テラーノベル
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…馬車が、静かに止まる。
エイル
扉が開くと目の前に現れたのはーー 大きすぎない、けど丁寧に手入れされた一軒家
白い外壁。
小さな庭。
灯りのついた窓。
派手さも、威圧感もない。 どこか――馴染みのある“帰る場所”みたいな家だった。
エリカ
使用人の姿は、どこにもない。 静かで、落ち着いている。
エイル
鍵を開けながら、少し照れたように笑う。
エイル
玄関を開けると、 木の匂いと、あたたかい空気が流れ出す。
エリカ
エイル
少し間を置いて、続ける
エイル
ルーファスはコートを脱ぎ、 台所の方に歩き出した
エイル
エリカ
ぐぅぅぅ〜
エリカ
エイル
エイルはエリカの顔を見ながら腹を抱え笑った。
エリカ
エリカは顔を赤くして謝った
エイル
振り返って、はっきりと言う。
エイル
エイル
エイル
エリカ
エイル
少しの間があったあと続ける
エイル
エイルが台所で野菜を慣れた手つきで切っている
エリカ
エイル
そう言って、 器に注いだ冷たい、新鮮な飲み水を差し出す。
エリカ
触れた瞬間、指先にひやりとした感触が広がる。
――冷たい水。 濁っていない。 臭いもしない。
エイル
エリカ
喉を通るたび、 体の奥に溜まっていたものが、少しずつ溶けていく。
エイルは背を向けて、スープの準備を始めた。
包丁の音、鍋に水を張る音。
生活の音。
エイル
エイル
エリカ
エイルはキョトンとした顔をしつつもすぐに笑顔になった
エイル
一息
エイル
エリカ
エイル
エリカ
エイル
エリカ
エイル
そう言って、 自分の器をぐっと咲来の方へ寄せる。
エイル
エリカ
そう口にしたエリカに、 彼は振り返って、目を丸くする。
エイル
エリカ
エイル
エリカは、戸惑いながらも聞き返す。
エリカ
すると彼は―― 今までで一番、自然な笑みを浮かべた。
エイル
エイル
エリカ
――しまった。 敬語。 エリカは思わず、ぎゅっと目をつぶる。
エリカ
……でも。 何も、来ない。
恐る恐る目を開けると―― そこには、声を出して笑っているエイルがいた。
エイル
腹を抱えるようにして、楽しそうに。
エイル
でも、笑いながらも―― 声はやさしい。
スープの湯気が、ふわっと顔に当たる。
エリカ
一口すくうと、 野菜の甘さと、塩気がじんわり広がる。
熱すぎない。 優しい味。
エリカ
エイルは向かいで、 エリカの様子を見ながらゆっくり食べている。
食べ物が、 「急いで流し込むもの」じゃない。
誰かに取られない。 叩かれない。 残しても、怒られない。
エイル
緊張したように聞いてくる
エリカ
エリカ
ぽろっと―― 涙が器の縁に落ちる。
胸の奥に溜まっていたものが、 一気に溢れ出すみたいに。 涙が止まらなかった
エイル
エイルは、スプーンを置いた。
エイル
椅子を引く音。 近づいたと思った次の瞬間――
ぎゅっ。
強すぎない。 逃げられるくらいの力で、 そっと抱きしめられる。
大きな手が、 ゆっくり、一定のリズムで頭を撫でる。
エイル
エイル
エリカ
エリカ
エイル
エイル
エリカ
エリカ
苦じゃない
エリカは―― そっと、抱き返した。
本来なら、 奴隷が主人に触れるなんて、許されない行為。
……けど。 今回は、 誰も怒らない。
エイル
エイル
その言葉があるだけで、 「逃げ道」がちゃんと用意されているのが分かる。 それがーー
嬉しかった。
エイルは小さく笑って言った。
エイル
エイル
エリカ
もう一度、暖かいスープを口に含んだ。 食べれば食べるほど、心の緊張が解ける感覚がした。
エイル
エリカ
エイル
エイル
――その瞬間。
胸の奥が、どくんと鳴った。
エリカ
嫌じゃない。 怖くもない。
でも、 知らない感覚。
エイルの顔を見ると、 そこにはただの柔らかい笑顔があった。
エイル
エイル
エイル
頭をかいて、照れたように笑う。
エイル
エリカ
エリカ
それを聞いた瞬間、 エイルは一瞬きょとんとして―― 次の瞬間、思わず吹き出した。
エイル
エイル
少し間をあけーー続ける
エイル
エイル
エイル
エイル
窓の外は、 いつの間にか夕焼け色。
今日は初めて
人の優しさを知った日だったーー
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