翌日
いろは
少し遠くで 座席に座って スマホを見ているあの姿は 多分そうだ
ふと風隼くんが こちらを見た 目が合う
いろは
あまね
フイッ
慌てたように顔を逸らされる
こう
いきなり隣に現れた 飛良泉くん
いろは
あぁ、そういうことか
こう
いろは
そう、ほんとに 彼を見てたのに意味はない
こう
いろは
そう言いつつも 私の視線は 風隼くんの方を向いていた
こう
こう
教室
いろは
あまね
いろは
ことなんだけどさ、
あまね
邪魔するつもりはねーよ
いろは
あまね
いろは
あまね
いろは
付き合ってないよ
あまね
いろは
ひいよ
スクールバッグを持ったまま そこに立ち尽くしている佐野くん
いろは
ひいよ
ひいよ
いろは
ひいよ
お互いよそよそしいなって
いろは
ひいよ
あまね
誰とも付き合ってないの、?
いろは
そう言ってるじゃん
ひいよ
ひいよ
諦めなくていいってことじゃん
いろは
ひいよ
アタックさせてもらうよ
ひいよ
部活終わりって暇?
いろは
ひいよ
来週小テストあったし
いろは
いろは
あまね
いろは
あまね
ひいよ
こう
ひいよ
いろは
あかり
あかり
いろは
部活中
パイセン
なんかウキウキしてない?
ひいよ
パイセン
ひいよ
グキッ!
ひいよ
いろは
あまね
風隼くんが佐野くんの足を 確かめる
あまね
保健室行ってこい
浮かれてるからだ、ばか
ひいよ
あまね
ひいよ
パイセン
俺の注意が足りなくてごめん
ひいよ
パイセンにおぶられて 佐野くんは 柔道場を出て行った
あまね
あまね
いろは
保健室に寄ってから行くよ
あまね
いろは
あまね
あまね
あかり
あまね
あかり
あかり
部室に戻ったから
あまね
江口の1つ後ろの席に 腰を下ろす
あかり
あまね
あかり
好きな人とかいるの?
あまね
あかり
あまね
あかり
入れる確率ってあるかな、?
あまね
あかり
風隼くんが好きなんだもんっ
あまね
あかり
あまね
あかり
言えたから、
私、もう帰るね
江口の瞳にうっすらと 涙が浮かんでいる
あまね
帰ろうとするその腕を とっさに引き止めた
あかり
あまね
笑わなくていいから
あのさ、江口の気持ちに
応えてやれなくてごめん
でも、
あの言葉は嬉しかったよ
あかり
江口がそっと 抱きついてくる この場で拒否るのもあれ だと思い、 軽く頭だけ撫でてやる
あかり
あまね
いろは
あまね
いろは
俺の大好きな 背中が走り去っていく
あまね
あかり
あかり
今だけはここにいて
あまね
廊下に飛び出すと 一瞬だけ見えた、 スカートの裾 俺は迷わずそれを追った