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1つのオルゴール

トーマ隊長

ヤバイよヤバイよ!

ルミ隊員

どうしたんです?出川哲朗さんのパクリですか?

トーマ隊長

いや、本当にヤバイ事になってるんだよ!

セイジ隊員

確かに、まずいですよね。

ココア隊員

そうよ。もしかしたら戦争になるかも知れないし。

ルミ隊員

え?さっき、なんて言いましたか?

ココア隊員

戦争になるかも知れないし・・・

ルミ隊員

えっ?せ、戦争?
えええぇぇっ!!!

トーマ隊長

おいおい、新聞を読まなかったのか?

ルミ隊員

・・・四コマ漫画だけ読んで来ました。

セイジ隊員

それは読んでると言えないですね。

ルミ隊員

それはいいとして、戦争の話を詳しく!

ココア隊員

分かったわ。

・・・ピパロン王はピアノン王に会いに行ったの。まあ、経済の話とか、たわいもない話をしていたらしいけど・・・その後が問題なのよ。
ピパロン王が足を滑らせて転んだみたい。それで、机にぶつかった拍子に近くにあったピアノン王国に代々伝わるオルゴールが机から落ちたらしくて。
その結果、オルゴールは壊れてしまったのよ。

ルミ隊員

あのー。なんでオルゴール1つで戦争になりそうなんですか?

セイジ隊員

初代ピアノン王が作らせたとされるオルゴールなんですよ。
そのため、まあ、ピアノン王は怒りますよね。

ルミ隊員

でも、2人は兄弟と聞いているんですけど。

トーマ隊長

そんな社会、甘く無いぞ。
兄弟だからって特別扱い出来るか?

ココア隊員

ピアノン王は、「これは兄弟だからと無視出来ない。これは戦争だぁ!」・・・と。

ルミ隊員

戦争するんですか?

セイジ隊員

いや、まだ決まってはいませんよ。

ココア隊員

・・・だとしても、両国の友好関係にひびがはいるわ。

ルミ隊員

そんなこと、和解させたらいいだけじゃないですか。

和解方法とは

セイジ隊員

え?和解?そんなの出来るんですか!?

ココア隊員

いいアイデアがあるの?

トーマ隊長

そうだぞ!和解されないと戦争になって警備隊も大変なんだよ〜!

ルミ隊員

それは・・・

トーマ隊長

それは?

ルミ隊員

考えてない☆

ズコーっ☆

セイジ隊員

期待を裏切らないで下さいよー。

ココア隊員

まあ、そうですよね。和解なんて私たちじゃ、どうにも・・・

トーマ隊長

なるぞ。

ココア隊員

えっ?

トーマ隊長

ほら、ルミ隊員の頼れるあのお姉さん♥

ルミ隊員

ルナ姉の事ですか?

ルナ隊長

ルミちゃん、やっほー♪
皆さんこんにちは♪

セイジ隊員

え!?どうやって来たんですか?飛行機はもう、ピパロン王国行きの便はなくなったはずですけど。

ルミ隊員

ええっ!そうだったんですか!?
私たち、ピアノン王国へ行く時魔法の絨毯で行ったんですけど。

トーマ隊長

それは飛行機で行った所でお金がかかるからだろ?

ルミ隊員

・・・

ルナ隊長

自家用ジェットで極秘にここまで来たのよ♪

ココア隊員

自家用ジェット!何で極秘で来たんですか?

ルナ隊長

1番の理由はルミちゃんの事が気になるっていうことだけど・・・和解させたいの、あの2人を。

セイジ隊員

流石姉妹!考えていることも一緒ですね〜!

ルナ隊長

勿論よ♪

ルミ隊員

う〜ん。そうですかねぇ?

ルナ隊長

あっ、そういえば、これは極秘だから滞在時間は2時間程しか無いのよ。

ココア隊員

じゃあ早めに策を打たなきゃありませんね。

トーマ隊長

あの〜。ルナ隊長。うま〜くピアノン王を説得してくれませんか?

ルナ隊長

勿論。

ルミ隊員

じゃあ、ピパロン王の説得は誰がするんですか?

セイジ隊員

トーマ隊長でいいんじゃありませんか?

ココア隊員

トーマ隊長で大丈夫そう。

ルナ隊長

トーマ隊長で問題ない思うけど。

ルミ隊員

満場一致でトーマ隊長で〜。

トーマ隊長

なんでだよっ!

ルナ隊長

じゃあ、話は決定したということで、わたしは行くわ♪

トーマ隊長

あっ、ちょ・・・

セイジ隊員

頑張って下さーい。トーマ隊長も頑張ってくださいよ。

ルナ隊長

ではごきげんよう。

バタン

仲違い

ルナ隊長

よーし、空港にも着いたし、あとちょっとの時間ゆっくりしよっと。

ルミ隊員

ルナ姉・・・ちゃんと説得お願いしますね!

