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大斐
ヴォルテ
俺と大斐は大学2年生で、シェアハウスをしている
大学の課題をちょうど終わらせたところで、大斐が話を切り出してきた
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
不意に大斐が立ち上がり、部屋の電気を消した
ヴォルテ
大斐
脇に置いてあったランプを灯す
薄い光が部屋をぼんやりと照らした
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
大斐
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
俺はネットで検索すると、それらしい話がズラッとヒットした
一番上にあったサイトを開いてみる
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
大斐
地図を表示して大斐に見せる
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
週末がやってきた
俺たちは二時間かけて高速を通り、例の廃村に向かっていた
今は車で山道を走っている
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
大斐
どうでもいいことを駄弁っていると、開けた場所に出た
太陽の光がよく届く、見晴らしのいいところだった
確かに建物はボロボロで崩れかけているが、怖い印象はないような廃村だった
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
大斐
車から降りてドアを閉める
小鳥の鳴き声が響いている
思い切り空気を吸うと、気分がリフレッシュした
大斐
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
そんなことを喋りながら村の中に進んでいく
崩れかけた屋根に小鳥が止まっていたりして、なんとも平和な光景だった
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
ドアを開けたきり動かない大斐
俺は大斐の後ろから中を覗き込んで
大斐と同じように固まった
ドアを開けたその先に、少年がうずくまっていた
体操座りをして顔を腕に埋めている
目だけをこちらに向けて、俺たちを見ていた
右目には包帯が巻かれている
そして何より
その少年の瞳は青色を放っていた
ヴォルテ
俺が声になっていない声を上げると、少年がこちらを見た
隻眼と目が合う
その時、少年が勢いよく顔を上げた
???
ヴォルテ
???
大斐
ヴォルテ
大斐に思い切り腕を引かれ、車に向かって走ろうとするがドアに足が引っかかって無様に転んだ
大斐が俺の体を起こそうとするが、力が入らない
その時、背後の空気が急激に冷えたのを感じた
俺の後ろを見た大斐がまた固まる
???
ヴォルテ
後ろを振り返るのが怖い
明らかにこの子は生者じゃない
都市伝説に出てきた、あの
???
???
大斐
ヴォルテ
???
???
思わず後ろを振り返る
悲しそうに視線を落とした少年が俺を見下ろしていた
???
???
???
???
???
ヴォルテ
あまりにも喋りが普通で拍子抜けしてしまった
よく見れば見るほど、外見は普通の人間と変わらない
ただこの子の周りの空気が嫌にひんやりしているのが、生者ではないことを示している
大斐
???
???
???
ヴォルテ
???
大斐
???
???
???
この子は身を包む布をぎゅうと両手で掴みながら、そう言った
今にも泣きだしてしまいそうな表情に、俺は思わず答える
ヴォルテ
大斐
???
???
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
???
???
???
大斐
???
大斐
???
???
???
???
ヴォルテ
大斐
???
???
???
???
???
???
ヴォルテ
???
???
???
ヴォルテ
大斐
???
???
ヴォルテ
ヴォルテ
???
ヴォルテ
???
???
ヴォルテ
ヴォルテ
思わず抱き締めようと腕を伸ばす
が、幽霊だから触れられないことを思い出し引っ込めようとした
しかし引っ込めるときにこの子の肩に腕がぶつかった
...ん?ぶつかった...?
???
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
大斐
この子の両手を取ってみる
体温はなく絶対幽霊なのは間違いないのだが
霊体なのに、触れられる
???
ヴォルテ
???
大斐
???
大斐
大斐
???
ヴォルテ
この子が俺たちに思い切り抱き着いてきた
グス、グス、と泣き声を上げながら。
???
???
???
俺たちはしばらく、この子が泣き止むまでそのままでいた
???
大斐
???
この子は俺たちからそっと離れた
???
ヴォルテ
大斐
???
ヴォルテ
???
大斐
ヴォルテ
大斐
???
大斐
???
ヴォルテ
ヴォルテ
ヴォルテ
???
