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数分前

梅宮

お前…ずいぶん速くなったな…!

鈴蘭

そう言う梅は変わんないね

梅宮

はっ、嫌な事言うよ

実際、鈴はとても動きが速くなった

俺はそれについていけてる…と思う

でもなぜかさっきから鈴の様子がおかしい

どこかぼーっとしているようだ

試しに少し言ってみることにした

梅宮

お前、母さんと父さんの墓参りは行ってんのか?

鈴蘭

…なに今更

梅宮

気になったから聞いてるだけだ

鈴蘭

……行ってない

梅宮

どうして?

鈴蘭

関係ないでしょそんなの

梅宮

関係あるよ

鈴蘭

…うっさいな

梅宮

何に怒ってんだ?

鈴蘭

……

梅宮

言えないのか?さっきまで話してたのに?

鈴蘭

うるさいって言ってんの…!!

少し動きが鈍る

梅宮

俺はあの後どうなったか知らない

梅宮

だから今何がお前を怒らせてるのかわかんねぇんだ

鈴蘭

…梅に何の関係があるの

梅宮

お前の幼馴染だからな

鈴蘭

私の家族は、梅と何も関係ないっ!

鈴蘭

みんなそうやっていつもいつもうるさいんだよ…!

梅宮

鈴蘭

名前呼ばないで…っ!!

明らかに様子がおかしい

攻撃もしなくなってきた

鈴はずっと何かを呟いていた

鈴蘭

こうなるんだったら、はじめから関わるんじゃなかった…

微かに聞こえた言葉だった

梅宮

おい

それは俺が聞きたくない言葉だ

鈴蘭

なに、今度はそっちが怒ったの

梅宮

関わるんじゃなかったってなんだよ

鈴蘭

梅宮

お前、柊と約束しただろ

鈴蘭

は…?何を言って…

梅宮

お前は約束したはずだ

梅宮

「お互いのことだけは信じ合う」って言ってただろ…!!

俺がそう言うと、鈴は目を見開いた

鈴、約束しよう

指切りな

わたしにそんな事言った人なんていない

これからはずっと一緒だ

そんな優しい言葉をかけられたことなんて

鈴!

明るくわたしの名前を呼ばれたことなんて

鈴蘭

……う

鈴蘭

違う、違う違う…!!

鈴は急に耳を塞いで叫んだ

鈴蘭

わたしは…そんな優しくされたことない…っ!

鈴蘭

わたしは…わたしはずっと…っ

梅宮

鈴…?

梅宮

俺に代わって欲しい

梅宮

…わかった

梅宮

頼んだ、柊

任せろ

母親

ねぇ、鈴蘭

鈴蘭

お母、さん……

母親

悪い子には教育が必要よね

鈴蘭

ま、待って…

お母さんは私の髪を掴んで 私を溺れさせた

父親

なぜ僕の言っていることがわからないんだ!?

父親

僕はただ、鈴蘭のことを考えて言っているんだぞ…!?

鈴蘭

ごめんなさい…っ

お父さんはひたすら暴言と暴力を振るった

わたしは私の名前が嫌いだった

ずっと叫ばれて、ずっと怒鳴られて

苦しくても辛くても誰も助けてくれない

優しさなんて知らない

なのに

鈴蘭

わたしは…っ、こんなの知らない…!!

鈴蘭

こんなことなんか…っ…!

鈴蘭

いやっ…!!聞きたくない…!

なんでわたしの名前を呼ぶの

またわたし、期待に応えられなかった?

苦しいのはもう嫌だよ

ずっと苦しむくらいなら、もう

鈴、俺だ

鈴蘭

なに、しらない…わたしはただ…っ!

鈴、大丈夫

ちょっと嫌な事思い出したな

鈴蘭

っ…登、馬…?

そうだ

鈴蘭

あ……ごめん……私

大丈夫

一回座ろう、な?

鈴蘭

…うん……

梅宮が鈴とやり合ってるところを見た時、 鈴の様子がおかしいことに気づいた

ぼーっとしている…というか、何かを思い出しているような気がした

鈴は周りに元気な風に見せていても 両親を亡くした、言ってしまえば 精神が壊れやすい状態だ

それが運悪く、今来た

呼吸落ち着いてきたな

鈴蘭

うん……ありがとう

…言える範囲でいいから、何があったか話せるか?

鈴蘭

……実は

そこから鈴は、思い出したことを 全部話してくれた

少し止まったりしたけど、 ちゃんと話してくれた

…そうか

鈴蘭

…ごめん、迷惑かけて

迷惑じゃない

鈴蘭

でも、

本当に、迷惑じゃない

鈴蘭

……ありがとう

気にすんな

…手

鈴蘭

え?

手、やめろ

俺は鈴の両手首を掴んで離させた

…血出てるな

無意識か?

鈴蘭

…うん

ちょっとずつでいいから少なくしよう

じゃないと手ずっと痛くなるぞ

鈴蘭

う……それはやだ

鈴蘭

頑張る…

よし

鈴、今誰と会える?

鈴蘭

…梅、なら

わかった

ちょっと呼ぶから待ってろ

鈴蘭

あ…待って

どうした?

鈴蘭

…桜くんに…会いたい

鈴蘭

2人にしてほしい

…大丈夫なのか?

鈴蘭

うん…大丈夫だよ

……わかった

呼んでくる

鈴蘭

…ありがとう、登馬

その声に届くまで

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