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第二話 桜と聖職者の出会い
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桜の樹の下に佇む男は
月を見上げながら
ぺろりと唇を舐めた
きりやん
びくっ――
眠っていたきりやんは
身体を痙攣させて目覚めた
確か眠る前は
がやがやしていたはずの酒場は
人気も少なくなっており
きりやんは懐中時計を確認する
時刻は0時をまわっていた
きりやん
きりやん
机に上半身を預けながら
きりやんはふらふらと手を振った
その後きりやんはポケットを探ったが
出てきたのは
手持ちの十字架だった
きりやん
ごそごそときりやんは
もう一度ポケットを弄る
きりやん
きりやんは上体を起こして
ポケットを更に弄り続ける
上着の右ポケット
左ポケット
胸ポケット
上着の裏の胸ポケット
ズボンの右ポケット
左ポケット
お尻のポケット
きりやん
――ない
あれがない
きりやんは静かに両手を
膝の上に置いて俯いた
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
つまり、導き出される答えは――
きりやんは勢いよく顔を上げて
酒場を見回す
こ の 中 に ス リ が い る
まぁもしかしたら
もう逃げているかもしれないが
他にも寝てるやつは
たくさんいるので
まだ残っている可能性が高い
きりやんは怪しい者がいないか
じろじろと周囲を見回す
もしも犯人がこの中にいれば
もう犯人はきりやんが起きた事
財布がない事に気付いて
犯人捜しを始めている事にも
気付いているだろう
きりやん
しかし探している間もなく
酒場のマスターが
きりやんに近付いて来る
きりやん
きりやん
きりやんは酒場に
怪しい者がいないか見回す
しかし誰も怪しい行動を見せない
きりやん
祈りながら血眼になっても
誰も何も行動は起こさない
当然と言えば当然だ
犯人はここで黙っていれば
ボロ儲けなのだから
酒場のマスター
きりやん
きりやん
きりやんが恐る恐る
何もはいっていないポケットに
手を伸ばしたその時――
バラッ――
テーブルにエメラルドがバラまかれた
きりやんが顔を上げると
そこには青い目の男が立っていた
?
青い目の男は
きりやんに向かって
にっこりと笑った後
不敵に笑って見せた
きりやん
きりやんは苦笑を浮かべた
酒場を出た二人は
少しだけ移動して
きりやんは青い目の男に 連れられて
路地に入った
きりやん
?
きりやん
きりやん
きりやん
?
?
?
きりやん
きりやん
青い目の男は きょとんとすると
顎を抱えた
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きりやん
きりやん
?
?
きりやんは小さく俯くと
メガネが輝いて
彼の目を隠した
きりやん
きりやん
?
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きりやん
きりやん
きりやん
?
?
きりやん
きりやん
きりやん
?
条件を変えた青い目の男を
きりやんは鋭く観察する
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
?
きりやん
きりやん
きりやんが人当たりの良い 笑みを浮かべる
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青い目の男もにこりと笑って
きりやんに近づいた
驚いて表情を落とす前に
青い目の男は
きりやんの頭を鷲掴み
右腕を掴んだ
きりやん
?
青い目の男は
きりやんの首筋に牙を立てた
きりやん
きりやんは唖然とする
何か襲われるかと思いきや
青い目の男は
自分の首筋に吸い付いて
血を飲んでいる
きりやん
きりやん
きりやん
?
?
?
きりやん
?
?
きりやん
きりやん
?
きりやん
きりやん
?
?
きりやん
きりやん
煽り文句に煽り言葉
双方の言葉の刃は
確実に片方に突き刺さった
吸血鬼は表情を落とすと
きりやんをスッと見据えた
?
伸びてきた吸血鬼の手を叩いて
きりやんは吸血鬼から
逃げるように後ずさる
きりやん
きりやん
?
きりやん
きりやん
?
きりやん
きりやん
?
?
吸血鬼はきりやんに向かって
飛びかかった
きりやんはため息をついて
十字架を目の前にかざした
きりやん
ジャラッ――
金色の鎖が きりやんの周りから現れると
一直線に吸血鬼に伸びてゆき
鎖は吸血鬼に巻き付いて
彼を束縛した
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きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
?
?
きりやん
きりやん
?
?
グググッ――
吸血鬼は縛られた身体に 力を込めると
パキパキッ――
きりやん
鎖が音を鳴らし始めた
きりやん
?
バキンッ――!
吸血鬼を縛っていた 金色の鎖は
音を立てて バラバラに弾け飛んだ
きりやん
?
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんがそう叫んだ途端――
ブワッ――!
二人の身体が神々しく輝いた
それはたったの一瞬の出来事で
二人はその場に佇んだ
?
きりやん
きりやん
?
?
きりやん
きりやん
?
?
?
?
きりやん
きりやんが聖職者であることは
金色の鎖――
神への誓い――
この二つの能力によって
証明されている
そしてそのきりやんの
聖なる血を飲んでおきながら
吸血鬼は消滅していない
彼が吸血鬼でないことも
証明されている
?
きりやん
きりやん
?
?
?
?
?
きりやん
きりやん
?
青い目の男は歩き出す
きりやんは仕方なく
彼について行った
町から離れて 山を登り始めた男に
きりやんは内心 げっそりしていた
きりやん
?
きりやん
きりやん
?
きりやん
山を登り始めて数十分――
ようやくひらけた場所に出た
きりやん
頭上に輝く月と 数多の星々が
草原を照らしていて
なんとも美しい景色だった
男はそのまま 草原を歩いて行ったため
きりやんもその後を追った
次第に周辺が僅かに
桃色に染められていく
足元を見やれば
桃色の花びらが散っていた
辿り着いたその先には
一本の大木が立っていた
きりやん
きりやんは その大木を見た瞬間――
男の真実に気が付いた
?
きんとき
きんとき
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
自らがどうして そこに居るのかも理解せず
そこに存在している
きりやん
それは何とも
面白い話ではないか――
この時きりやんは
きりやん
――そう、願ってしまった