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私は母を失った
大親友の父親に
殺された
私達は本当に仲良しだった。
泉
紗耶香
紗耶香
紗耶香
泉
紗耶香
紗耶香
泉
泉
紗耶香
その日私は心友の泉と家でお泊り会をした。
ただひたすら楽しくて
二人でテレビ見て、ご飯食べて
お風呂に入って
真夜中になっても二人で笑っておしゃべりしてた。
本当に楽しくて、いつの間にか眠ってた。
次の日の朝、私と泉はとても大きな怒声で目が覚めた。
泉の父
泉の父
紗耶香
泉
泉の声が震えてた。
その後泉は父親に腕を捕まれ強引にうちに帰された。
前々から不思議に思っていた。
泉は父親を
父親としてではなく
鬼を見るような
恐怖心を抱いたような目で見ていることに。
それほど父親が厳しいのか、そんなに怖いのか。
ある日
確信ができた。
泉は
父親に
虐待されているのだと。
それはある日の夜だった。
強い雨が降る中
家のチャイムがなった。
私の母がドアを開けると
そこには
傷だらけの泉が 裸足で立っていた。
たくさんのアザ
刃物で切られたようなあと。
タバコを押し付けられたような火傷跡
とても痛々しいものだった。
泉は話してくれた。
震えながら
泉
泉
泉
泉
泉は話してくれた。
たくさんの涙を流しながら
震えながら
精一杯の勇気を振り絞って
全てを話してくれた。
優しかった父が、リストラされた事を気に
お酒をよく飲むようになり
暴言を吐くようになり、
今では泉に暴力をふるっていること、
母親が父親に殴られ入院してしまっていること、
それが殴られたからではなく、「階段から落ちた」ということにされていること…
それを聞いた私の母が、警察に連絡をした。
数日して
泉の家にたくさんの警察車両が停まっていた
これから泉の父親を逮捕するのだ。
私は母と一緒に泉の家から
泉の父親が出てくるのを見守ることにした。
ちょうど買い物帰りだったからだ。
家から…泉の父親が出てきた。
それは、一瞬の出来事だった。
出てきた泉の父親が
こっちに目を向けた時
その顔には怒りが見えた。
次の瞬間泉の父親は私の母に襲いかかってきた。
そこから先は覚えていない。
目が覚めたとき
一瞬夢なんだと思ってほっとした
でも
いくら母を探しても、もうどこにもいなかった。
母は死んだのだ。
私の大親友の父親に
殺されたのだ
恨んだ
恨んだ
恨んだ
恨んだ
恨んだ!!!!!!!!
あの男は、私の大親友の父親は
私から母を奪った!!
許せない
許せない
許せない!
絶対に許せない!!!!!!!!!!!!
いつしか私は
泉のことも恨んでいた。
泉とかかわっていなければ
私は母を失わずにすんだ
泉があの日うちに来なければ
母が殺されることはなかった!
そんな怒りと
母がいないという悲しみが
私の心を満たしていた。
ある日
泉が私を訪ねてきた。
私の母を殺しておいて
のうのうと
私を訪ねてきた。
腹立たしい
なぜ目の前に現れた
もう二度と見たくない顔
二度と思い出したくない顔
それが今私の目の前にいる
そして
涙を流しこう言った
泉
何度も何度も
泉
泉
泉
泉
腹立たしかった
泣きたいのはこっちだというのに。
なぜ私ではなく泉が泣くのか
その時気づいたのだ。
泉は
私と同じ被害者なのだと
泉は父親に人生を奪われた。
泉は一生【殺人犯の娘】として生きていく。
仕事もやとってもらえないだろう
これからの学生人生もきっと友達なんかできないだろう。だって
【殺人犯の娘】なのだから。
泉は、人を殺していないのに。
殺していないのに。
泉は被害者なんだ。
人生を奪われ
暴力を与えられ
これからずっと
人としてではなく
【殺人犯の娘】として生きなくてはならなくなる。
私と同じ
辛いのだ
私は母をなくした
きっとたくさんの人が
慰めの言葉をかけてくれるだろう。
でも
泉は誰一人として慰めの言葉をかけてくれる人はいない。
普通の人は【殺人犯の娘】に慰めの言葉なんてかけないだろう。加害者の関係者なら危ない人かもしれないと。 慰めどころか声もかけないだろう。
なら、 私がかけてあげなくては。
辛い気持ちを
共通し合える
私が
泉に慰めの言葉をかけなくては。
紗耶香
紗耶香
紗耶香
紗耶香
紗耶香
泉
泉
泉と私は
二人で泣き叫び続けた。