無音 ___

イツダッテ、痛イ。

音ノシナイ空間ハ、耳鳴リガ痛イ。

三ツ谷達四人が呼び出された待ち合わせ場所の神社に着いた頃にはもう他の人間たちは首を長くして待っていた。

男だらけであるその場に、近寄ってくる男達に目を白黒させ驚きを顕にしてしまう○○。

三ツ谷が女を連れてくるとは…。その場にいたぱー、ぺー、三ツ谷、○○以外の人間はそう思っていた。え、三ツ谷って普通に幼女趣味じゃなかったの？！と勝手に勘違いしていた一虎は特にグイグイと。

見たことも無い男達複数人に囲まれ、三ツ谷の背中に隠れる○○。そりゃそうだ、初めましてでこんな奴等が居たら誰だってこんな反応になるよな、なんて三ツ谷は思ったり。

三ツ谷の友達なら、と思った○○は携帯を取り出しメモ機能を使って文字を打ち始めた。

あーだのこーだのと会話が飛び交う中で○○は打ち込んだ文章を皆に見せる。

それは、○○の名前と 、 声が出せない事、その理由だった 。

佐野の放った言葉に思わず何故…と問いたくなった○○であったがそんな直ぐにポンポンと文字を打てるわけでもなく、首を傾げた。

正直な所怖いと思った。三ツ谷含め全員を。でもそんなことは無いと言わんばかりに全員が佐野の言葉一つで○○に笑顔を向けた。

ドラケンが訳した通り、マイキーの言葉は本当になる気がした○○は、目の前で繰り広げられる暖かいやり取りに微笑んだ。

全員がわちゃわちゃごちゃごちゃ、と自己紹介してる中三ツ谷は○○の隣に立った。コクコクと三ツ谷の言葉に頷く○○の表情に、初めて接触した先程の暗さはもう無くなっていた。