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セオドア

フンッ!…フンッ!

セオドア

フンッ…!

ルドルフ

ルドルフ

あっ!

ルドルフ

セオドア様ー!

セオドア

ルドルフ

探しましたよ。

ルドルフ

まさか訓練所にいるなんて…

ルドルフ

剣のお稽古なら手伝いますよ?

セオドア

いい。

セオドア

お前は黙って見てろ。

ルドルフ

!…

ルドルフ

ルドルフ

…。

セオドア

フンッ!

セオドア

…らッ、はぁ、

セオドア

ふっ…!

セオドア

セオドア

がっ!?

ルドルフがセオドアの間合いに入り 剣を首元に向ける。

ルドルフ

ルドルフ

隙ありです。

ルドルフ

軌道が外れてますよ。

ルドルフ

もう少し上に振って、まっすぐ突かないと。

セオドア

っ…!

セオドア

ルドルフ

あれっ…?

ルドルフ

練習、やめちゃうんですか?

ルドルフ

今度はどこ行くんですか?

ルドルフ

ちょっと!

セオドア

うるさい。

ルドルフ

えっ…

ルドルフ

あっ、

ルドルフ

セオドア様!

ルドルフ

待ってください!

ルドルフ

セオドア様ーっ!

ルドルフ

ルドルフ

セオドア様、探しましたよっ。

ルドルフ

次はお勉強ですか?

セオドア

…別に。

セオドア

ここでは静かにしろ。

ルドルフ

あっ…はい!

セオドア

…。

セオドア

ちょんちょん、

セオドア

?…

ルドルフ

ふふ、

ルドルフ

本、逆さまですよ。

セオドア

!…

セオドア

ッ…。

ルドルフ

あとそれは旧版ですね。

ルドルフ

新版を読まなくて良いのですか?

ルドルフ

ルドルフ

…て、

ルドルフ

あれ?

ルドルフ

またいない!

ルドルフ

セオドア様ー!

セオドア

…。

セオドア

(うるさい…)

ねぇ聞いて?

セオドア様って いらっしゃるじゃない?

あの方、お父様の言うことをちっとも 聞かないそうよ。

やだ、それ本当?

セオドア

(やめろ…)

困るわね… 折角の跡取りがそんな方じゃ。

周りが折角 期待してるのにねぇ。

セオドア

(やめてくれ)

セオドアの奴、いつも 叱られてるよな。

セオドア

(もう聞きたくない!)

ベル様とも上手くいって ないらしいぞ。

ベル様と 上手くいかないなんて… やっぱりセオドアに何か 問題があるんだろうな。

セオドア

(なんで俺ばっかり)

セオドア

(こんな辛くならなければならないんだ…!)

そういえば、セオドア様の執事に ルドルフがついたらしいぞ。

えぇっ、ルドルフ!?

ルドルフ・セレナードだよ。

試験で1位だった、 セシル様のお気に入り!

セオドア

(嫌だ、)

セオドア

(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…!)

アイツがセオドアの執事?

もったいない…!

絶対アイツはセシル様の方が いいって!

ルドルフは優秀な若者だからな〜。

いつか、セオドアを出し抜いて セシル様の養子になったりして…。

セオドア

(もうやめてくれ…頼むから)

セオドア

(俺を1人にしてくれ!)

セオドア

はぁ…。

セオドアが部屋に戻り ソファに座る。

ルドルフ

セオドア様。

ルドルフ

あの、セオドア様…っ!

セオドア

うるさい、

セオドア

一人にしてくれって言っただろ。

ルドルフ

そ、

ルドルフ

そんな…。

ルドルフ

一人にはできませんよ。

ルドルフ

今のセオドア様は、とても苦しそうです。

ルドルフ

何があったんですか?

ルドルフ

僕に話したら楽になるかもしれませんよ?

セオドア

…。

ルドルフ

セオドア様…?

セオドア

誰が…

セオドア

セオドア

誰がお前なんかに話すかッ!!!

ルドルフ

!…

セオドア

お前はいいよな。

セオドア

いつも父さんに褒めてもらって、

セオドア

いい評価ばかり周りから出て、

セオドア

俺は息子なのに…補助官なのに!

