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マイクラをベースとしたファンタジー世界観
このお話は葡萄メイン+👓
第一話 引っ越し先を探しましょう
――きらりとガラス瓶が輝いて
スマイルは顔を顰めた
次いで窓を見れば
朝陽が昇っているではないか
本をパタンと閉じて
古い椅子をぎし、と鳴らしながら 立ち上がり
こつこつと襤褸い木でできた
床板を踏み鳴らす
あと一歩で扉だと言うところで
スマイルが踏んだ床板が
バキッ――
音を鳴らして割れた
スマイル
スマイル
当然ながらスマイルの体は
重力に従い床下へと落下した
どしんと鳴った大きな物音に
シャークんは目を覚ました
きょろきょろと周囲を確認して
大きなあくびを一つする
どちらかと言えばシャークんは夜行性だが
朝なので起きるには
ちょうど良い時間帯だろう
伸びをしてシャークんは
いそいそとベッドから降りると
キッチンへ向かって
ペットたちの餌を用意し始めた
しかしキッチンは
昨日片付けたばかりだと言うのに
見るも悲惨な状態になっていた
ここまで汚す犯人は
ペットを除いては一人しかいない
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
何度呼んでも家主から返事はない
シャークん
そういえば――
シャークんが目覚めた時
大きな物音が鳴った気がしたが
今更その正体を
探しに行く気にはならなかった
とにかくシャークんは
ペットたちへの餌を用意して外へと出た
シャークん
わおんわおん
にゃんにゃん
ぴちゅちゅちゅ
ふぃーん
なんだか生き物でないものも
混じっている気がするが
もう見慣れた光景である
シャークんは気にせず小屋に戻り
今度は自分たちの朝食の準備を始めた
朝食も完成して後は食べるだけ――
というところで
いつまで経ってもスマイルが
部屋から出てこないことに気付いて
シャークんは首を傾げた
いつもならもうその辺を うろうろしながら
スマイル
なんて小言が飛んできているはずなのに
シャークん
シャークん
シャークんは古びた階段を
ぎしぎし鳴らしながら上がって
スマイルの部屋の扉を叩いた
シャークん
シャークん
シャークん
たまーにスマイルは
黙って一人で遠出する事があるが
スマイルがそんな事をすれば
優秀なペットがシャークんに
それをいつも伝えてくれるはずだ
今日はそれもなかったので
スマイルは確実に
この小屋にいるはずなのだ
シャークん
シャークん
シャークん
そうして踵を返すとわおんといつの間にか
小屋に入ってきていた ペットのぽちが足元にいた
ぽちはぶんぶんとしっぽを振りながら
扉をカリカリひっかく
シャークんがその扉を開けてみると
扉の前の床に穴が開いていた
シャークんはその穴を見た瞬間
口角が上がってニヤけた
シャークん
なんせスマイルの部屋の床板に
穴が開いているのだ
面白いに決まっているだろう
どれだけこの小屋は襤褸いのだろうか
シャークん
シャークん
失笑気味にシャークんは呟きながら
その穴を覗き込む
スマイルの部屋の下は
キノコの栽培所になっていて
部屋は暗室である
しかしシャークんは夜目が効く
穴の直下に寝転がる
スマイルの姿を見つけて
シャークんはぶはっと吹き出した
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
スマイル
シャークんはひぃひぃ笑いながら
階段を下りて小屋の外に出ると
裏口に回って暗室の扉を開けた
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
シャークんの肩を借りて
スマイルは立ち上がると
そのままシャークんに連れられて
二人は暗室から出た
そのままゆっくりと歩いて
かなりの時間をかけて
二人は小屋の中へと戻り
ようやくスマイルは
椅子に座ることができた
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
スマイル
シャークん
踏み台を持ってきたシャークんは
棚をあさってスマイルに
指定された薬を取ってきた
シャークん
スマイル
それを受け取ったスマイルは
瓶の蓋を開けると一気に飲み干した
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
二人はようやく少し冷めた朝食を
ゆっくりと貪り始めた
スマイルは薬剤師である
野山の目立たないところにある 小さな小屋に
居住を構えて暮らしている
時折自身が開発した薬を
町に売りに山を下りて金銭を稼いでいる
シャークんはその薬剤師の しがない助手である
彼は町に住みたかったが
シャークんは町の人々から
迫害されていた
山に逃げ込んだところ
スマイルと出会い
一緒に暮らすことになった
そんな彼らは新たな根城を探すべく
町――
ではなく、野山を歩いていた
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
獣道すらない歩きにくい山道を
シャークんはすいすいと歩いていく
その後に続くスマイルは
その辺にある薬草を
これでもかというほど摘んでおり
シャークんはスマイルを確認しながら
あきれた顔をする
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
と、雑談をしていると
木々がなくなってひらけた場所に出た
シャークんは立ち止まって
その平原を見渡す
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
スマイルとシャークんは
互いに顔を見合わせる
シャークん
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
スマイルは非効率だと思いつつ
そこまで急いでいないので
シャークんの同行を承諾した
踵を返そうとして
シャークんが前方を見たまま動かなかった
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
平原のちょうど中央に位置する場所に
巨大な木が一本立っていた
シャークんが歩き出して
その木に向かっていく
スマイルも仕方なくそれに続いた
大木は太く根差しており
相当な樹齢である事が伺える
スマイルは大木を見上げて手で影を作った
スマイル
シャークん
リズムに乗って問いかけられたスマイルは
即答しなかった
スマイル
シャークん
シャークん
?
スマイル
スマイルは驚いて周囲を見回した
隣に立っていたシャークんが
スマイルの裾を引いて上を指差した
桜の木の上に
金髪の眼鏡をかけた男が座っていた
スマイル
身なりは聖職者のようだが
その右手に一升瓶を持ち
左手には盃を持っている
シャークん
?
スマイル
?
?
シャークん
シャークん
?
桜の樹の下には……
屍体が埋まっている――ってさ
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
?
?
?
スマイル
?
スマイル
シャークん
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
スマイル
?
スマイルとシャークんの会話に 入ってきた金髪の男は
身を乗り出してきた
シャークん
?
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイルは小さく視線を反らした
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
シャークん
シャークんが金髪の男を指差す
スマイル
スマイル
スマイルはシャークんのその腕を下ろした
そんな二人の様子を窺っていた金髪の男は
桜の木の上であぐらをかいた
?
?
?
?
シャークん
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
?
金髪の男は桜の木から飛び降りると
スマイルとシャークんの目の前に佇んだ
?
シャークんは男の質問に
引きつったように笑った
シャークん
スマイル
隣でスンと答えたスマイルに
シャークんは唖然とした
?
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
シャークん
?
そう言いつつ金髪の男は
盃の酒を飲み干した
すでに頬が朱に 染まっているように見えるのは
気のせいだろうか
スマイル
スマイル
?
シャークん
?
スマイル
スマイルが首を傾げると
金髪の男は一升瓶をゆらゆらと揺らした
?
?
?
?
?
シャークん
いくら高くても土地と酒では
金銭が見合わなさすぎる
これでは金髪の男に利がないように見えた
詐欺の類かもしれないと
シャークんは顔を顰める
しかし――
スマイル
スマイルは二つ返事で即答してしまった
シャークんは再び唖然とする
シャークん
シャークん
スマイル
シャークん
シャークん
?
きりやん
きりやん
金髪の男――
きりやんはにこりと笑った
シャークん
スマイル
きりやん
シャークん
そう思いながらスマイルに視線を移す
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
シャークん
シャークん
わいわいと盛り上がる スマイルときりやんを傍目に
シャークんはげっそりとした