君に届け、恋の唄。

頭上から声がしたから振り向いた。

そう、君の事が

大好き

なんだから。

太緒は急に困った顔になった。

太緒は教室から出ていった。

山崎 唄〈やまざき うた〉 高校１年

歌うことが大好き。

七瀬 太緒〈ななせ たお〉とは高校で席が近くて仲良くなった

私は太緒に優しくされるごとに

好きになっていった。

だから君に伝えようと思う。

君に届け。

私は君が好き。

それなのに、

俺はこれから

唄とその彼氏を

遠くから見なければならないのだろうか？

俺は

失恋

しなければいけないのだろうか

あぁ、そんなの

悔しくて、たえられない。

泣いて終わりたくなんかない。

泣くなら

唄に

フラれてからがいい。

文化祭当日

唄はマイクを持った。

♪～

嬉しくてつい涙が溢れて止まらなかった。

太緒は私を強く抱きしめた。

太緒は星空の下、

私に

甘いキスを落とした。

太緒は赤い顔を手で隠しながら

優しく微笑んだ。

私も君に優しく微笑んだ。

あぁ、良かった。

君に届いて、

私にも届いた。

どうぞこれからも

末長くよろしく

お願いします。

ーENDー