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コメント
1件
うわ、これは…読んでいて胸が締め付けられました。警察から電話がかかってきた瞬間の「血が抜けていくような感覚」という表現が、あまりにも生々しくて、こっちまで息が止まるようでした。そして父との対面での「怒りもない。悲しみもこの時はなかった」という冷静さが、逆にどれだけの衝撃だったかを物語っていて…。最後に淳太くんに電話する場面、誰でもいいから声が聞きたかったっていう気持ち、すごくわかります。まだ23歳でこの現実を抱えるのは辛すぎる…。夕日が美しいのも皮肉で、物語の余白が重くのしかかってくるようでした。 (応援してます、せなさん。きっとこの物語を書くのも辛かったですよね…)
memi(めみ)
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2023年 2月10日
『バレンタイン、仕事なのでその近くで遊びに行きませんか?』
と、佐野晶哉から連絡が入った。
勿論、断る理由もないから約束をして ショッピングモールに出掛けました。
『晶哉は服がダサいから』と、
色々見繕ってあげたり、
一緒にクレープを食べたり、
殆どデートみたいな午前中でした。
そして、再度洋服を選んでる時
私の携帯に着信が入った。
見た事ない番号。
詐欺電話かもしれない。
けれど、私は取りました。
携帯の奥から聞こえた言葉。
『大阪府警察 刑事課 捜査第一課の〇〇です。』
身体から血が抜けていくような感覚がした。
何でも良い。
詐欺であってくれ、と
『百花瑞希さんのお電話でお間違い無いですか?』と 尋ねられた。
この時悟った。
詐欺だったら名前とか知る筈がない。
本当に、
何かが起きたんだ。
震えそうな声を無理矢理戻して、
『百花ですけど、、』と声を振り絞った。
晶哉も心配そうな顔で見つめている。
『非常に申しにくいんですが、』
『お父様が…お母様を、』
警察の方も言いにくそうな感じだった。
私はそこで全て理解した。
『警察署まですぐ来て頂けますか?』
私はすぐ新幹線に飛び乗って、
東京から大阪まで向かった。
正直、
この後の記憶はあまりない。
限りなく抽象的にしか、
残酷な現実を、
現実と思いたくなくて、
全て、夢だと思いたかった。
大阪に着いて、警察署に向かった。
そして、母の遺体を見た。
とても冷たかった。
辛い時、ハグしてもらった温もり、
初めて事務所の舞台に立った時、
『頑張ったね』と頭を撫でて貰った時の感触、
全てが違ってた。
そして、そのまま父に会いに行った。
留置所に向かい、父と対面で見つめ合う。
怒りもない。
悲しみもこの時はなかった。
…多分、
話した内容なんて覚えてない。
断片的に覚えてるのは、
『パパの事は忘れて、幸せになって欲しい。』とだけ。
そんなの当たり前じゃん。
…当たり前、
でもね、
大阪で過ごした時間、
全てが愛おしくて、幸せだったんだよ。
不幸せな瞬間なんて何一つなかった。
『中々帰って来れなくてごめんね。』
それだけ伝えた。
今でも、
東京に行かなかったら人生は変わってたのかなとか、
今でも仲良く過ごしていたのかなとか、
思ったりする。
後悔は、
多分この先ずっとしていく。
色々手続きも終わり、警察署を出た。
もう夕方。
めちゃくちゃ綺麗な夕日だった。
誰かから祝福されているようなオレンジ色だった。
皮肉だよね。
どん底に突き落とされてると言うのに、
明日からどうしよう。
何も考えたくない。
そんな思いだった気がする。
ふと、私は
『…もしもし』
『…淳太くん、』
中間淳太くんに電話を掛けた。
何故選んだのかも分からない。
けれど、誰でも良いから声が聞きたかったのかもしれない。
『お疲れ、どしたん?』
あまりにも突然で少し心配そうに尋ねられた。
どう伝えよう。
私は迷った。
どうすれば心配掛けないように伝えられるだろう。
でも、
その方法はなかったのかもしれない。
『…あの、』
『えっと…、』
言葉を詰まらせながら私は呟いた。
『家族が居なくなりました。』
ただ淡々と、
そう伝えた。
『え?、』
そりゃそうだ。
唐突に言われたらそういう反応だよね。
『っ…』
『多分…、』
『ニュースでもうすぐ、出ると思います…』
只事じゃないと思ったんだと思う。
冗談でこんな事言わない、
言った事ない、
『どういう事?』
『先に聞かせて貰っていい?、』
私は勇気を出して、口に出した。
『…父が母を殺しました。』
この時、私の上で烏が鳴いた。
まるで今の私を嘲笑うかのように、
『…へ、、?』
声になってなかった。
多分予想も出来なかったであろう。
一気に絶望に突き落とされた。
まだ22歳の私には、
抱えきれない現実だった。