ルナ隊長

ルミちゃんったら〜。
あ、この後どこ行くの?

ルミ隊員

え、スーパーですけど。

ルナ隊長

あらそう。じゃあ、メモとペンあげるから。

ルミ隊員

いやいや、そこまでしなくても。

ルナ隊長

だってルミちゃん物忘れしやすいじゃない。あ、ペンじゃなくて鉛筆の方が良かった?だったら消しゴムもあげるけど。

ルミ隊員

別にいりません!だいたい、そんな事自分でしますし。
私をなんだと思ってるんですか?

ルナ隊長

え?可愛い妹。

ルミ隊員

もう〜。そういう考え方が恥ずかしいんですって!あとルミちゃん呼びもやめてもらいます?

ルナ隊長

・・・なによ。

ルミ隊員

お願いしますって!

ルナ隊長

そういうことじゃないわよ!
こっちはルミちゃんを可愛がっているのに!その上、私の家にも来ない!

ルミ隊員

それは無関係・・・

ルナ隊長

ルミちゃんには楽しく自由に過ごして欲しかった!だから、ピパロン王国に行ったのも許した。なのに・・・

ルミ隊員

今でも楽しく過ごしてます!ルナ姉がいなくても大丈夫なんです!怒るものなら受けて立ちます!

ルナ隊長

分かったわ。じゃあ、今回の戦争で勝った方は願いを叶えてあげる。負けたら、私の願いを叶えて頂戴!

ルミ隊員

約束ですよ。これは勝負です!

ピンポンパンポーン♪ 「ルナ隊長、ピアノン王国行きの出発準備ができました。急いでご乗車願います。」

ルナ隊長

ふん!

最後の希望

ルミ隊員

・・・ふん。

トーマ隊長

あ、おかえり。所でどうしたんだ?しかめっ面なんかして。

ルミ隊員

かくがくしかじかで・・・

トーマ隊長

おお〜。喧嘩か〜。

セイジ隊員

それはまずいですね。

トーマ隊長

セイジ隊員も聞いていたのか。

セイジ隊員

ルナ隊長は戦争を前提として願いを叶えてあげると話したんですよね?だとすると、戦争をしたい人が説得しますか?

ルミ隊員

・・・しないですよね。

トーマ隊長

どうするんだよ〜!
これじゃあ和解出来ないじゃないか。

ルミ隊員

すみませんっ!
なのでトーマ隊長。

トーマ隊長

え?なんで俺の話?

セイジ隊員

すっとぼけないで下さいよ。ピパロン王の説得はトーマ隊長がするって話じゃないですか。

トーマ隊長

あああーっ!やっぱり誤魔化せなかったかぁ。
カリー長官じゃ、ダメなのか?

ルナ隊長

いやあ、別に問題ないと思いますが。

セイジ隊員

ただ、真面目な人なんで、そんなの不可能だと思うかもしれませんけど。

カリー長官

何の話をしているんだ?声が大きいぞ。

トーマ隊長

あのっ!カリー長官!かくがくしかじかで!

カリー長官

まあ、それが実現出来たらいいのだが、あの状態じゃ説得なんて効かないぞ。

ルミ隊員

ちなみに、ピパロン王はどんな感じですか?

カリー長官

想像どうりだ。私もどう接したらいいのか分からない。

セイジ隊員

そうですか。教えて頂きありがとうございます。
って、ことでトーマ隊長は最後の希望なんですよ。

ルミ隊員

うっ、・・ううっ・・・ほ、本当隊長と会えて良かったです・・・ヒック・・・

トーマ隊長

なんでお別れ風に喋るんだよっ!

ココア隊員

だっ、だって、トーマ隊長には色々お世話になってるから・・・ヒック・・・うぅ。

トーマ隊長

みんなそんな風に思ってくれて・・・

ココア隊員

まあ、正確に言えば、そんなに思ってませんけど。

トーマ隊長

ガーン

セイジ隊員

まあまあ、そんな事は気にしないで、説得に行ってみては?

トーマ隊長

あ、えと、あのー。後で!

ココア隊員

・・・もしかしたら説得に行けないかもしれませんね。

奇跡の散歩

トーマ隊長

勝手に説得と決めつけて・・・

「あら、トーマさん。こんな所で会うなんて奇遇ですね。」

トーマ隊長

!?

ネル王妃

トーマさんもお散歩?

トーマ隊長

いや、あ、そ、その・・・

ネル王妃

・・・ピパロン王とピアノン王を和解せたいんじゃありませんか?

トーマ隊長

ギクッ!
何でそれが分かるんですか?

ネル王妃

あら、図星?
当てずっぽうだったのだけれど。

トーマ隊長

そうなんですよ。和解させようと思ってまして。戦争されるとちょっと大変なんで。

ネル王妃

それは私も同じ考え。そうだ。一緒に和解させに行きません?

