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ルフィの妹のお話

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ルフィの妹のお話

35 - 彼女が皇帝な理由

♥

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2024年05月19日

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皇太后の背中を見送ったエールは口を開く。

エール(皇帝)

…私は貴方達に頼みたくはなかった。
でも皇太后の命令ですからお願い致します。

エールは作り笑顔で言う。

ゾロ

なんで俺らに頼みたくなかったんだ?

サンジ

俺達は強いよ?

フランキー

スーパー任せとけ!

そして、エールは麦わらの一味を客室へと案内しようと歩き出していた。

すると、

???

何度も言わせるな!復帰せぬと言ったらせぬのだ!

???

俺はそこを何とか考え直してくれと言ってんだ。

???

何度言っても変わらん!
帰れ!小僧!

???

なんだと?
下手に出てりゃバカにしたような言い方しやがって。
老いぼれがッ

???

貴様、今なんと申した!

ルフィ

なんだ?なんだ?

エール(皇帝)

お父様!?

ウミ

ケムリん!?

いい争いをしていたのは、グロウピース帝国の先代皇帝とG-5海軍中将のスモーカーだ。

スモーカー

あ?てめぇら、麦わらの一味…!

先代皇帝

エール、来てくれたか。
この若僧が言うことを聞かぬのだ。

エール(皇帝)

一体何があったのですか?

スモーカー

俺がこのジジイに海軍中将に復帰してくれって頼んでんだ。

先代皇帝

だから何度も言わせるなと言っておるだろ!
ガープやセンゴクと親友だったのは昔の話だ!

「「じいちゃんを知ってんのか!?」」

ルフィとウミが口を揃えて言う。

先代皇帝

"じいちゃん"とな?
センゴクに孫など居たか?

ウミ

ちげぇよ!

ルフィ

俺達のじいちゃんはガープだ!

先代皇帝

。。。へ?はぁ〜!?
ガープの孫!?ということは!
わしのまッ!
…いや、何でもない

フランキー

さっきから皇帝も先代皇帝も様子がおかしくねぇか?
ルフィとウミを前から知ってたみてぇじゃねぇか。

ブルック

私も感じました。

ロビン

……

ロビンがエールとウミを交互に見る。

ロビン

…まさかね、そんな事は無いと思うけど。

ナミ

ロビン、どうかした?

ロビン

少し気になる事があってね。

ナミ

気になる事?

2人の会話はそこで途切れる。

それからに麦わらの一味とエールは仲良くなっていた。

サンジ

エールすぁ〜ん♡
美しぃ〜!好きだァァ♡

エール(皇帝)

フフッ、ありがとうございます。
でも私、歳離れていますよ?

エールが微笑みながら言う。

サンジ

歳なんて関係ないよ♡
エールさんが俺より若くてもねぇ♡

エール(皇帝)

サンジさんは私より年上なの?
そうは見えないけれど…

サンジ

俺は21だよ〜ん♡

エール(皇帝)

あら、随分若いじゃありませんか。

サンジ

え?

エール(皇帝)

だって私45ですし、子供だって2人居ます。
フフッ

『45!?!?』

麦わらの一味が驚く。

ナミ

見えない!見えない!

フランキー

俺より上かよ!

ロビン

…子供が2人?

ロビンがエールに尋ねる。

エール(皇帝)

ええ、息子と娘が1人ずつ

チョッパー

じゃあ皇子と皇女なのか?

エール(皇帝)

血筋はそうなるけど、一緒に居ないのよ、たぬきちゃん。

チョッパー

たぬきじゃねぇ!
俺はトナカイだァ!

エール(皇帝)

え!?!?トナカイだったの!?

エールがオーバーなリアクションを取る。

ウソップ

オーバーリアクション過ぎだろ!!

ウソップがツッコむ。

ブルック

1つお聞きしてよろしいですか?

エール(皇帝)

なんでしょう。

ブルック

普通なら第1皇子が皇帝、あるいは皇太子の地位を与えられるはずですが、
何故第1皇女である貴女が皇帝に?

ナミ

それは私も気になってたのよね〜

エール(皇帝)

…先程ご覧になった通り、我が国の皇子は1人。
そして尚且つ身体が弱い。
お兄様は生まれながらにして身体が弱く、この国のトップに立ち政ができるような状態ではないと医者にも言われていました。

エール(皇帝)

ですから幼い頃から私は皇太子という地位に居た、というところです。
でもお兄様は身体の悪い反面、特別な力があったのです。

ウソップ

特別な力?

エール(皇帝)

魔力を持たずしてお兄様の見た夢は全て現実になる…言わば"預言者"です。

エールは真剣な顔で言う。

エール(皇帝)

でもお兄様が健康体で生まれてきたとしても、皇帝になるのはきっと私だったのです。

ゾロ

あ?そりゃどういう事だ?

ロビン

…貴女達、兄妹の中で魔力があるのは貴女だけ。
違うかしら?

エール(皇帝)

流石ですね。
…そう、この国では皇族だけが魔力を持って生まれる。
皇族の中でも一世代に1人だけ。
その1人が皇帝の座につく。
そして私は初代皇帝と並ぶ程の強大な魔力を持って生まれた。
だけど私以外の2人は魔力を持っていない。

ウソップ

ほんじゃあ昔からチヤホヤされて来たんじゃねぇか?いいなぁ〜

エール(皇帝)

……そうですね。
でも私は、皇族という立場が嫌で嫌で仕方がなかった…

チョッパー

え?

