緋弥
(やっぱ慣れねぇな……)
緋弥
(補聴器付けても、少ししか聞こえねぇし……)
緋弥
(まぁ、いっか……)
莉子
ねぇ緋弥ちゃん!
緋弥
?
莉子
あ、そっか聞こえないんだったね!
緋弥
いや補聴器付けてるから少しは聞こえるぞ
莉子
あ、そうなの!?
緋弥
おう
莉子
そっか〜!じゃ、またね!
緋弥
???
緋弥
(一体なんだったんだあいつ……)
莉子
ねぇ、少しは聞こえるんだって
緋弥
ん?
美月
え〜?マジで?w
莉子
マジマジ
緋弥
(私の事か?)
緋弥
(つーか、あいつら私に気づいてねぇよな……)
緋弥
(近くにいるけど、話に夢中で気づいてないんだな)
緋弥
(話しかけてみるか、いい奴そうだったし)
緋弥
おーi
美月
じゃあ緋弥の嫌いなとこ言っていこ〜w
緋弥
えっ………
莉子
いいね〜それw
美月
緋弥居ないし良くね?w
莉子
最高〜w
緋弥
………………
緋弥
(………なんで私隠れてんだよ……)
緋弥
(なんでだよ……っ!)
緋弥
(どうしてだ……っ)
緋弥
(私、悪い事したか……?)
緋弥
(あいつらに嫌な事したか……?)
緋弥
………………………………
緋弥
(もういい……)
緋弥
スッ……(補聴器を外す
緋弥
ごめんな……玲真………
莉子
?なんか今声しなかった?
美月
気のせいじゃない?
莉子
それもそっか!
莉子
いや〜にしても緋弥って、マジでうざいよね〜w
美月
分かるわ〜w
緋弥
………………
緋弥
(何も聞こえねぇ……)
緋弥
(こっちの方が楽だな……)
緋弥
(……嫌われる事ぐらい、全員あるのに………)
緋弥
(どうしてだ……)
緋弥
(なんでこんなに、傷ついているんだ……)
緋弥
(どうして……っ!)
緋弥
………………タッタッタッ
緋弥
………………………………
緋弥
(あぁ、何も聞こえねぇ)
緋弥
(自分の息すら聞こえねぇ)
緋弥
(……楽だ)
緋弥
(もう、何も聞きたくねぇ)
緋弥
(もう、誰の声も……)
緋弥
(何も………)
緋弥
っ………………
緋弥
(補聴器、捨てれねぇな……)
緋弥
(もう付けねぇって決めたのに……)
緋弥
みんな……
緋弥
ごめんな……こんな私で………
翌日
緋弥
!
緋弥
(もう朝なのか……)
緋弥
(……寝れなかったな)
緋弥
今日は行かねぇ
玲真
えっ?
緋弥
私に関わらないでくれ
玲真
待って緋弥!昨日から様子変だよ?
玲真
昨日、夕飯もろくに食べてないし……
緋弥
うるせぇ
緋弥
私に関わるなって言ってるだろ
緋弥
関わらないでくれよ
玲真
えっ
緋弥
………………
緋弥
ごめんな……玲真………
緋弥
ごめん…ごめん……っ!
緋弥
こんな私でごめん……!ポロポロ
優璃葉
ていうか、あんなやり方でいいの?
緋璃
お前も人のこと言えねぇだろ
優璃葉
う、うるさいな!
緋璃
あれでいいんだよ
緋璃
運命の人は、すぐそこに居るからな
優璃葉
……確かにね
優璃葉
でも、あんなに闇に落としたらさすがのあの人でも光に出すのはできないんじゃ……
緋璃
大丈夫だ
緋璃
あいつは気づいてないだけで、運命の人を待っているからな
緋弥
………………
緋弥
……ん?
緋弥
(真輝……?)
緋弥
なんだよ
真輝
あ、いや大丈夫かなって思ったから
緋弥
私に関わるな
真輝
えっ、なんで?
緋弥
私は嫌われてんだ
緋弥
お前も本当は私の事嫌いなんだろ?
真輝
そんな事ないよ!
緋弥
悪いけど、私はお前を信じられない
緋弥
いや、誰も信じられない
緋弥
分かったら放っといてくれ
緋弥
………………
緋弥
関わるなって言ってるだろ……
緋弥
なんでそんな優しくすんだよ……
緋弥
どうして……っ
緋弥
………………ポロポロ