トーマ隊長

そんな簡単に出来ませんよ。

ネル王妃

私は王妃だからなんとかなるわ。どう?

トーマ隊長

(よし。これで俺が説得しなくても大丈夫!)

ネル王妃

あっ!タクシーっ!こっちこっち!

無計画

トーマ隊長

とりあえずピパロン王の部屋まで来たものの・・・何をするんですか?

ネル王妃

トーマ隊長がピパロン王を説得するんでしょ?

トーマ隊長

えっ?ネル王妃が説得して下さるのではないのですか?

ネル王妃

大丈夫よ!きっとトーマ隊長ならできるわ。私は脇で応援してるから。

トーマ隊長

ど、どうしよう、なんにも考えてないよ~

トーマの説得

ガチャ

トーマ隊長

あ。

ピパロン王

むむ、君はトーマ隊長ではないかな?おお、ネル王妃も一緒か。

ネル王妃

今日はね、トーマ隊長がどうしても話したいことがあるって言うで、一緒にきたの。ね、トーマ隊長。

トーマ隊長

はっ、あ、いや、その・・・

ピパロン王

何かな?知ってのとおりピアノン王国との戦争の準備で忙しいのだ。手短にお願いするよ。

トーマ隊長

実は・・・お願いが・・・

ピパロン王

ピアノン王国との戦争をやめて欲しいというのなら、それは出来ん!

トーマ隊長

え、えええっ!それはどうしてですか!

ピパロン王

そもそも戦争だ!といいだしたのはピアノン王だからな。アイツがあんなに心の狭い奴だとは思わなかった。ここで目にものを見せてやるのだ!

ネル王妃

まあまあ、そんなに怒らなくても。兄弟喧嘩はよくありませんよ。ねえ、トーマ隊長。

トーマ隊長

そ、そ、そうですよ。
戦争反対!LOVE AND PEACE・・・って、何言ってるんだ、俺は・・・

ピパロン王

ふむ、トーマ隊長とネル王妃がそこまでいうなら戦争はやめても良いが。

トーマ隊長

本当ですか?

ピパロン王

ピアノン王が、引き下がるとは思えんしなあ。

ネル王妃の作戦

ルナ隊長

こんにちは、ピパロン王。ご機嫌いかがですか?

ピパロン王

おお、これはルナ隊長ではないか。機嫌は悪いぞ、君の国王のせいでな。

トーマ隊長

あれ?お姉さん?喧嘩別れしたって???

ルナ隊長

フフフ、ネル王妃、例のものをお持ちしました。

ネル王妃

あらー、早いわねー。さすがルナ隊長は優秀ね。

トーマ隊長

なんか、俺が優秀じゃないみたい・・・

ルナ隊長

いえ、私ではなく、オルゴール職人のサルサさんが優秀なんですよ。

ピパロン王

おお、これはオルゴールではないか!もしかしてこれは・・・

ネル王妃

そう、私がルナ隊長に頼んで、ピアノン王国に代々伝わるオルゴールと同じものを作ってもらったの。早速、聴いて見ましょう。

ピロロン♪パロロン♪ピロパロロン♪

ピパロン王

むむ、これは正しくピアノン王国に代々伝わるオルゴールの音色。サルサの仕事は超一流だな。

ネル王妃

さあさあ、これをピアノン王に送って許して貰いましょう。

ピパロン王

なんだと!あの頑固者になんでワシが謝らないといけないのだ!

トーマ隊長

ピパロン王、お、お願いします!LOVE AND PEACEでいきましょう!

ルナ隊長

きっと、ピアノン王も意地を張ってるだけで仲直りしたいと思ってますよ。

ネル王妃

そうそう、誰かさんと一緒。

ピパロン王

ふむ、うーん・・・わかった。手紙を書こう。でもあの頑固者はわかってくれるかのう。

ルナ隊長

後はこのルナにお任せ下さい。このオルゴールと手紙があればきっとうまくいきますわ。

ネル王妃

頼みますよ、ルナ隊長。

トーマ隊長

(ふう・・・なんか上手くいったみたい。)

いつもの警備隊

トーマ隊長

・・・と、言う訳で、このトーマ隊長の活躍で、ピパロン王国の平和が守られたのだ。

ルミ隊員

どう聞いてもネル王妃の機転のおかげですよね。

ココア隊員

それに怒って帰ったはずのルナお姉様が頑張ったということですね。

トーマ隊長

怒って帰って来ただけの妹とは大違いだな。

ルミ隊員

ふん、パトロールに行きますよ!早くして下さい。

セイジ隊員

なんか、この感じ、いつもの平和な警備隊が戻ってきましたね。

ココア隊員

そうね。またいつものゆるい日々が始まったのね・・・

ピパロン王国警備隊

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