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夢を見る。

叫び声に包まれたその場で、辛うじてある意識の中

やけ焦げる独特の匂いと自然の中にいるような土の匂いが鼻腔を掠めた。

全身が熱くて、押しつぶされるような圧迫感があった。

武道

う"っ…あ"

喉を潰されたような声が聞こえて、直後に「まだ人がいる!」という、聞きなれない声がした

夢だと言うのに、生々しい。

痛い。

苦しい。

目を開ければ、ボヤけた視界の中に破損したバスと、飛び散った血液が見えた。

担架で運ばれていくピンクゴールドの髪も、黒くて長い髪も。

見覚えのある人が運ばれていくのが見えた。

だらりと力なく垂れ下がった腕が見えた。

こんなぼやけた視界でも、息をしていないのが見えた。

胸の中央。心臓につり革がさがる鉄の棒が刺さっているのが見えた。

武道

っァァァ

裏切られた。

死んでしまった。

絶対に許さない。

生きていて欲しい人達が。

ぐちゃぐちゃにかき混ぜられた感情に、脳が悲鳴をあげた。

プツリ、と意識を失った。

浮上する意識。

夢の中で目を覚ます。気持ちが悪い。

武道

……

真っ白な天井。真っ白なカーテン。

独特な医療品の匂い。

武道

…びょう、いん。

俺は何を見せられているのだろうか

ただ、ものの数分で憔悴した頭がそれだけを考えていた。

また場面が変わって、今度は医師が目の前に。

医師

君以外は助からなかった。

武道

……。

俺だけが助かったらしい。

意識が霞んでいく。

武道

…あいつらは死なない

口走った。

なぜ?

武道

絶対に死なない

俺が殺すんだろ?

死ぬ。

武道

俺が

プツリと意識を失った。

武道

っは…はぁっ

体を起こして、荒い呼吸を繰り返した。

なんだ今のは

武道

生きていて欲しかった人…だ?

武道

っざけんな…!

三ツ谷

た、武道?

ふと声がして、後ろを向いた。

武道

…みつ、や?

三ツ谷

…魘されてた

そりゃそうだろう

そう言いたかったが、喉が掠れて上手く音にならなかった。

武道

…なんでもない

武道

…それよりも何時間経った

三ツ谷

そんな経ってない

三ツ谷

30分ぐらい

たった30分

ハッ、と乾いた笑いが漏れた。

武道

…おい

武道

裏切り者、もういんだろ

三ツ谷

三ツ谷

あぁ、うん。結構いる

そう言った三ツ谷の目が薄く細められた。

大丈夫、こいつは生きてる。

夢の中で、十字のピアスが地面に落ちていた。

それを思い出して、鳥肌が立つ。

武道

裏切り者は死刑

武道

行くぞ

三ツ谷

…うん

あれは、俺の感情じゃない。

生きていて欲しい?

ふざけんな

憎くて憎くて仕方ない

武道

…冗談もほどほどにしろ

かすれた声が、三ツ谷にも聞かれることなく消えていった。

…すみません、また体験談を使ってしまいました…

自分の気持ち、いちばん分かっているのは誰なんですかね?

それから、前作投稿から大分期間を開けてしまい申し訳ありませんっ

私事なのですが、高校へ無事入学したため、バタバタした生活をしていました!

毎日ちょっとずつ書いてようやく今書き上がるという…遅筆です…

すこし投稿頻度が下がると思いますが何卒ご容赦くださいっ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

6

ユーザー

主さんのお話めっちゃ好きです これからも頑張ってください٩( 'ω' )و

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