた, 女子って何を話しているのかもよく分からないし..
どうせヤンキーだとか, 総長の跡取り息子だとか前の派手髪から勝手に作り出された僕の像にクラスの人たちはまだ怖がっているんだろうなって..
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
ホームルームの先生の声によって騒がしかった教室が一気に静まる, 静寂に包まれる.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
というように, 少しずつ名前が呼ばれていく, いつもは遅刻してたから久しぶりに見る光景だなぁと.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
いや, ちゃんと生徒の顔を見てからにしてほしいな, 出席を取るのは, ほら, こうして窓際の席でちゃんと出席しているんだし.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
驚き顔を見るのは愉快だけど .. テヒョン先生と今日はあまり話せてないからそこまで笑いは出てこないなって.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
いや, そこで涙ぐまれても意味わからないし.
三年間校則は破りっぱなしの僕がようやく更生したと思って, 感極まって涙ぐみそうになってる先生に咳払いすると先生は我に返ったようだ.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
いや, 何で校長室にも .. ? 意味が分からないですって ..
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
𝐽𝑢𝑛𝑔𝑘𝑜𝑜𝑘.
𝑇𝑒𝑎𝑐ℎ𝑒𝑟.
しょ, 職員会議の議題に僕が ,, え ? 聞いてない, 聞いてないです.
お前もようやくやる気になったのか, というように笑顔で肩をポンっとしてきた先生 ..
.. 今, 進路指導室と保健室に行くことが出来るほど気持ちの余裕はないんだけどなぁ ..
♡ → 700 ..
次回 .. うぎゃっ ..
今回, 結構凄い回にしようと思って予告もしてたのに, お話が入りきらなかった為, 次のお話でぐぉぉぉっとやってきますねっ !!
予想外系みたいな .. はい, すんません, これ以上は何も言いません.
コメントでこのお話がスラスラ進んでいってくれるからいい-!!みたいな感じのコメントが多くて, 嬉しかったです !!
私のお話, 時系列が分かりにくすぎて, 8話書いても一日経っていなかったりすることが多いんですね ? 話の密度が多すぎて.
なので, このお話はサクッと読めちゃう感じに仕立てたかったんですけど, そこに気づいてくださった人が何人かいらっしゃって嬉しかったです !! ちょあよっ
これからも頑張って続き書きますので, ちょくちょく除いてくださると嬉しいです ~ !! (ついでにいいねもぽちっとな .. すみません ..
コメント
4件
泣きます泣きます、