青side
橙
ジェルにぃの焦ったような声が中庭に響く。
僕も慌てて駆け寄れば
桃
顔を真っ赤にして苦しそうに息をしているさとにぃ。
青
声をかけてもさとにぃは苦しそうに息をするだけ。
終いには、目を瞑ってしまいそうだった。
紫
紫
黄
紫
青
赤
紫
橙
ななにぃに指示をされたとうりにみんな働く。
ななにぃがあんなに焦っているのを久しぶりに見た気がする。
それほど緊急事態なのだろうか。
そう思うと僕の鼓動も緊張も速くなっていった。
連絡すべき人達に連絡をし終え、僕達は走ってさとにぃの部屋へ向かった。
向かう途中、何度もつまずきながらもなんとかたどり着いた。
僕達は緊張で震える手で扉に手をかける。
ガラッ
青
紫
赤
青
紫
青
赤
僕達はその言葉に安心したようにその場に崩れこむ。
橙
黄
青
赤
僕は沢山の管に繋がれたさとにぃに目をやる。
昔元気いっぱいだった頃のさとにぃと違って
今のさとにぃはすぐにでも消えてしまいそうなほど儚くみえた。
桃side
眩しい朝日で目を覚ました。
ゆっくり膜を開けば__
隣には点滴といういつもの光景。
桃
自分の体の弱さに苛立ちを覚える。
桃
しかし、とんだけ憎んだって体の弱さは変わらない。
今だって1度でた咳は止まることを知らなかった。
桃
......確か今日は、弟達は学校での全校校外学習日のはずだ。
俺の熱が下がりきってない。なんて言えば間違いなくなーくんは休むだろう。
しかし、今日の校外学習を1番楽しみにしていたのもなーくんだ。
もう動けなくなってもいい。
今まで俺の体調のせいで弟達の楽しみをたくさん奪ってきた。
これ以上弟達の楽しみを奪いたくない。
頑張れ。さとみ。
俺は隠すことを決めた。
コメント
1件
めちゃくちゃ良かったです続き楽しみにしてます!