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切な可愛い……( ;∀;) 先輩の返事を聞かずに走り去るってことは、先輩にはすでに他の好きな人がいて、それを彼女は知ってたんだろうか ドキドキな展開とはかくあるべきか……!
ガタン
ガタタン
ガタンッゴトン
いつもと変わらない時間
いつもと変わらない席
いつもと変わらない
大好きな先輩の寝てる顔
あー、今日も、 大好きです...ッ
読んでいた本で顔を隠し、キューッと鳴き始めた心にフタをした
じんわりと顔が赤くなる
少し本を下にずらして、もう一度チラリと先輩を盗み見て...
あ〜ッ、やっぱりダメ、好きッ
結局また本で顔を隠す
こんな事ほぼ毎朝やってたら怪しいのは分かってるんだけど
それも今日でお終い
先輩は今日...
卒業するんだ
片岡 沙也加(かたおか さやか)
やばいやばい! めちゃヤバい!
私はザワザワとうるさい校舎内を走り
急いで履き物を替えて校舎の外へと飛び出した
片岡 沙也加(かたおか さやか)
キョロキョロと辺りを見回す
あちこちで先輩たちが記念撮影をしていた
でも一之瀬先輩の姿が無い
先輩... 一之瀬先輩ッ
走って中庭まで行くと
ベンチに座る先輩を見つけた
片岡 沙也加(かたおか さやか)
荒い呼吸を整える
まだ先輩は私に気付いていない
片岡 沙也加(かたおか さやか)
よしっ!
グッと手に力を入れる
走ったせいじゃない心臓のドキドキを
先輩に聞かれちゃわないように
胸の前で手を握った
片岡 沙也加(かたおか さやか)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
振り返った先輩は、ふわりと優しく笑った
先輩はベンチから立ち上がり、私の元へと歩いてくる
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
あ、汗拭き忘れたァ!
そそくさとポケットからハンカチを取りだし
額に浮かぶ汗をポンポンと拭った
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
先輩は、中庭にある大きな桜を見上げる
私もつられて上を見上げた
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
ヘヘッと笑いながら
先輩は私の頭にポンと1回手を乗せる
あっ、あた、頭ッ
たったそれだけで、私の心臓はドキドキと煩くなる
先輩との思い出が私の背中を強く押す
ちゃんと言わなきゃ
後悔だけは、したくないから...!
片岡 沙也加(かたおか さやか)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
一之瀬 朝陽(いちのせ あさひ)
先輩はいつもそう
場を和ます為に優しく言葉を掛けてくれる
私は
私はそんな先輩が
片岡 沙也加(かたおか さやか)
私は笑って言った
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
先輩に背中を向けて歩き出す
先輩は止めない
もちろん、私も止まらない
まだ...まだダメッ
角を曲がって、私は走った
先輩が教えてくれた空き教室
誰もいない教室
ガラッと扉を開けて飛び込んだ
片岡 沙也加(かたおか さやか)
だって...
好きな人の記憶には
最後まで笑顔で残っていたいから
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
片岡 沙也加(かたおか さやか)
我慢の限界に達した涙は
後から後から流れ落ちる
流した涙の分だけ
先輩のように優しくなれるかな?
〜fin〜