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太宰
中也
太宰
太宰は震える呼吸を整え、倒れた不良と、血のついた地面を見つめた。
太宰
中也
太宰は中也の肩を掴んで、ぐっと引き寄せる。
太宰
中也
上目遣いじゃない。完全に“治の言葉を信じてる目”だった。
太宰は深く息を吸い、死体を一度だけ見てから目をそらす。
太宰
ここで逃げると決めた。
でも、どう逃げるかなんて分からない。
それでも――
太宰
中也
太宰は手を差し出した。
太宰
中也は迷わず、その手をぎゅっと握る。
中也
太宰
二人の指が絡む。
恐怖も罪も未来も、
全部抱えたまま。
太宰
中也
太宰
ぼやきながらも、太宰はしゃがみこんで震える指で地面の血を見た。
鉄の匂い。
じわりと乾きはじめている暗い色。
太宰
中也は後ろで、まるで遠足前みたいに小さくウキウキした声で。
中也
太宰
そう言いながら、太宰は差し出された手を握ってしまう。
反射的に。
昔からそうだった。
中也
太宰
太宰は震える膝を押さえながら、倒れた不良の方へ身を向ける。
太宰
中也
太宰
太宰の耳まで赤くなる。
状況と感情が噛み合っていないのが自分でも分かる。
太宰
太宰
太宰は血に触れないよう細心の注意を払って、周囲の落ち葉や土をそっと寄せて隠そうとする。
完全には無理でも、“ぱっと見”では分かりにくくなる。
中也はその背中を眺めながら、微笑んだ。
中也
太宰
中也
太宰
その言葉に、太宰の手が止まった。
太宰
中也は首をかしげて、いつもの小悪魔みたいな笑みを浮かべる。
中也
太宰
中也
太宰
けれど、太宰はもう手を止めなかった。
中也のために、震える心で“隠す作業”を進めていく。
太宰
ぽつりと漏れた太宰の独白は、空気にすぐ溶けていった。
その声には、さっきまで必死に押し込めていた“正しさ”の残滓がにじんでいた。
中也は、血を洗い落としたバッドを隠し終えて戻ってくると、その沈んだ声を聞いて、ゆっくり太宰の隣にしゃがんだ。
中也
太宰
太宰は血の跡を消すために濡らしたハンカチを握りしめたまま、それを膝の上に落とした。
太宰
中也はそっと太宰の手首に触れた。
その指は驚くほど温かくて、優しくて、
たった今まで不良を殴り倒した人間の手には見えなかった。
中也
中也
太宰
中也は太宰の手を包み込みながら、
まるで泣いてる子どもを宥めるみたいに声のトーンを落とした。
中也
太宰
中也
太宰
太宰の胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
嬉しいのに、苦しい。
安心したのに、怖い。
矛盾した感情が全部混ざって、喉が上手く動かない。
太宰
中也
そう言って、中也は太宰の胸元につかまる。
中也
中也
太宰
中也の声は甘く、静かで、温かくて。
太宰の心の迷いを溶かすような“毒”だった。
太宰
太宰は震える手で、中也の頬を包み込んだ。
太宰
中也の顔が、嬉しさで少し赤くなる。
中也
太宰
逃避行は、
もう完全に二人の“意思”になった。
コメント
5件
はぁ〜天っ才。感情がすんごい伝わってくるちゅやのいつもと違う落ち着いてるような感じ大好き♡ぼくミステリアス系書けないから、尊敬するわ
いやぁマジでここのペア最高すぎますもう太宰さんとか大人ぽさ出て最高ですもん…まじ泣きたいです🥺
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