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伝説の英雄王、死して魔物に転生してなお英雄譚

第1話 - 伝説の英雄王、死して魔物に転生してなお英雄譚

2021年12月20日

#ファンタジー

#ロマンス

#転生

#魔物

どぅん

王城の中にある一際大きな一室

ハイゼン

『はぁ…はぁ…余は…ここまでか…』

王妃

『貴方！ダメよっ！まだダメよっ！私を…私を置いて勝手に死ぬなんて許さないわっ！』

ハイゼン

『はっはっ…それは流石に酷過ぎるではないか？』

王妃

『っ……それでも…お願いっ…私を…置いていかないでっ…（泣）』

ハイゼン

『………本当にすまんな…これだけはいくら余でも無理のようじゃ…』

そう、俺は大陸制覇後、魔法の存在するこの世界でなら実在するかもしれないと思い、ずっと今日この日まで永遠の命になる方法を探して来た。全く笑っちゃうよなw 人間誰しも全てを手に入れてしまったらやはり探し求めるものは永遠の命か… 前世の記憶で始皇帝は永遠の命を求めて早死したのを今になって思い出した。

ハイゼン

『ふっ、永遠の命なんてやはりただの夢物語か…』

王妃

『………』

ハイゼン

『喋れるうちに喋るから良く聞いておくのだぞ…』

王妃

『はい（泣）』

ハイゼン

『うむ』

ハイゼン

『次の王は長男に継がせろ…あと事は頼んだぞ…余としたことが喋りたいことがあり過ぎて困ったなぁ…これ以上は良しとしよう………最後に1つだけ…お前の事を本当に愛しているぞ、これまでも、これからも…』

王妃

『はぃ（大号泣）』

ハイゼン

『また縁があれば来世でも結ばれるじゃろ…余は先に行く…お前は絶対にすぐ追いかけて来たりするでないぞ？これは余の最後の願い事じゃぞ？』

王妃

『はい（大号泣）』

ハイゼン

『全く…余は本当に幸せものじゃ…悔いの無い人生じゃった…』

そんなに泣くなよ〜全く、俺まで泣きたくなるじゃねぇか… はぁ、これで開放されるのか？しっかし変な気分だぜ、意識はこんなにはっきりしてんのに体はもう声を出すことすら出来なくなっちまったのに王様っぽく喋るのももう疲れちゃってたしちょうど良かったわ… あ、悔いはやっぱりあったなぁ、妻とは本当に一生暮らしてたかったなぁ… あ、そういえば前世の記憶があるってことも結局誰にも言えなかったなぁ… あ、他にも…って、悔いばっかりじゃねぇかwww はぁ…でも本当に幸せで楽しかった… 視界がどんどん薄れていく…ここまでか