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青side

さとにぃッッ!!

ジェルにぃの焦ったような声が中庭に響く。

僕も慌てて駆け寄れば

ヒュッ...ハァッ...ヒュッヒュッ......

顔を真っ赤にして苦しそうに息をしているさとにぃ。

さとにぃッッ!!しっかりしてッ!!

声をかけてもさとにぃは苦しそうに息をするだけ。

終いには、目を瞑ってしまいそうだった。

ッッ!!すぐ部屋に運んでッ!!

るぅとッ!主治医に電話ッ!

はいッ!

ころんッ!莉犬ッ!メイド、執事、父上に連絡!!

はいッ!

りょーかいッ!

ジェルッ!すぐ部屋にッ!

はいッ!

ななにぃに指示をされたとうりにみんな働く。

ななにぃがあんなに焦っているのを久しぶりに見た気がする。

それほど緊急事態なのだろうか。

そう思うと僕の鼓動も緊張も速くなっていった。

連絡すべき人達に連絡をし終え、僕達は走ってさとにぃの部屋へ向かった。

向かう途中、何度もつまずきながらもなんとかたどり着いた。

僕達は緊張で震える手で扉に手をかける。

ガラッ

さとにぃッ!!

ぁ、ころちゃん...莉犬くん...連絡ありがとう。

ううん。全然いいよ。

さとにぃは...?どうだって...?

命に別状はないって。

よかったぁ.........

ホントによかった......

僕達はその言葉に安心したようにその場に崩れこむ。

ただ、無理をしすぎると命が危ないだろうって。先生が。

一緒に任務も当分行けないみたいです。

..........そっか。

...でもしょうがないよね...。

僕は沢山の管に繋がれたさとにぃに目をやる。

昔元気いっぱいだった頃のさとにぃと違って

今のさとにぃはすぐにでも消えてしまいそうなほど儚くみえた。

桃side

眩しい朝日で目を覚ました。

ゆっくり膜を開けば__

隣には点滴といういつもの光景。

(...また迷惑かけたんだな...)

自分の体の弱さに苛立ちを覚える。

コホコホッ...コホコホッ...

しかし、とんだけ憎んだって体の弱さは変わらない。

今だって1度でた咳は止まることを知らなかった。

......でも、今日くらいは......コホコホッ...(ボソッ

......確か今日は、弟達は学校での全校校外学習日のはずだ。

俺の熱が下がりきってない。なんて言えば間違いなくなーくんは休むだろう。

しかし、今日の校外学習を1番楽しみにしていたのもなーくんだ。

もう動けなくなってもいい。

今まで俺の体調のせいで弟達の楽しみをたくさん奪ってきた。

これ以上弟達の楽しみを奪いたくない。

頑張れ。さとみ。

俺は隠すことを決めた。

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コメント

1

ユーザー

めちゃくちゃ良かったです続き楽しみにしてます!

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