︎︎︎︎❤︎短編集︎︎︎︎❤︎

※付き合ってない

6人が集まって ひとつの机を囲む

横から 斜めから きりやんに視線が向いた

いつもより声のトーンが低くて 緊張してるのが伝わる

賑わいはあっという間に薄れ 沈んだ空気が漂う

まぁ…黙るってことは そうなんだろうが…

焦りからか､ きりやんの声が裏返る

言葉に詰まりながらも

ゆっくり… 息を吐いて続ける

柔らかく微笑んで 真っ直ぐな瞳が鈍色に輝く

スローモーションのように

口が動く

彼は俯いてしまい 自身の袖をぎゅっと握る

怖がらせてしまっただろうか…

なんでなの？

きりやん……

…いやだ

気づけば 思いが溢れていた

必死に涙を抑えて 誤魔化して

醜い言葉を連ねていく

人の声を拒絶して

一方的に。

ﾊﾞｼｯｯ

若干掠れたダミ声に 歪んだ表情

彼から痛みが躊躇なく注がれる

…俺のせいだ

なにを言いかけたの…？

放心している間に みんなが対応していた

彼らに

大切な仲間に

客観視してもらえると

本当にそんな気がしてくる

俺…最近変だもん…

さも当たり前かのように 呆れた表情で目を合わせてくる

図星だった

俺はすまいるが好きなんだ。

ばれてたか…w

優しいなぁ…

……でも

きんときは首を傾げて 手を口元に当てて考える素振りを見せる

握っていた手首を離し すまいるに向かって背中を押す

2人なら

きっと大丈夫

2人きり

なにかを言おうと 適当に話題を出す

やらかしちまった…

今の今までずっと心に留めておいたのに

もう全部

終わりだ…

自然と涙が零れてくる

当たり前だろ

愛しい人に

直接嫌いなんて言われたら

つれぇよ…。

潤う視界の中 黄色の瞳が震えているのがわかる

しばらく黙っていたきりやんが 小さく、弱々しく呟く

きりやんが勢いよく飛びついてきて

背中に手が回される

そして耳元で…

アピールしてたのに嫌がられてたのって…

照れ隠しだったのか…？

抱きつかれたまま 彼の背中に手を添えて囁く

こいつ…

勘づいてやがる

きりやんの手を握り 指を絡めて見せる