ましゅの短編シリーズ

ある遠い夏の日

私は、告白した。

返事は返ってこなかった

斗真は、そのまま何処かに行ってしまった。

8年前、私たちが小学生の時だった

斗真が、どこかに転校したのは

行き先も教えてくれなかった。

告白したけど、辛そうな顔をして出て行った

LINEも、交換はしたものの、一言も連絡をしなくなってしまった

今彼どこにいるのか、元気でいるのか、それすらわからない

私たちはもう、大学生。

今日は講義がお休みのため、早くアパートへと帰ってきたのだ。

ﾋﾟｺﾝ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

ﾂｰﾂｰ

おかけになった電話番号は、電波の届かないー…

ｻﾞｯｻﾞｯ

ｺﾝｺﾝ

夏帆へ

告白した時、なにも返事をせずに黙ったまま行ってごめん。

俺、いま千葉にいるよ

友達もちゃんと作れてるし

これ埋めたの、3年前だよ。

一回ここに戻ってきたけど、連絡できなくてごめん

夏帆に会いたかったけど、なんだか、もどかしくて

告白の返事、今言うね

直接伝えられなくてごめん

俺も……夏帆が……

………「好き」とは言わない

だって好きじゃ物足りないら

俺は、幼稚園の頃から

ドジっ子で、先突っ走って 怪我して 泣いて

でも何事も一生懸命で 頑張り屋な夏帆が

愛してます

俺と付き合ってください

斗真