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くろと
※注意※ 依存系(当たり前) 白水 「オーバードーズ」という言葉あり いじめ表現あり ドロドロ系
ある暑い日の放課後。
先生に職員室へと呼び出されていた俺は、自分の教室へと戻った。
ふと隣の教室が目に付く。
ドアの窓から見えるバッグの角。誰もいないわけがない。
好奇心に身を任せてドアを開けた。
バッグの持ち主はすぐにわかった。
教室の角でうずくまる水色髪の男子。小学校からの幼馴染であり、俺が密かに片想いしているいむくんだ。
表情はわからない。時々鼻をすする音が聞こえるから泣いているのだろうと思った。
いむくんに近付く。目の前まで来たところでやっと俺の存在に気付いたようで、ゆっくりと顔を上げた。
赤くなった鼻と涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔。普段の無邪気ないむくんとはかけ離れた姿だった。
-hotoke-
初兎
しゃがんでいむくんの目にたまった涙を拭う。
-hotoke-
初兎
-hotoke-
わあっ、と急に泣き出すものだから、俺はただいむくんの頭を撫でるしかなかった。
落ち着いた頃にいむくんは事情を話してくれた。
いむくんはクラスメイトからいじめられているようだった。
悪口や仲間外れだけではない、私物を壊されたり、暴力を振るわれたりなどのいじめだった。
-hotoke-
初兎
-hotoke-
いつも俺の前で気丈に振る舞っていた彼は、今にも崩れ落ちてしまいそうだった。
宝石のように綺麗な水色の瞳が、助けを求めているように感じた。
……だめだ。
初兎
震えるいむくんを抱きしめ、耳元で囁く。
俺が守ってあげるから。
俺が守ってあげんと。
-hotoke-
「中庭に来て」と言われたので来てみたら、半泣きのいむくんを見つけた。
初兎
-hotoke-
初兎
-hotoke-
弱弱しく俺に抱き着くいむくん。そんな姿に、ちょっと可愛いと思ってしまった。
あれから一か月程経っても、いむくんのいじめは止んでいない。
いむくんに、俺がやめるよう言おうかと聞いたが、「これ以上関係を悪化させたくない」と言われた為、俺にはいむくんを慰めることしか出来なかった。
-hotoke-
初兎
-hotoke-
震えた声で聞いてきた。きっと俺が首を振ると思っているのだろう。
そんな彼に微笑みかける。
初兎
俺がそう言うと、いむくんはここ最近で一番の笑顔を浮かべたのだった。
いじめっ子
いじめっ子2
いじめっ子
いじめっ子
ズキズキと心に刺さっていく心無い言葉。
しょーちゃんにどれだけ慰められても、一度傷付けられたものはもとには戻らなくて、でも慰められないと死んでしまいそうで、それほど辛い日々だった。
初兎
初兎
しょーちゃんは僕の欲しい言葉をくれる。そんなしょーちゃんが大好き。
もう僕は彼なしでは生きていけない。もうそこまで”依存”してしまっているんだ。
そして今日も、しょーちゃんを欲する。
-hotoke-
-hotoke-
-hotoke-
日に日にいむくんが俺に依存していっているのは目に見えてわかった。
俺を欲してくれるいむくんが好きだし、そんな彼に俺も依存している。
いむくんには俺が必要。俺もいむくんが必要。
慰めて満たされて、また傷付いて。 まるでオーバードーズのように。
そして今日も、
お互いはお互いに”依存”する。
※ちなみに
俺が守ってあげるから。
これは実際に口に出していて、
俺が守ってあげんと。
これは心の声です
くろと