俺には物心がついた頃から
好きな女の子がいた。
茉白──
その名の通り、
消えてしまいそうなほど真っ白で
ふわふわしてて
可愛くて綺麗で眩しくて……
茉白のことが好きでたまらなかった
それなのに──
「祥ちゃん、私、祥ちゃんのことが……」
「お前は俺の大事な幼馴染だから」
それなのに俺は、
茉白の気持ちを拒んだ
あの日、茉白が言おうとした言葉の続きは
もう聞くことが出来ないだろう
一番、聞きたい言葉なのに
だって俺は
茉白じゃない女と結婚するのだから
祥太郎
茉白
祥太郎
茉白
祥太郎
茉白
祥太郎
茉白
茉白
どうして言ってくれなかったの……?
祥太郎
茉白
祥太郎
茉白
祥太郎
茉白
茉白
思ってたんだよ
ここで茉白に手を伸ばしてしまえば
俺は茉白に顔向け出来なくなる
祥太郎
茉白
茉白
祥ちゃんがずっと悩んでるの、
見て見ぬふりできないよ
祥太郎
ウンザリなんだよ
祥太郎
祥太郎
知られたくなかったんだよ
祥太郎
茉白
茉白
心配かけるって分からないの?
茉白
ああ、そうか。
俺はどこで間違えたんだ
閉ざしたはずの心を癒すのは
いつだって茉白だった
茉白
茉白
やっぱり眩しい
茉白の光が
俺には眩しい。
祥太郎
祥太郎
言われてる
茉白
祥太郎
祥太郎
アルバイトの掛け持ちと借金の返済で疲れ果てて……
祥太郎
茉白
祥太郎
祥太郎
祥太郎
茉白
茉白
祥太郎
祥太郎
祥太郎
どうか父さんを助けてくださいって必死で頼んだ
祥太郎
祥太郎
俺は一生かけて幸せにしていかなくちゃいけない
茉白
祥太郎
祥太郎
祥太郎
茉白にどう思われるか……こんな俺、
嫌われると思って
茉白
祥太郎
祥太郎
茉白
祥太郎
祥太郎
祥太郎
祥太郎
祥太郎
祥太郎
──ギュッ
祥太郎
茉白
茉白
茉白
茉白
祥太郎
茉白
祥太郎
──「祥ちゃんは、ホントは弱いんです」
──「私も今は、どうしていいか分からないけど」
──「祥ちゃんの力になりたいって想いだけ、 心の中にあるんです」
麗香
──「俺、忘れられない大切な人がいる」
麗香
麗香