セオドア

誰も俺を認めてくれない…。

セオドア

誰一人俺の味方をしてくれない!

ルドルフ

セ、セオドア様…落ち着いてください。

ルドルフ

大丈夫です。

ルドルフ

僕が味方だから、大丈夫ですよ。

セオドア

黙れ!

ルドルフ

!…

セオドア

もういい…。

セオドア

もう、疲れた…。

セオドア

お前が俺に変わってくれ。

ルドルフ

えっ、

セオドア

父さんの口癖なんだ。

セオドア

「子供が俺じゃなくて、ルドルフなら良かったのに」って…

セオドア

俺だってあんな親…ッ!

セオドア

あんな親に怯えて、馬鹿にされるなんてもう嫌だ!

セオドア

もう嫌なんだよ!!!

ルドルフ

っ…!

ルドルフ

「子供が俺じゃなくて、ルドルフなら良かったのに」…?

ルドルフ

セシル様…。

ルドルフ

そんなことをおっしゃっていたんですね…。

ルドルフ

うぐ…ッ!

セオドア

ルドルフ

うぷぷ…ッぐ、ぁ…!

ルドルフ

あぁあぁあ…!

セオドア

!?

セオドア

お、おい…!

セオドア

どうした!?

ルドルフ

し、は、吐く…吐きそう!!

ルドルフ

たすけ…て、あ…やば…

ルドルフ

うぷっ!

ルドルフ

うぷぷぷぷぷぷ!!

ルドルフ

ぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!

ルドルフ

セオドア

ル、

セオドア

ルドルフ、大丈夫か!

セオドア

しっかりしろ!

ルドルフ

あ、うぐ…

ルドルフ

はぁ、はぁ…はぁ。

ルドルフ

ルドルフ

はぁ…。

スッ (ルドルフが立ち上がる)

セオドア

お、おい…

セオドア

ルドルフ。

セオドア

大丈夫なのかっ?

ルドルフ

はぁ、はぁ…。

ルドルフ

はぁ…。

ルドルフ

ルドルフ

キッッッッモ!!

セオドア

!?

ルドルフ

何あのオッサン、息子に対してそんなこと言ってんの?

ルドルフ

完全にヤバイ奴じゃん…。

ルドルフ

衝撃の事実に思わず吐き気催したわ…。

セオドア

!?…え、

セオドア

???

ルドルフ

はぁ〜つっかれた。

ルドルフ

てか、お腹すいた。

ルドルフ

なんか食べ物…ん、ビスケットか。

ルドルフ

オレ、甘いもの苦手なんだよな〜。

ルドルフ

終わったらどっか肉でも食べに行くか。

セオドア

…ル

セオドア

ルドルフ…?

ルドルフ

ルドルフ

ん?

ルドルフ

なぁにセオドア?

セオドア

お前…ルドルフか?

セオドア

さっきまでと随分喋り方が違う気がするんだが…。

ルドルフ

あー。

ルドルフ

気にしないで

ルドルフ

これが素だから。

セオドア

!…

ルドルフ

悪く思うなよ。

ルドルフ

あのオッサンに媚び売るにはああいうキャラを演じるするのが1番良いんだ。

きゅるん

ルドルフ

「ぼ、僕みたいな…。」

ルドルフ

「わんこで、」

ルドルフ

「かわいくて、」

ルドルフ

「お目目とぅるとぅるなピュアな男の子、ルドルフが、セシル様のお気に入りなんですよね…。」

セオドア

!…。

ルドルフ

「でも…」

ルドルフ

スッ…

ルドルフ

セオドアには(地声)、

ルドルフ

素で対応した方が良さそうだと思って、やめた。

ルドルフ

というわけで、

ルドルフ

今のオレが、本当のルドルフ・セレナードだ。

ルドルフ

改めてよろしくね、セオドア。

セオドア

…。

本性を露わにするルドルフに セオドアが口をあんぐりとあける。

ルドルフ

はぁ〜ひさびさの素が出せてスッキリしたわ。

ルドルフ

本当に長い芝居だったよー。

ルドルフ

ルドルフ

俺の演技でメロメロになっていくオッサンを見てるのは面白かったけど

ルドルフ

どうせメロメロにさせるのなら、可愛い女の子が1番だよな〜。

ルドルフ

「セシル様、尊敬します!」

ルドルフ

「僕っ、ずっと貴方に憧れたんです…。」

ルドルフ

なんて

ルドルフ

全く思ってないセリフを何度も言うのはもうこりごり!

