ダブルデート？w 本編⑩

今回予約してあるのは、貸切の洞窟でのダイビング

GoProをつかった写真や動画のデータ付きプランなので、俺自身もとても楽しみにしていた

ボビーはここでダイビングするのが何度目からしく、お気に入りの場所でできるとずっとウキウキしていた

少し先で頬を少し膨らませて待っているボビーの方へ小走りで駆け寄ると、背後からキャメとりぃちょの話し声が聞こえた

眼前に広がるはただただ海の青

洞窟の中だから、ひんやりと冷たい水の感触が心地いい

後ろを振り返ると、ニキやりぃちょ、キャメがインストラクターに案内されて慣れない水中にワタワタしている

本当は、俺が案内すると言ったんだが、ニキに「久しぶりのダイビングなんだから楽しんで」と言われて、自由にさせてもらっていた

都会の雑踏の中で生活している俺にとっては、この無音の世界は別世界だった

視線を頭上にむけると、水面がキラキラと光って綺麗だった

いつまでも水中の感覚に慣れずにたどたどしいニキたちを見て、フッと小さく心の中で笑うと、俺は方向を変えて側へと移動した

帰りに寄った食堂で、目をキラキラさせながら話すボビーに、俺は思わず笑みが漏れた

そんな俺にみんなの視線が集まる

うっかり話しそうになったキャメの口を塞ごうと体を乗り出したがもう手遅れだった……

りぃちょとボビーの視線が俺に向けられていた

ウルウルした目のままちょっとガッツポーズをしながら言うボビーに、俺はまた頬が緩んだ