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右手に緊張が走る 手の震えを抑えるために力を加える それがまた、手を震わせることはわかっていた
いつしか、硬いシャープペンシルのグリップの跡が中指の第1関節に青く残る
____残り時間僅か8分
52分前には空だった解答用紙を苦い思いをしてボロボロにしながら埋めた
「ペンを置いてください」
試験終了の合図
高校受験最終日、最後の試験が終わった
手前味噌ではあるが、中学の内申点は中の上。今回の試験の点数も、自己採点では500点満点中435点。恐らく合格だろう かっこうつけて、点数をひけらかしているが実際緊張していた
勉強というのは、多くやっておくことに越したことはない。 試験だけでその人の将来を測れるとは思っていないが、実際。そこで点数を取ることでその人の将来は広がると言うもの。 だから俺は、それなりに勉強をしておいたし、部活も3年間毎日活動したし、生徒としては割とできた方だったと思う
上城吏斗
会場には不安な顔の人も俺のように意気揚々と出ていく人も、様々だった。
2週間後 学校に合格通知を貰いに行くと、思った通りの結果だった
上城吏斗
母
上城吏斗
これから通う高校は日本の首都 東京にある 俺は東京の近くにに住んではいたが、実家から通うには少しお金も時間もかかりすぎる 結果、一人暮らしを始めることになった。 一人暮らしと言っても、学校が提供してくれている寮に入るので、周りには人もいる
上城吏斗
なぜ 俺がわざわざ遠い高校に行くことになったのか それは気になってる人がそこに行くと知ったからだ。 その人は、休み時間に図書室の1番奥の窓側の席でいつも難しそうな本を読んでいた
席の後ろにある本棚に頻繁に用があった事で、その人をよく見るようになった。 そのせいか、本を読んでいてもちらちらと見てしまうくらいには頭から離れてはくれなかった
その人とは 橋本奈々未という女の子 色は白いし、目は大きくぱっちりで、まつ毛も長く、鼻も高い。頬は少し桃色で、綺麗な顔立ちだ。 そんな彼女を、学年の男共がほっておく理由もなく 多くの男が彼女に想いを伝えたが全て玉砕 はしゃいで砕けて行く男達を小馬鹿しているがどこか羨ましくて、告白なんてする勇気もないどころか、話しかけることもできなかった。
その未練が何度も何度も頭を巡って 今まで抱いたことのない感情が溢れ出した
これが
恋
なのだろうか
事細かに説明するとこういう事だ。 自分の知らない感情が湧いてきて 胸が苦しいのが気持ち悪くて それを知るために彼女を追いかけた