ルドルフ

息子になるなんて死んでも嫌だね!

ルドルフ

ハハハハハハハハハッwwww

セオドア

…。

ルドルフ

ルドルフ

あれ…?

ルドルフ

どうしたの?黙っちゃって…。

セオドア

!…

ルドルフ

そんなに威嚇しないでよ〜。

ルドルフ

何お前、

ルドルフ

もしかして…

ルドルフ

ルドルフ

お前もセシル様みたいに「しゅきしゅき♡だいしゅきっ♡」ってオレに言って欲しかったの?

セオドア

セオドア

そんなわけあるかッ!気持ち悪い!

ルドルフ

あはははははははwwww

ルドルフ

ルドルフ

はぁ…

ルドルフ

にしても、よかった。

セオドア

…?

ルドルフ

お前、やっぱりオッサンのこと嫌いなんだな。

セオドア

セオドア

…そ、そりゃそうだろ。

セオドア

褒めてくれないんだから。

ルドルフ

だな。

ルドルフ

オレもセシルのオッサン嫌いだわ。

ルドルフ

ルドルフ

お前のこと、ずっとかわいそうだと思ってた。

セオドア

!…

ルドルフ

オレのせいで酷いことも沢山言われてきたんだろ?…ごめんな。

ルドルフ

辛かったよな。

ルドルフ

ひとりぼっちで、よくオレが来るまで頑張ったと思うわ。

セオドア

…別に頑張ってなんか。

ルドルフ

頑張ってるよ、お前は。

ルドルフ

ちゃーんと、頑張ってる。

セオドア

!…

ルドルフ

ルドルフ

だから、もう大丈夫だ。

ルドルフ

これからは、オレがお前の味方になって、嫁さんもオッサンも蹴飛ばしてやるよ。

セオドア

…。

セオドア

できるのか…そんなこと。

ルドルフ

もちろん。フッ

ルドルフ

オレに任せとけ。

ルドルフ

責任は全部オレがとる。

ルドルフ

お前が悲しむのはもう終わりだ。

ルドルフ

オレと一緒にアイツらをぎゃふんと言わせてやろうぜ。

セオドア

ルドルフ…。

セオドア

セオドア

ありがとう…。

ルドルフ

ん。

ルドルフ

ルドルフ

ふっ…ww

ルドルフ

泣くな、お前w

セオドア

ッ、

セオドア

泣いてない。

セオドア

…見るな。

ルドルフ

くふふ…ww

ルドルフ

ごめんごめん。

ルドルフ

そうだな、泣いてないな。

セオドア

ん…。

ルドルフ

じゃあ、

ルドルフ

早速、目標たてようぜ。

セオドア

セオドア

目標?

ルドルフ

お前が幸せになるための目標をオレらで考えるんだ。

ルドルフ

まず、オレがお前の嫁さん…名前なんだっけ?

セオドア

ベルだ。

ルドルフ

そうそう、ベルちゃん。

ルドルフ

その女を社会的にボコボコにする。

セオドア

!?

セオドア

お前、無茶は駄目だぞ。

ルドルフ

全然無茶じゃないよ。

ルドルフ

よーく考えてみ?

ルドルフ

あの女はお前の妻であることをいいことに、金を貰っている。

ルドルフ

だから、あいつを陥れるには

ルドルフ

セシルのオッサンの優先順位を落とす“だけ”でいいんだ。

セオドア

それは…

セオドア

つまりどうことだ?

