不良の君と不器用なわたし！

一度深呼吸をしてから教室に入った

意味ないって分かってるけど…

落ち着いた気にならないとちゃんと喋れないから。

_ガラガラ_

焦りすぎてカタコトになってしまった気もするが…

生徒達の様子からしてそこまで気に留めるほど ではないらしい（よかった…）

パチパチ＿＿

元気いっぱいの拍手が鳴り終わってから先生が 話を続けた

「慣れてないので優しく〜」 「誰か案内を〜」などなど

よくあるやつだ。

端の席…はあそこか~

窓際の席涼しいけど虫くるから嫌なんだよね~

注目されたくないので早足で席に向かう

隣の席の人は見た目だけだと優しそうだ

でも外見ではなくしっかり内見を見ないと… もしかしたら怖い人かもだからね. 逆の場合もあるけど…

まぁさっきがっつり怯えてた私が言える ことでもないけど

頑張って作り笑いをしながら軽く挨拶をする

すると、愛嬌がある思わず眩しいと思ってしまうような 綺麗な笑顔を見せてくれた。

ほんっとうに好かれてそうな子だなぁ

コミュ障の私でも名前を聞けるくらい 話しやすい

お顔もそこら辺にいるようなレベルじゃないし 色々ケアしてるのかな？肌も綺麗で色白だ the ブルベって感じ

クラス自体も私なんかを快く受けてくれたし、 何だか前日にほぼ徹夜してまで笑顔の 練習してたのがバカみたい

このまま平和に1日終わればいいけどな…

私って悪運ばっか持ってるから大抵何かある。

例えば弁当の箸忘れたとか、初っ端から転けるとか…

まぁ、その時はその時かぁ…

昼休みになった

男子達は購買に走っていって、女子達は固まって 弁当を食べている。

そして、その中の1人が私だ。 心優しいひなのちゃんが誘ってくれたのだ

ありがたい…

　　~

　　~

疲れた…

常に褒めてくるんだよね、 嬉しいんだよ！？嬉しいんだけど…

慣れてない私にとっては苦手分野すぎる…

一目散に自分の席に戻ると、うずくまった

HP来年の分まで使ったかも、

今もし家にいたら周りなんて気にせずソファーに ダイブしているだろう。

うつ伏せに失せていると教室の扉が開いた音がした

誰だろ…？

そう思い視界を邪魔している髪の毛をどけて片目を 覗かせた

不良（？）の男の子だ！！

端の席なのでこちらには気付いていない みたいだが…

ガサツに引き出しから菓子パンを取り出し ちまちまとスマホと交互に見ながら 食べている。

気まずい

できるなら忍者のように静かに廊下へ移動したいとこだが バレたら「図々しい奴」認定されるに違いない

逆に堂々と見向きもせず行っても「態度でかい奴」 って思われたらどうしよう！

コトン_

ポケットの中に入れていた保湿リップが 落ちてしまった

落としただけならいいものの… 思わず声も出してしまうという失点

朝ぶつかってきた挙句被害者面してきた奴 & 自分のクラスに転校してきた なんて最悪に決まってるよね！？

どうしよう…相手はヤンキー（不良）なのに！！ 勝てるはずない…

「誰？」

「誰?」

「誰?」←！？

まさかの覚えていない！？

いやありがたいんだけど…あんなうざい怯え方しちゃったのに！

私ってそんな印象薄かった？

あんな不機嫌そうな顔してたのに、

気にしちゃった私が悪かったですよ！

はい！！

ストレート野郎！素直野郎！ オブラートに包むことを知らない野郎！

いや気持ちは分かるよ？私みたいなキモイ奴 やだよね？

でも！！

はぁ…

考えるのも疲れたわ

　　…

　　は！？！？