道長短編集

最近、謙杜を見る度、どうしても 目で追ってしまう。 可愛くて、ウサギみたいなあの言動 そんな謙杜に俺は釘付けになってる

そんなことあるわけない 昔から同期で「なにわ男子」の グループのメンバーなだけ。

なんて考えてたら話題の謙杜が来た

そういう謙杜はスマホ片手に 俺に近づき、隣に座った。 謙杜の見やすい向きに持たれた スマホの画面は、俺の角度からは 反射してよく見えなかった。

俺が思っていることそのまま 謙杜に伝えると、小さな子どもの ようなかわいい反応を見せた。 それが可愛くて可愛くて見てたら

謙杜はスマホを見やすいように 移動させたかったのか 俺の腕を上げてその上に顎を乗せた それでも我慢出来そうにないのに 追い打ちをかけるように 体を密着させてきた

上目遣いでスマホの画面を 向けられるけど… このままじゃ集中出来ない！ こいつ自分が可愛いの知ってんな あざとすぎる…… 俺はそのスマホの中に入ってる 小さい子犬じゃなくて 今密着してる可愛い謙杜に 釘付けなんだよ！！

…バレてないよな？ 謙杜が見せてくれた画像に反応 しないのは流石にダメだし 適当にリアクションをとった

そういって長尾は俺から 離れようとした

いつの間にか俺は離れようとする 長尾の手を掴んで引き止めていた

自分で聞いてきたくせに 耳が赤くなって照れてる かわいい

…………やばいな… 俺、本当に謙杜が好きなのかも… 「友達」とか生ぬるいものじゃなく 「異性」というような感じ。 そんな「好き」って感情がする

俺に止められて赤くなった耳も 俺に手放されて少し寂しそうな顔を したのも。勘違いしてしまう。

謙杜も俺のことが好きなんやない？

そのまま遠くなっていく 小さなかわいい背中を 俺はただ見つめていた