ルドルフ

「この女には金を渡しても意味がない、役に立たない。」

ルドルフ

「“こっちの女”の方が跡継ぎを産んでくれるはずだ」

ルドルフ

つまり、アイツを側室に降格させるってわけさ。

ルドルフ

そうすれば、向こうが何か言ってこようとも「たかが側室」だと一蹴できる。

セオドア

なるほど…。

ルドルフ

長い道のりではあると思うが、

ルドルフ

それがはじめの目標かな。

ルドルフ

あの女、そろそろ何かやらかす気がするんだよね。

ルドルフ

様子を見てから行動するのがベストかもしれねぇ。

ルドルフ

まずはこっちが無能なふりをして、向こうが揚げ足を取る隙を伺おうぜ。

セオドア

分かった。

ルドルフ

うん。

ルドルフ

成功したら、今度こそ可愛い嫁さん探そうぜ。

ルドルフ

ルドルフ

?、

セオドア

…。

ルドルフ

どうした?セオドア。

セオドア

…。

セオドア

…お前、なんか楽しそうだな。

ルドルフ

えっ、

ルドルフ

うん、楽しいよ?…悪い?

セオドア

いや、悪くはないが…

セオドア

自分の人生じゃないのに、なんでそこまで一生懸命なんだろうって思っただけだ。

ルドルフ

!…

ルドルフ

お前を助けることがオレの使命なんだよ、セオドア。ニコッ

セオドア

?…

ルドルフ

ルドルフ

実はさ

ルドルフ

オレは“ある人”からお前を守ることを託されてここに来たんだ。

セオドア

ルドルフ

誰とは言えない。

ルドルフ

だが、

ルドルフ

とてもいい人達だった。

ルドルフ

穏やかで、あったかくて…

ルドルフ

あの人達との生活は、オレにとって幸せだった…。

セオドア

…。

ルドルフ

その人達がさ、お前のことを言ったたんだよ。

ルドルフ

「セオドアを助けろ」ってな。

ルドルフ

だからオレはお前を助けに来た。

ルドルフ

そのためだけにオッサンに媚を売り続けた。

セオドア

!…

ルドルフ

あ、あと…

ルドルフ

ついでにオレがルシタスに来た理由も話しとくか。

セオドア

ルドルフ

オレがルシタス城に来た理由…

ルドルフ

それは…。

ルドルフ

ルドルフ

ふっ、

ルドルフ

可愛い女の子とデートしたかったから。ニコッ

セオドア

!?

ルドルフ

いや〜、船の中は男ばっかりで本当に退屈だったんだよ。

ルドルフ

それがさぁ、今やお城だぜ!

ルドルフ

可愛い女の子がいっぱい…っ。

ルドルフ

は〜♡

ルドルフ

見てるだけで幸せだわ〜♡

セオドア

セオドア

お前な……。

ルドルフ

さて、

ルドルフ

目標の話はこの辺にして

ルドルフ

オレはこれから調べ物してくるから。

ルドルフ

お前はそこの薬を飲んで寝てろ。

セオドア

!…

セオドア

薬…?

ルドルフ

体調悪そうだったから、用意しといた。

ルドルフ

お茶は熱い奴だから、火傷しないよう気をつけて。

ルドルフ

布団も熱毛布であっためといたからはやく寝ろよ。

セオドア

お、おい!

バタンッ!

セオドア

っ、

セオドア

…なんなんだよ、アイツ…。

セオドア

(猫被りで、俺のことも様付けしないで呼び捨てだし、頼んでないのに勝手行動するし…)

セオドア

(なんて執事らしくない奴だ)

セオドア

セオドア

…まぁ、でも。

チラッ (薬とお茶の入ったカップを見る)

セオドア

前の執事よりちゃんと仕事してるから、よしとするか…。

ルドルフ

…。

ルドルフ

さて、

ルドルフ

こっからはお楽しみの時間だな。

ルドルフ

シゼ

♫〜

シゼ

(マリア様宛に男性から手紙が届いた〜。)

シゼ

(はやくマリア様に見せないと!)

ルドルフ

…。

ルドルフ

見つけた。

ピラッ (手に持っていた紙をめくる)

ルドルフ

ルドルフ

なるほどねぇ…。

ルドルフ

あの子、

ルドルフ

“一年だけ行方不明”になってるのか…

ルドルフ

面白い。

ルドルフ

手出す前にもうちょこっと調べてみるか。

第4話 おわり

とある物書きの挑戦譚 【第三期】

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