アオ
大斐
大斐
アオ
大斐
ヴォルテ
アオ
アオ
ヴォルテ
大斐
アオ
アオ
大斐
アオ
ヴォルテ
アオ
大斐
大斐
ヴォルテ
大斐
アオ
ヴォルテ
アオ
ヴォルテ
アオ
アオ
ヴォルテ
大斐
アオ
アオ
アオ
アオ
ヴォルテ
大斐
アオ
アオ
アオ
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
︎︎
俺は襖を開けて、部屋の奥にあったタンスを1つ1つ引いてみた
小物や小道具が入っているが、それらしいものはない
手の届く範囲の引き出しは見てみたが、目当ての物はなかった
残りは、1番高い引き出しだ
俺の身長でも開けるのがギリギリで、中に入ってる物は確認できない
なにか足台にできるものはないか探そうと思ったら、こちらの様子を見ていたアオが俺の服を掴んだ
アオ
アオ
もちろんアオは手伝うつもりで言ったんだろう
けれど、どこかで俺に甘えたい気持ちがあることを感じ取った
ヴォルテ
ヴォルテ
アオ
アオを頭の後ろに乗せて、ゆっくり持ち上げる
ヴォルテ
アオ
ヴォルテ
ヴォルテ
アオ
アオを降ろして大斐を呼んだ
ヴォルテ
アオ
アオ
ヴォルテ
大斐
俺が声に出して読み上げようとしたら、大斐に止められた
ヴォルテ
大斐
速読な大斐は既に書いてあることを読んだらしい
言われるがままに黙読した
「どなたか、俺の懺悔を聞いて下さい。 俺の妻は栄養失調で死にました。 自分も後を追おうと思いました。 しかしまだ幼い息子がおります。 澄んだ青い目をした可愛い子なのです。 その子を置いて逝くなどしたら、 妻になんと言われるか。 俺は息子だけは守り抜くと誓いました。 しかし俺が狩りに出た時を狙われて、 息子は死にました。 玄関先で男に刺されていました。 俺は鉄砲で男を撃ちました。 息子の傍に駆け寄りましたが、 既に死んでいました。 息子の青い目はくり抜かれていました。 俺は男の死体を庭に埋め、 息子の目を箱に入れたのち、 この懺悔を記したあと 息子の亡骸を抱えて山に行きます。 俺は息子の傍で死にます。 箱は傍に置いておきます。 妻も息子も守れませんでした。 役立たずの人間で すみませんでした。」
ヴォルテ
大斐
ヴォルテ
この文を読んでいると、胸が痛くなる
この父親の後悔が、まるで自分のことのように感じる
アオ
大斐
アオ
大斐
大斐
ヴォルテ
アオ
大斐
大斐
大斐
大斐
アオ
アオ
大斐
ヴォルテ
アオ
大斐
アオ
ほぼ大斐に強制された気がするが、仕方なく家から出た
手にはこの子の父親の遺書を持ちながら
村の外れに行くと、山の中へと続く道があった
獣道に一歩踏み出す
辺りには木漏れ日が降り注いでおり、葉が風に揺れる音が響いていた
自分が落ち葉を踏む音が一定間隔で聞こえる
俺はそのまま山の奥へと進んだ
しばらく進むと、獣道が二手に分かれていた
しかしそのどちらに進んでも目的地にはたどり着けない気がした
ヴォルテ
ヴォルテ
俺は獣道から逸れて、そのまま進んだ
もう何分登っただろうか
ろくに休憩もせずに足を進め、日は限りなく真上に昇っていた
道の先にあったのは、大木だった
その大木を見た瞬間、胸騒ぎがした
それでも俺は、迷わずに木の裏側に回り込む
そこにあるものを、俺は知っている
ヴォルテ
木の裏にあったのは、
大人と子どもの人骨だった
子どもの骨に覆いかぶさるように、大人の骨が重なっていた
長い間雨風に晒されたせいか、骨の一部が痛んでいる
俺は二つの骨の前で屈んだ
ヴォルテ
ヴォルテ
この遺書は相当強い筆圧で書かれていた
後悔や悲しみも、もちろんあったのだろう
だが、村人に対して強い憎しみを感じていたのも同時に読み取れた
ヴォルテ
村中を恐怖に陥れた疫病...つまり呪いは、アオによるものではなくアオの父親によるもの
死んでも憎しみは消えなかったのだろう
ヴォルテ
ヴォルテ
アオは純粋で無垢な少年だ
自分の目が呪われてるのが悪いと思い込んでいて、自分を殺した人間にさえ憎しみを抱かなかった
そんな彼の魂も純粋で
この地を呪っていた穢れも、彼の魂が浄化したのだ
ヴォルテ
ヴォルテ
ヴォルテ
俺は骨の横の土を軽く掘った
土が柔らかいのも相まって、すぐ指の先に硬い物が当たった感触があった
取り出すと、それは手に収まる小さな箱だった
箱を結んでいる紐は劣化していて、腐りかけている
俺は箱が埋まっていた場所に、遺書を埋めた
そして、間違えても箱の中身がこぼれないように、両手でしっかり押さえて立ち上がる
ヴォルテ
そして俺は、振り返らずに二人がいる場所へと戻った
アオ
アオ
大斐
アオ
ヴォルテ
ヴォルテ
大斐
アオ
アオ
ヴォルテ
俺は箱をアオにそっと渡した
ヴォルテ
アオ
大斐
アオ
アオ
ヴォルテ
大斐
アオ
アオ
アオ
ヴォルテ
大斐
大斐
アオ
アオ
大斐
アオ
大斐
アオ
大斐
ヴォルテ
アオ
ヴォルテ
ヴォルテ
アオ
大斐
ヴォルテ
アオ
アオ
ヴォルテ
アオ
大斐
アオ
アオ
アオ
アオ
あっけにとられた俺たちを残して、アオは玄関を飛び出した
そして、アオの姿は消えてしまった
7年後
職員
職員
ヴォルテ
職員
職員
大斐
大斐
???
???
職員
職員
ダクラ
ヴォルテ
ダクラ
ダクラ
大斐
大斐
ヴォルテ
ヴォルテ
ヴォルテ
ダクラ
ダクラ
ダクラ
職員
ダクラ
ダクラ
大斐
ヴォルテ
俺たちは小さなこの子を抱き締めた
7年前には感じることのできなかった体温を力いっぱい包み込んだ
俺たちの様子を見ていた職員さんが我に返るまで
ずっと
俺たち3人は泣いていた