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2話:甘い境界線
転校初日から一夜明け、この町特有の湿った朝がやってきた。
教室に入ると昨日と同じ席に、u r の姿があった。 朝の光に透ける肌は、昨日よりも白くどこか非現実的に見える。
y a n は自分の席に向かう途中、u r の横を通り過ぎる瞬間に短く声をかけた。
ya
u r がビクリと肩を揺らし、ゆっくりと顔を上げた。クラスの連中が 転校生 とよそよそしく呼ぶ中、いきなり名前で呼ばれたことに驚いたらしい。
ur
ya
ur
u r はそう言うと、カバンの中から小さな包みを取り出した。安っぽいセロハンに包まれた飴玉。
ur
ya
ya
y a n はそれを受け取り、一粒口に放り込む。暴力的なまでの甘さが口いっぱいに広がった。
ふと見ると、u r も自分の分を口に含んでいる。飴を転がすたびに、u r の白い頬が小さく動く。
俺がずっと食べてた飴を 今はコイツも食ってる
その事実に、y a n は喉の奥が熱くなるような感覚を覚えた。おばあちゃんという共通の 知り合い を介して、都会から来た異物だった u r が、少しずつ自分のテリトリーに溶け込んでくる。
二時間目の休み時間。案の定、物珍しがった連中が u r の周りに集まりだした。
質問攻めに合う u r は、困惑したように眉を寄せ、小さな声で言葉を返している。 u r は都会育ち特有の静かなオーラをまとっていて、誰とも目を合わせようとしない。
y a n は、その輪の外側で、さっき貰った飴の包み紙を指先で弄んでいた。
u r は、誰のことも見ていない。
その “ 誰にも触れさせない空気 ” が、y a n にはたまらなく苛立たしく、そして愛おしかった。
友人に呼ばれた y a n は、席を立ちながら、u r の方を振り返った。
ya
u r は一瞬だけ目を見開いて、y a n を見た。周囲の連中に向けていた拒絶の視線が、y a n に対してだけは少しだけ緩む。
ur
ya
わざと、クラス中の奴らに聞こえるような声で言った。
これで、u r にとってこの町で唯一 話が通じる相手 が俺であるという認識が、周囲にも本人にも刷り込まれていく。
放課後。 今日も、u r は一人で歩いて校門を出ようとしていた。
ya
y a n は、自分の自転車に跨り、ゆっくりと u r の横に並んだ。
ya
ya
ur
ya
ya
ur
u r が、足を止めてジロリと y a n を見た。
その瞳は冷たいようでいて、どこか寂しげで、y a n は図星を突かれた気まずさを隠すように、乱暴に鼻を鳴らす。
ya
ya
都会では電車ばかりだったという u r 。荷台に乗るその動作さえも、どこかぎこちない。
y a n がペダルを漕ぎ出す。
背中に、u r の細い指が、俺のシャツの裾を遠慮がちに掴む感触。
昨日よりも、ほんの少しだけその力が強い気がした。
ur
背後から、風に混じって u r の声が聞こえる。
ya
ur
不意に言われた言葉。
y a n は、前を向いたまま口角が上がるのを止められなかった。
ya
ur
u r の声は、都会の喧騒を知っているからこその、深い安らぎを含んでいた。
y a n は、u r のその 静けさ を、誰にも、何にも邪魔させたくなかった。
坂道を下る風が、二人の間を通り抜けていく。
y a n は、もっと速く、もっと遠くへ自転車を走らせた。
このまま、u r を誰も知らない場所へ連れ去ってしまいたいという、自分でも驚くほど黒い独占欲が、胸の奥で静かに、けれど確実に膨らみ始めていた。
この物語をちゃんと終わらせることができるのでしょうか、、、
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