エール(皇帝)

『皇族ならばこうあれ』
昔から次期皇帝と期待を受けていた私には自由も私の意思も何も無いに等しかった。

『……』

その場に居た誰もが黙って聞いている。

そして、客室の扉を開けながら話し続ける。

エール(皇帝)

でも、そんな私にも一時の幸せがあった。

エールが幸せそうに微笑む。

ゾロ

旦那と子供の存在か。

エールがコクリと頷く。

フランキー

泣かせる話だぜ!うわぁぁ!

涙脆いフランキーがギャン泣きしている。

エールの話を半分以上聞かずルフィとウミはテーブルに置かれている軽食を頬張っている。

ルフィ

なぁなぁ、王と皇帝って何が違うんだ?

エール(皇帝)

ん〜そうねぇ。
簡単に説明するなら"王"は1つの民族によって作られた国家のトップ。
"皇帝"は、複数の国家を同時に支配する支配者みたいなところかしら

「「。。。へ〜」」

ウミとルフィは空返事をする。

ロビン

絶対分かってないわね。

ロビンはその様子に微笑んでいる。

そしてエールは執務のため執務室へ向かい、客室には麦わらの一味だけが残されている。

そして夜になる。

執事

お客様、ご入浴なされますか?

扉の向こうから執事が声をかけた。

ナミ

お風呂!
皇宮のお風呂は広いんでしょうね〜

ナミが目をキラキラさせる。

ウミとルフィはまだ食べている。

ナミ

ちょっとウミ!お風呂行くわよ?

ウミ

ん?いっへはっはーい
(行ってらっしゃ〜い)

ナミ

アンタも行くの!

ウミ

んへ!?なんへ〜!?
(なんで〜!?)

ロビン

汗を落とさないとでしょ?

ウミはゴクンと食べ物を飲み込み口を開く。

ウミ

絶対か?

ナミとロビンが頷く。

ウミ

どうしても?

ナミとロビンが頷く。

ルフィ

いっへほいほ、ふひ
(行ってこいよ、ウミ)

ウミ

だァァァ!分かったよ!

ナミとロビンが微笑み合う。

ウソップ

お前も行くんだよ!

ウソップがルフィにツッコむ。

チョッパー

風呂楽しみだな!

そして麦わらの一味は部屋の扉を開け、廊下へ出る。

ナミ

それじゃあ、行きましょッ

サンジ

は〜い♡ナミすわぁ〜ん♡

風呂へ向かう途中、皇帝の執務室の前を通りかかり、ロビンが立ち止まる。

扉の前に控えている騎士が麦わらの一味に声をかけた。

騎士

陛下に御用でしょうか?

騎士がそう尋ねると扉が開いた。

アリア

あら、皆様お揃いで。
どうかなさいましたか?

ロビン

エールさんや貴女と仲良くなれたのも何かの縁だし、お風呂一緒にどうかと思ってね。

アリア

お気持ちは嬉しいのですが、私や陛下には専用の浴室がありますから、

アリアが言いかけると椅子に座っていたエールが口を開く。

エール(皇帝)

良いじゃない、楽しそうで。

アリア

陛下、よろしいのですか?
陛下は易易と身体を見せてはなりませんが…

エール(皇帝)

皆様が居る間くらい良い。

ナミ

ほんと!?私も貴女達ともっと話したかったのよ!

ナミが嬉しそうに笑いかける。

アリア

ごめんなさいね、私今から用事があって。
陛下と楽しんできてください。

アリアは微笑んだ後、歩き去っていく。

そして今、ナミ達女子チームは大浴場の湯船に浸かっている。

エールとロビンは微笑ましそうに会話を交わしている。

ナミ

ウミ!泳ぐな!

湯船で泳ぐウミにナミが怒る。

ウミ

気持ちいいぞ?ナミもやってみろよ。

ナミ

あのねぇ、私はアンタみたいにガキじゃないんだから!
ていうかアンタ能力者なのに平気なの?

ウミ

ファ?

ウミがキョトンとしている。

ナミ

"ファ?"じゃないわよ!

エールとロビンは2人の様子を見て微笑んでいる。

エール(皇帝)

ウミちゃん。

エールがウミの名を優しく呼ぶ。

ウミ

ウミでいいよ。
んでどうした?

エール(皇帝)

じゃあウミ。
貴女はお母さんの事、恨んたりしてないの?

ウミ

なんで母ちゃんを恨むんだ?

エール(皇帝)

だってウミとルフィを置いて出て行ったんでしょ?
嫌いじゃないの?

エールが不安そうな表情で尋ねる。

ウミ

母ちゃんの事はよく知らねぇけどよ、でも一瞬たりとも母ちゃんを恨んだ事も憎んだ事もねぇよ。

エールが目を見開く。

エール(皇帝)

どうして…?

ウミ

母ちゃんが好きで私達を置いて出て行った訳じゃねぇって分かってるし、母ちゃんにはやらなきゃダメな事があったんだと思う。
母ちゃんがやろうと思ってやったことだ。
私はそれを責めたりしねぇよ。

ウミが満面の笑みで言う。

エール(皇帝)

!!!!

ドラゴン

ソナタがやろうと思ってやった事だ。
俺はそれを責めはしない。

エールの頭の中に、かつてドラゴンに言われた言葉を思い出し、涙目になる。

エール(皇帝)

貴女のお母さんは幸せ者ね。

ウミ

そうなのかな?
でも私は母ちゃんも父ちゃんも皆大好きだ!

ウミがニカッと笑う。

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コメント

1

ユーザー

いつも面白い物語ありがとうございます!

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