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確か……木に捕まったけど、 落っこちて…
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薄暗い視界に目を凝らしながら、 辺りを見渡す。
見渡す間もなく、 数メートルか離れたところに こちらに背中を見せる おんりーを見つけた。
少しゾクッとした。 俺の代わりに……
なんて思考が過ぎったから。
けどそれは心配が過ぎたようだ。
近くへ寄ると、俺と同様 気を失っているおんりー。
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近くには、落下寸前に 捕まっていたであろう、 折れたデカめの枝。
流石のおんりーでも、 男2人分の重さを 片手で凌ぐのはキツかっただろう。
枝まで可哀想なくらいだ。
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けどよく生きてたな…?
木に捕まって 高さを低くしたとはいえ、
勢い余って相当なところから 落っこちた。
死んでたっておかしくない。 しかも2人生きてる。
ふと彼の手元を見てみる。
そこには、随分と前に渡した、 "クローバーのしおり"が 落ちていた。
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少しばかり形が崩れていたが、 まだ持っていたことに 驚きが隠せない。
思わず拾い上げる。
"幸運"の源。 そして、
"復讐"の始まりだった。
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引っ越す前のこと。
おんりーとよく遊んでいた時、
それを近所の人達がよく見ていた、
という感じ。
そのときはまだ、
違和感なんて感じなかった。
変だと本格的に思い始めたのは、 おんりーと相棒関係を 持った時くらいから。
根本的に言えば、俺がおんりーに クローバーを渡した日くらいから。
核心はきっと、おんりー。
おんりーを見る親の目が 腐っていると、そう思い始めた。
視界には、脳内には、 少なくとも良くないイメージを 持っていたんだろう。
ただ… 俺には何も出来なかった。
引越しの理由は、俺とおんりーとの 距離を遠ざける為。
少しでも 考えたくなかったんだろうって。
けど理由は未だ分からない。
ただ、これは分かる。
俺すらを敵視してた親は、 相当おんりーを嫌っていたのかも しれない。
数々の暴言、虐待を繰り返すくらい ストレスを感じていたのかも。
そのせいで、 気付いたら飲まれてた。
思考を止めてはいけないのに、 勝手に別のルートへ向かう。
引越しの理由など、 言える訳もなく。
苦しみを隠して、別れを告げた。
でもまた会いたくて。
けど、会えるか分からなくて。
その日まで、"此処"が持つか。。
持たなかったかも。
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クローバーの花言葉には、 復讐がある。
知ってる。けど。 幸運をずっともたらして欲しい。 その思い一筋で渡したんだって。
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=復讐になると、思ってしまった。
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なんて馬鹿なことを 考えていたんだろう。
当時の自分をぶん殴りたい。
すごく、悔しかった。
自分では何もできなくて、 結局助けて貰っていたこと。
そしてこの幸運は、
俺自身が幸運を崩し、
そして復讐をしようとしていた。
本当に馬鹿なんだって。
此奴にこれを渡したくって。 幸運を渡したくて…。
ずっと渡したかったから。
ずっと相棒でいたくて。 ずっと仲良しでいたくて…!
けどそれを崩すのは、 結局自分自身なんだって。
クローバーのしおりを 握りしめながら、
遠くどこかを見つめていた。
こんなことして、 簡単には認められない。
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コメント
14件
とりあえず助かってて良かった……w おっ……?おっ……? これは……なんか複雑な気持ちになる……、w
そういうことかぁ...! なんか好きで幸せになってほしいのに...って追う複雑な感情がすごい個人的には好きだなぁ
通信悪い中です🙏🏻 あと4日か…